まあ、パソコンのキーボードの赴くまま頑張ってみようかと思います。
岡山の太老神社もまたお参りに行ってきたし(^^;;。
「・・・そんなに僕って、どっか行っちゃいそうなのかなぁ。・・・白炎のお風呂入らせてくれますか?」
頭を掻きながら、そう言って、阿知花さんを抱き寄せる。第2夫人みたいなもん?しかも公認の?。皇族なんだな、こう言うのってなんて思う間に、緑の光のカーテンに包まれて白炎のコアユニットに転送されてしまった。阿知花さんは少しだけ、ビクッととしたあと、じっとりと暖かい身体を僕に預けてくる。
白炎のコアユニット内は、皇家の船としては、こじんまりとして見えた。たぶん、広大な空間が亜空間固定されているのだろうが、そう言う印象を持つような配置だった。眼下に水田や果樹園、養蚕用の桑畑など、水利を考えてうまく配置されていた。建物は、樹雷に帰ってから日も浅く修復中のものも散見された。阿知花さんと一緒に、手近の畑まで行き、土をさわってみた。きめが細かく良く耕されている土だった。ふわりと柔らかく、良い匂いもする。
「よく手入れされた、畑ですね。」
「ほとんどオートメーションで種まきされたり、手入れされますが、わたしは、ここで時間を過ごすことが多いんです。」
ちょっとうつむき加減で恥ずかしそうに言う阿知花さんだった。振り返って阿知花さんを見ると、少し高い丘に家のような建築物が見えた。一部まだ修復中の場所や、燃え落ちててしまったようで、修復用構造材が見えているところもあった。改めて、天木日亜の記憶が呼び起こされ、時空震を食らったときの光景が脳裏をよぎる。
「・・・阿知花さん、白炎本体へのダメージはどうだったんですか?」
あの時空震に巻き込まれた、他の皇家の船も大きなダメージを負っていた。天木日亜の船もそうだったし、真砂希姫の樹はコアユニットでは命を保つことが出来ず、地球に根付かせたほうが良いほどダメージがあった。
「白炎そのものには、日亜様のご努力もあって、ダメージはほぼありませんでした。でもわたしは・・・。ブリッジ内での小火災に巻き込まれて重傷を負いました。」
そう言いながら、左肩の皇家の服をずらし背中の肌を見せてくれる。いまだ痛々しい火傷や傷跡が見えた。
「あ、でも現在の樹雷の医療技術で、ほとんど元に戻るようなんですよ。」
努めて明るく、そう答えた阿知花さんだった。
「・・・すまぬ、籐吾や、そなた達には、暗く冷たい宇宙を長期間旅させてしまった・・・。はぐれなければ、この地球で真砂希姫と共に・・・。」
そこまで言ったときに、ふわりと口を阿知花さんの手のひらで覆われてしまった。
「何もおっしゃらないで・・・わたしは、わたしは・・・。今ここにいることが嬉しいのですから。それは、籐吾様も、あやめ、茉莉も同じでございます・・・。だから、独りでどこかに行かないで・・・・・・。」
そう言って、阿知花さんは、胸の下に手を回して来た。
「・・・なんか、すんごく美化されてるような気がします。中身は地球のおっさんですよ。」
こう、微妙に済まないな~、とか思って、そう口走ってしまった。阿知花さんは、顔を上げて上目遣いに僕を見つめると、メレンゲを思わせるような笑顔をした。
「うふふ、そんな反応されるところも、実は天木日亜様とそっくりですわ。」
温かい唇に口をふさがれてしまった。またも、緑の光りのカーテンが掛かってどこかに転送された。転送された場所は・・・。
「・・・あの、僕、汗臭いですよ・・・。」
「日亜様を、いえ、あなたをすべて感じたいの・・・・・・。」
日本の和室のような雰囲気の部屋だった。ただ、結構広い。真ん中に分厚いマットレスと、遠目にも豪華とわかる木製のベッドがある。地球で言うところのキングサイズ、いや、横にもっと大きい。もちろん、先ほどの辣按モードはとっくに抜けて、日亜モードだったりする。今では、この姿が最もしっくりきてしまう。
水穂さんの張り詰めた美しさも良いが、こちらはこちらで柔らかな風情がたまらない。
そんな切れ切れの思考は、阿知花さんの愛おしさの前には無抵抗に地に落ちてしまった。
「・・・これからは、一緒にいられますね・・・。」
「言葉にしないで・・・。どこかに飛んで行ってしまいそう・・・。」
そう言って、胸に顔を埋める阿知花さんだった。
「・・・カズキ、あのさ、そろそろお風呂入りたいな・・・。」
ハッとして、辺りを見回すと、一樹と柚樹さんがベッドの足下で居た。
「すっかり忘れてたけど、2人ともずっとそこに居たの?」
「・・・だって、お風呂入りに行くって言ったじゃん。」
あ~、ホントに忘れてた・・・。
「ワシは、外にいようと言ったんだけどのぉ・・・。梅皇殿も、ましてや瀬戸殿も見たいというしのぉ。」
公認・・・。その言葉が重くのしかかる。結構エッチだよな皇族って。
「もお。・・・まあいいわ、見せつけてやりましょ。さあ、みんなでお風呂に行きましょう。」
あれ?、よよよ、と恥ずかしさのあまり泣き崩れるかと思ったけど・・・。この人結構強い。
「地団駄踏んでるお母様を思い浮かべると、何か、どうでも良いかなって。」
