出来れば世仁我の様々な設定も口裏合わせというか、教えていただけませんでしょうか?
良く考えると、アイライもあるし、ネージュちゃんところの惑星系もあるし・・・。
銀河内のパワーバランスと、この辺が簾座で、みたいなマップ作りたいなぁとか(^^;;;。
勝手に適当にやっちゃっていいか、ま、個人の妄想シミュレーション小説だし(^^;;。
美守様<若いバージョンは僕の中では、こんな危険なおねいさんです(^^;;;。
「竜木籐吾殿は、竜木言申殿の養子となって、竜木家を継ぐことになっているわ。それも、これも一樹殿のおかげね。」
艶やかな瀬戸様の声がする。なんだかにんまり笑う瀬戸様の顔が、ひとりエッチを見られた母みたいな雰囲気があった。うう、いたたまれない・・・。なんだか、性欲魔神みたいじゃん。って、以前に比べればそうだけどさ・・・。エネルギージェネレーターまで持っちゃったし。もの凄い不安定だけど。
「そ・れ・に。あの日のダンスをわたしは決して忘れないわ・・・。」
なにやら、逝ってしまった目をしている瀬戸様だった。
「あの、水穂さん、もしかして、もしかしてだけど。今までなんも考えてなかったけど、皇家四家との親戚関係が・・・。」
「・・・ええ、わたし、その辺が~っつり考えて行動されているのだと思っていましたわ・・・。まず、野放しにはしてくれないでしょうね~~~。」
ため息交じりに、今さら何をと言った、呆れている表情の水穂さんである。
「人がうらやむほど、樹雷皇家に足がかりを築いてしまっていますよね。しかもあっという間に。もっと言うと、誰も反論が出来ないほど目に見える形で、ですな。司令官殿。私たちは感謝してもしきれませんがね。それに・・・。わたしの命の恩人ですし・・・。。」
にやり、と若干他人事の顔、あとはあきれ顔の竜木籐吾さんがそう続ける。にこにこと微笑んでいるがまったく表情の読めない立木もも様は、僕と謙吾さんを交互に見ている。最後の言葉を言う時の籐吾さんは、この上なく幸せそうな微笑みだった。
「・・・いや、あの。・・・ああいうところにいれば誰だって、そうしたと思うよ。」
「いえ、皇家の一般的な対応は、自分の配下の者に、任せて、とか、百歩譲っても発見場所を瀬戸様に通信した時点で終わり、でしょうね。自分が死にかけてまで無理はしませんよ。」
立木謙吾さんが、ふっと僕から距離を取るような表情をする。というか、僕がおいて行かれたような・・・。そして、いつもの笑顔。近くに戻って来たような気がする。実際には謙吾さんは動いていないのだけれど・・・。心情的な物か・・・。これが皇家の雰囲気というものか?
「だってさ、みんな好きだし・・・。暖かい想いには暖かい想いで答えたいと思うし・・・。」
ぎゅっと左右から腕を絡められた。右に水穂さん、左に阿知花さんだったりする。
「一樹殿もわたしの養女、阿知花と一緒になれば・・・。神木家も安泰だわ。出来れば、わたしでも良いのだけれどねぇ・・・。」
舌なめずりしそうな、瀬戸様の艶やかな微笑である。
「いえいえ、僕は柾木家を名乗らせていただいてますけど、そんなスゴイ血筋ぢゃないし。」
こないだ明らかになったところによると、正木の名前はじいちゃんで、ばあちゃんは田本だったというし。
「樹雷は、ある意味実力主義なの。もちろん血筋も大事かも知れないけれど、まずは力の根源、皇家の樹に選ばれることが重要なのよ。あなたの肩に乗っている船に、あなたの膝の上でくつろいでいるその樹、・・・猫かしらね。そして・・・。」
あんら、そんなことを今さら?という表情の瀬戸様だった。ペシペシと扇子を左の掌で受けている。
「・・・あうう、もういいです。その件では謙吾さんや、籐吾さんに詰められてます・・・。」
「いいえ、今日は言わせてもらうわ。樹雷はあなたのおかげで、他の星系に先駆けて銀河間航行の可能性も手に入れた。ちょっと突出しすぎてしまったのが問題なのだけれど・・・。」