晴れやかな笑顔が気持ちいい。うんわ~、強いわこの人。一樹と柚樹さんのお風呂まだ、と待つキラキラした視線に見守られながら、脱ぎ散らかしたものをもう一度身につけたところに、水穂さんや、籐吾さん、あやめさんに茉莉さん、そして立木謙吾さんが転送されてきた。水穂さんは、着替えを持ってきてくれていた。そのまますっと阿知花さんと反対側に近寄ってきた。
「・・・今夜は、寝かさないわ・・・。」
罰?お仕置き?それとも・・・。またもや嫌な汗が頬を伝う。
「・・・え~っと、お取り込み中、すみませんが・・・。」
僕のことお忘れではありませんか?みたいに、立木謙吾さんが小さく手を上げている。それがとても可愛らしく思えて、立木謙吾さんの前に歩いて行き、わしゃわしゃと頭を撫でた。気持ちよさそうにしている表情は、ほとんど柴犬みたいだった。・・・あれ、ちょっと油っぽい。めずらしいな。
「・・・ごめんなさい、俺、ここ3日ぐらい忙しくて風呂に入ってないんですよ。」
そういえば、船を作るのに突貫工事したようなこと言っていたし。ちょっと離れようとしてみたりする。その手首を捕まえて、グッと抱きしめた。
「僕も、さっき遥照様と練習したし、・・・阿知花さん可愛かったし。・・・ありがとう。帰ってきてくれて。」
ちょっと涙ぐむ謙吾さんが、愛おしい、と思う間もなく、そのまま左からは水穂さん、右から阿知花さんに引っ張られて、転送ポートに入る。あとから、他の3人と一樹や柚樹もポートに入り、転送された先は、アマゾンの奥地かと思うような巨大な風呂だった。
「また、こりゃ・・・。」
皇族の力を見せつけるような、広大さ。そして自然を切り拓いて作ったような、この豪華さ。皇家の船の内部は、たぶん、皇族の趣味で作られるんだろうけど、凄いなホントに。更衣室というか、まあそう言う機能の部屋でみんな一挙に脱いで、お風呂に飛び込んでいる。ホントに子どもみたいだったりする。
「プールとかって言うより、池とか、湖ですね・・・。」
適当に背もたれのような石があるところに、みんな座ってる。そこまでざばざばと歩いて行った。
「あはははは。梅皇には、もっとスゴイお風呂がありますよ。そうそう、それに言うのが遅くなりましたが、樹雷皇阿主沙様や、船穂様、美沙樹様、内海様、瀬戸様に天木舟参様からも亜空間固定用の居住ユニットを戴いています。」
初耳!?と思って、謙吾さんに詳しく聞いた。これまでも、皇族の皆さんは、自分の皇家の船を持つが、その中に居住空間を固定し、贅を尽くした住まいを作るのが当たり前なのは聞いていた。皇家の樹の莫大なエネルギーは、もちろん攻撃にも防御にも超絶な力を発揮する。コアユニットそのままだと僕が最初に食らったようなエネルギーバースト状態になり、まあ星系一個くらい簡単に吹き飛ばすらしい。そこでエネルギーの効率的な利用と、力の加減ということで、適当な武装もするんだそうである。それはともかく、内部も亜空間固定なんて言う離れ業で見かけとは関係なく、かなり大きな空間が固定できる。それで、適当な大きさの空間に、箱庭的な理想の空間を作ったりする趣味があるそうで、何とも贅沢で壮大な趣味だと思うけども、そうやって作られた居住ユニットを戴いたんだそうである。ありがたいけれど、お礼なんてどうすれば良いんだろう・・・。
「無茶苦茶壮大な箱庭的趣味ですね・・・。」
ようやくそれだけ言えた。いや、箱庭ではなくて、そのものだろう・・・。一つの閉じた生命系を構築しているんだろうし・・・。潤沢な皇家の樹のエネルギーあってこそ、だろうなぁ。今さらながら一樹とどこか遠くへ逃げ出したくなってきた。
「・・・だめですよ。一樹と逃げようなんて考えても・・・。梅皇の船足が速いですからね。」
籐吾さんが、下からのぞき込むように、言う。
「もしかして、籐吾さん、エスパー?」
あはははは、と明るい笑い声がオリンピックの競泳用プールかと思うような風呂場に響き渡る。風呂の湯はとても気持ちよく、うちの家のような電気で沸かした風呂のようにちくちくしない。本当に豪勢な風呂である。なんとなく、混浴状態で入ってるし。一樹はラノちゃんと水をかけあって遊んでるし、柚樹さんは、だらんと足を伸ばしてす~いすいと泳いでいた。
「・・・なんかホントの家族みたいですよね。」
ぽつりと口から言葉が漏れ出てしまった。顔もお湯以上に熱くなる。
「まあ、ぶっちゃけ司令官殿が独りでどっか行かないための要石(かなめいし)ですけどね、みんな。でもみんなあなたと一緒にいたいという思いは嘘ではありませんよ。」
ぴううう、と風に吹かれて飛ぶ風船のイメージが頭に浮かぶ。僕独りじゃ何もできないのも確かだし・・・。
「あ~、まあ、そーでしょう~ね~・・・。それはそれで嬉しいけど。」
とりあえず、手近の水穂さんをぎゅっと抱きしめて、阿知花さんも抱きしめる。若干2名のメラメラと燃え上がる視線は横に置いといた。そんなこんなで白炎の風呂をみんなで上がって、阿知花さんともう一回キスして、風呂で綺麗になった一樹に柚樹さんと戻った。なんだか燃え上がっちゃってる、ちょっと怖い水穂さんの相手もして、火曜日の夜は更けていった。
8インチタブレットに行ったり、Asus社製タブレット進化型ミニノートに行ったりしましたが、結局、ヤフオクでジャンクで買った15.6インチノートパソコンが老眼来ている自分には最適だと言うことがわかりましたとさ(爆)。