瀬戸様のマジ顔だった。ちょっと怖いくらいの迫力がある。
「・・・と言うわけで、世仁我としても黙っていられなくなったという訳よ。」
ドアを開けて、柾木家のリビングに入ってきたのは、褐色の肌に小顔で、かなりのショートカットの女性だった。うわ、誰この人。しかも牝豹と言って良いくらい身体は締まっているし、スキも無い。 美しい、そうも言えるけれど、どちらかというと女性監察官とか、そう言う雰囲気だった。まあ、気軽に話しかけるには、一千万光年ほど壁がある、それくらい僕とは違う、そう思わせる威圧感があった。まあ瀬戸様がそうでは無いわけではない。充分すぎるほど威圧感はある。瀬戸様は瀬戸様で思い切って近づいてしまったそれだけのこと・・・。
「ええっと、どちら様?」
隣の水穂さんに聞いてみる。柾木家に入ってこられると言うことは、鷲羽ちゃん始め、みんなの公認と言うことだけど。
「さっき、みんなをお説教されていたでしょ?あの方ですわ。九羅密美守様よ。姿を二つお持ちになってるの・・・。」
そう言えば、と見ると、褐色の肌に、髪の毛の色は、そう、さっきの壮年の女性に似ている。
「まあ、一樹殿のようにアストラル融合しているわけではなくて、擬体を乗り換えているんだけどね。」
鷲羽ちゃんがぼそっとそう言った。
「あら、鷲羽様、わたしだって美しい殿方の前ですもの・・・。一張羅だって着てみたくなりますわ。」
そう言って、ゆっくりとウインクする。それはそれで、可愛らしく綺麗ではある。そうして、座っている僕の前に来て、アイリさんの横を無理矢理こじ開けるように、座った。
「アイリ様、ごめんあそばせ。」
そう言う雰囲気は、さっきの包容力があるとも言える壮年の女性に似ている。似てはいるが、やはり、かなり厳しいと言って良い雰囲気があった。
「改めてお礼を言わなければならないわね。あなたに救ってもらった、星系はわたしの思い出の星なの。そして、世仁我の師父様の眠る星・・・。」
静かにそう話し始める美守様だった。
「そうだね、あの星系は、恒星の力が原因不明で弱まって、雪と氷の星になっていた・・・。」
鷲羽ちゃんが、思い出すように、そして珍しく重い口調で語り始めた。
「死に行く星が、わたしには似合いだと、晩年の師父様は、おっしゃっておりました。雪霞に強いこだわりをお持ちのようでしたわ。」
そう言って、美守様は鷲羽ちゃんを見て頷いている。
「・・・迎えに行ったら、もうすでに彼女がいたしね~~、いんやぁ、負けちゃったわ!。」
これもまた珍しく、鷲羽ちゃんが軽めの声で茶化している。その様子は、いつもの鷲羽ちゃんでは無かった・・・。
「鷲羽ちゃん、何か・・・、あったんですか?」
いつもの様子ではない、鷲羽ちゃんが、ふと気になったので聞いてみた。
「・・・・・・!」
僕の方を見たあと、、急に大粒の涙を浮かべて、僕の胸に抱きついてきた・・・。
「すまない、一樹殿、ほんのちょっとで良いから、このままでいさせて・・・。」
ちっちゃくなった鷲羽ちゃんではない、大人の鷲羽ちゃんの格好で、いつもにはなく泣き崩れていた。そう、役場に相談に来た、子どもを先に亡くしたお母さんの雰囲気に似ている。どうしようも無い、とあきらめているけれど、それでもあきらめきれない強い想いを感じ、ほとんど毎日思い悩む母の顔に似ていた。ゆっくりと長く赤い髪の頭を撫でた。周りのみんなは、事情を知っているのか、温かいまなざしで鷲羽ちゃんを静かに見ている。
「まだ僕にはよくわかりませんが・・・、長い時間を生きることは、厳しく重いものなんですね・・・。でも、僕は、わっはっはと笑ってる鷲羽ちゃんが好きですよ。それこそ何度もこの世に・・・、この世界に、引き戻してもらったし・・・。」
そう言って、鷲羽ちゃんの手に指をからめて強く握った。
「・・・・・・女心をわかっちゃいないねぇ、この子は・・・。ほんっとにバカなんだから。」
しばらくして、目をこすりながら顔を上げる鷲羽ちゃんだった。それでも指を絡めた手は離そうとしない。ちょっと恥ずかしい。背中方面から、ごうごうと情念の炎の熱さを感じる。
「・・・そういえば、天木辣按様は、もうちょっとその辺上手かったような気がするけど、記憶は受け継いでいないのかしら?」
瀬戸様は、扇子を下唇の下に当てて、上目遣いに思い出そうとしている。
「残念ながら、天木日亜の記憶も、天木辣按様の記憶も、その辺上手く言えるようなフラッシュバックは無いですね~。だから、地球のおっさんには無理ですって、皆さんのような、お美しい方のお相手はぁ~~!。」
よってたかっていじめないでよぉ、みたいな意味合いも乗せてみたりする。手練れの、とか百戦錬磨のお姉様方、とか言おうと思ったが、やめておいた。それは天木日亜の記憶も辣按様の記憶も両方がそう言っていた。
「うふふふ・・・、西南君にもゾクゾクしたモノだけれど。アマナック委員長がわざわざ見に来るはずですわね。世仁我としても放ってはおけませんわ。」
黒い牝豹・・・。まさにそんな感じの美守様だった。スッと、瀬戸様そして立木もも様までもが表情が引き締まる。アイリ様は、そう、アイリ様と言いたくなるような、一種冷たい表情だった。いつもの水穂さんのお母様でもなく、眼鏡をかけたGP理事長の雰囲気でもない。
「さらっと、世仁我の母星を含む星系を生き返らせてしまわれて、さらにいくつか赤色巨星化したり、ブラックホール一歩手前だった星系も生き返らせてしまわれた・・・。」
「本当は、うちの立場でも、言いたいことは山ほどあるんだけどね。アイライの管理星域もいくつか甦らせてくれちゃってね~。もう長いこと鎖国しているんだけど、また、きな臭くなって来てるのよね・・・。」
アイリ様まで、話題に乗っかるように、わざわざ正座を崩して、あぐらをかいて左手で頬杖ついている。
「ええっとぉ、アイリ様、パンツ見えてますが・・・。それに、なんとなく平等に星系が生き返ってて、まあ、適当になんとなく良かった良かったと・・・。」
「・・・と、言うわけには行かないでしょ~ね~。」
謙吾さんと籐吾さんが一緒に頷き合って同時に言った。
「控えめに言っても、もの凄く危険な立場でしょうね、柾木・一樹・樹雷様は・・・。お気づきかどうかわかりませんが、先ほどの西美那魅町役場で、私たちをとり囲もうとしていた浮遊球体兵器、あれ、時間凍結フィールド発生器兼、強制超空間ドライバーでしたし。私たちも悪いのですが、最後に後ろに回り込もうとしたのを一樹様が破壊していなかったら、今頃・・・。」
「そう、今頃、わたしの宇宙船の中よん。」
てへっ、バレちゃったぁ、みたいな顔をする美守様だった。全然可愛くないし。どっちかというとスゴイ迫力だし。
「それってもしかして、あのまま気付かずにいたら、時間凍結フィールドかけられて、短距離超空間ジャンプして捕縛されてたってゆーこと???」
「えげつないわね~、世仁我のやることも。」
せ、瀬戸様、なんですかその他人事な言い方は?
「ま、こんなのに捕まる程度なら、その程度だろうし・・・。捕まらなかったら・・・。」
「捕まらなかったら・・・・・・?」
ゴクリと喉を鳴らして、つばを飲み込む。
「西南君はあのとき未成年だったから、あきらめたけど、今度はそんなことないし。わたしのものにしちゃおうかなぁって!、それは冗談としても、世仁我として、正式に銀河探査に噛ましてもらおうかなぁと」
「あら、美守殿、わたしの水鏡に幽閉しちゃおうかと思ってるだけれど。」
「おほほほ、神木・瀬戸・樹雷様、ちょっと譲れませんわ。」
ばちばちばちぃって、空気がプラズマ化しそうな応酬だった。2大怪獣大戦争!、ゴジラ対ガメラ!、みたいなテロップが僕の頭の中をぐるぐる回っている。とすると、あの切って捨てたメカは?
「もしかして、鷲羽ちゃん、町長と帰る前に、襲われて切って破壊した四足メカは?」
「ああ、たいしたことないよ。世仁我製の短距離超空間ジャンプ装置付き暗殺メカさ。例えば噛みつかれていたら、細胞壁崩壊型ナノマシンを注入されていたね。液状化して数十秒後には跡も残らないよ。」
えっへんと、銀河一の天才科学者モードの鷲羽ちゃんだった。さっきの泣いている面影はすでにどっか行っちゃってしまっていた。
「あのぉ~、こないだの衛星兵器よりもえげつない気がしますが・・・・・・。水穂さん聞いていたの?」
「・・・ええ、樹雷の皇族としての抜き打ちテスト&卒業試験的なモノとは、聞いていたのですが・・・。」
それを聞いた瞬間、身体が先に反応した。気がつけば木刀を右手に持ち、右膝立ちで美守様の喉元に木刀の刃の部分を当てていた。
「僕は、このまま宇宙に放り出されても光應翼も張れるし、問題ありません。・・・ただ、この者達に危害を加えることは、今後一切無いとお約束ください・・・。」
あのまま、気付かずに短距離超空間ジャンプして、もしも、美守様の宇宙船内に入れなかったら?そう思うと怒りが先に沸き起こってしまった。世仁我の重鎮というキーワードがかろうじて首を刎ねようとする手の動きを止めていた。
「・・・ああ、なんて、なんて美しい・・・。わたしの喉に刃を突きつけたのは、あなたが初めて・・・。」
美守様は、一度目を閉じ、ゆっくりと開く。そして頬を上気させていた。もしかして、何かの引き金を引いた?超危険な香りが・・・。
「柾木・一樹よ、我が息子よ、戯れが過ぎたことは許して欲しい。お前がイツキに選ばれて、いまだ一月も経っておらぬ。華々しい結果をたくさん挙げたとは言え、疑い、嫌う者も多いのだ。これからも力を示し続けなければならぬ・・・。」
静かな声で遥照様にそう言われて、木刀をひき、元の位置に座る。左右から水穂さんと阿知花さんに腕をぎゅっと持たれた。
「父上、わたしは、どうでも良いのです。この者達にもしも危害が及んでしまったなら、わたしは・・・。この銀河は言うに及ばず、すべてを消し去ってしまうかも知れませぬ。もちろん、皇家の樹達に関しても同様です・・・。」
あぐらをかいた両ももに両腕を突き立てるようにして、そう言った。ぼたぼたと大粒の涙も落ちる。柚樹が膝の上に乗り、頭を擦りつけ、イツキは肩に乗る。
「一樹様、どうでも良いなどと言わないでください。我等はあなたが居なくなれば、気持ちの拠り所を無くしてしまいます。どうでも良いなどと、狂わんばかりに愛している者の前で、二度と、二度と言わないでください・・・。」
背後から、泣きながら声を絞り出す竜木籐吾さんの声が聞こえる。次は、とんっと頭が背中に当たる。
「俺、うまく言葉に出来ないよ・・・。でもどこかに行っちゃやだ。」
謙吾さんが、泣いていた。その場の3姉妹も静かに泣いている。
「ごめんなさい、あなた・・・。」
静かに水穂さんも泣いていた。
「う~ん、この赤い宝玉、ときどき暴走するからなぁ。ごめんね~。遥照様、勢いで父上と言ってしまいました・・・。」
みんな泣かせて、結局耐えきれずにおちゃらけてしまった。この辺が、樹雷やみんなが心配するところだろうな~とか思ったりする。うしろから、闘士2人にガッと腹と胸に手を回される。ぐええ、痛いって・・・。あばらが盛大にきしむ。遥照様が、あ~あ、と言った顔をしてお茶をすすっていた。
「ああ、なんて美しい・・・。狂わんばかりに愛しているなんて、樹雷闘士に言わせるあなたが欲しい・・・。」
うわ。ひとり、忘れてた。なにか、危険なモードに入ってしまっている。
「あ、あの、瀬戸様、美守様って・・・。」
「わたしだって嫉妬に狂わんばかりなのよ、人のことは知らないわ!。」
そう言ってプイと横を向いてしまう。それじゃあ、常識人っぽい、立木もも様は?そう思って視線を立木もも様の映っているディスプレイに向けた。
「謙吾がね、泣いているところを初めて見たわ。謙吾はいろんなことを悩みながら、それでも笑っている子だった・・・。本当に端から見てかわいそうなくらい。でも、あなたに対しては泣くことが出来るのね・・・。羨ましいわ・・・。」
静かに、湧き水が湧くがごとく言葉を紡ぐ立木もも様だった。正直、ぐぅの音も出ない。さらに、ヘルプミ~プリーズの思いを込めて、今まで見えていなかった、天地君方面を見ると、阿重霞さんや魎呼さんは、ハンカチもって真っ赤な目で見ているし、ノイケさんは珍しく、こっそり天地君の背後から天地君を抱いていた。砂沙美ちゃんは、天地君の横でにっこり微笑んでいる。でもその瞳は深く蒼い色に変わっていた。天地君は、こっちを見て固まっちゃってるし。
「さあさ、美守殿、一樹殿の力はわかったわね。わたしだって我慢してるんだから、ここは若い者に任せて・・・。梅皇に行きましょ!。」
なんだかよく分からない説得をすると、ようやくかすかに頷いて席を立とうとする美守様だった。