天地無用!~いつまでも少年の物語~。   作:かずき屋

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今回で、とりあえず、第一部として終わらせようかと思います。

ちょっとお休みを戴いて、広大な宇宙に乗り出していきたいな、そう思っています。



遠くにある樹雷24

 「さあさ、美守殿、一樹殿の力はわかったわね。わたしだって我慢してるんだから、ここは若い者に任せて・・・。梅皇に行きましょ!。」

パンと扇を開いて、瀬戸様がなんだかよく分からない説得をすると、ようやくかすかに頷いて席を立とうとする美守様だった。瀬戸様の昼ドラモードがまだマシだったりするな。でもあれも、瀬戸様を馬鹿にしていると言われればその通りだし。しかし、それになんとなく乗ってくれる瀬戸様も、また病んでるような気もしてきた。

 「もおお、一樹殿、あなたの船なんだから、あなたが先立ちしてくれないと行けないわ。」

あ、そうか、と思って、梅皇にお伺いを立てる。なんだかお美しい方々の毒気に当てられて、いまいち、こう・・・。

 「梅皇、ここに居るみんなをコアユニットへ転送してくれるかい?」

いつもの、グリーンカーテン、転送フィールドに包まれた、と思ったらなんとも広大な原野のようなところに転送された。遙か遠くに、惑星系のような物も見えている。空と言って良いのだろうか?僕らが居る上方には、球体に封入された世界、がいくつか浮かんでいた・・・。あれが皇家の皆様からもらったって言う、ユニットかな・・・。背後には、イツキが幼木であることを認識し直すほどの大きな樹。ちょうど梅の花が満開だった・・・。大きなサークル状の土に似たものに植わっている。周囲から水の供給ラインも入ってきていた。周りを見回すと、少し離れて小高い丘のようなところに巨木があり、その樹に寄りそうように、遠目でも分かるほど豪華絢爛なおうち、と言うよりお城?が一軒・・・。

 「一樹様、アルゼル惑星系は、前方に見えますように、この梅皇に、無事、亜空間固定されました。アマナック議長や惑星アルゼルの皆様がホッとされた顔をしていましたよ。・・・まだ船体ができあがったばかりですので、様々な造成はこれからですが・・・。」

謙吾さんが、傍らに立って説明してくれる。

 「その・・・、恒星間航行の自由がなくなったように思うんですが、その辺は良かったのでしょうか?」

ちょっと心配になって、ディスプレイに映っているだろう瀬戸様に聞いてみた。超空間航行が当たり前の世界である。思うときに移動できない不自由さはあると思う。

 「全く問題ないそうよ。もともと他の星系と交易をしているようなこともなかったしね。」

そう言いながら、歩いてくるのは瀬戸様だった・・・。って、忙しいんじゃなかった?

 「あら?今までに無い巨大で強い皇家の船。わたしが居ちゃ悪い?」

なにかご不満かしら?と言わんばかりの顔だった。

 「まったく、全然、悪かないですが・・・。お忙しいのではありませんか?さっきまで通信ディスプレイ越しだったですし。」

 「なんとか樹雷の公務を終わらせて、水鏡で来ちゃったの。立木謙吾殿が樹雷を出たあと、わりとすぐに出たから速かったでしょ。あなたを世仁我の美守殿に取られるわけにはいかないわ。」

さらっと、また問題発言しているし・・・。本当に、首根っこつかまれてるネコみたいな気分だったりする。はああ、と大きなため息が出た。右手に、両手でつかまるようにして立っているラノちゃんに気付く。そうか、僕がでかいんだな。抱き上げて、左肩に座らせた。なんとなく右肩にはイツキがいる。同時に、天木辣按様の姿になった。これもなんとなく、梅皇の中なのでそうしなければならないような気がした。

 「一樹、ありがとう。昔の、天木辣按様との日々が思い出されるわ・・・・・・。」

梅の香りが強くなり、花びらがさらさらと散る。梅皇からの暖かな波動が心地よい。様々なことがあったのだろう、天木辣按様の、記憶がゆっくりと巡り始める。ほとんど地平線と言って良いくらい向こうに、青い惑星と太陽に似た黄色みがかった恒星が見える。見えるが、その熱が感じられることは無い。また違った亜空間に固定されているんだろうな・・・。

 「言うと、見るじゃ大違いですね・・・。イツキも広大な空間と思いましたが、ここまで区分けされた莫大な空間があると絶句しかしません。その上、これが船の中だと言うし・・・。」

 「あなたこれから、本当に大変よ。死ぬより辛いことかも知れないわ・・・。それでも行く覚悟はある?。」

瀬戸様が、遠くを見ながら、強く、「行く」という言葉にこだわって言った。

 「はい。本当に大きな可能性を戴きました。もっと勉強して広大なこの宇宙を見て歩きたい・・・。みんながいるから出来る、そう思えています。」

冷たく暗い、宇宙。しかし、あまりにも広い。でも僕は行きたい・・・。

 「そうね、お行きなさい。あとのことは私たちがなんとかするわ。ねえ、鷲羽ちゃん、美守殿、アイリ殿。」

様々な思惑があるのだろうが、それを読み取れないような謎の微笑みを浮かべ、この銀河を統べると言って良い、女性達は頷いていた・・・。

 「ものごっつぅ、怖いんですけど・・・。」

 「一言多い!」

鷲羽ちゃんに、巨大なハリセンで背後から一刀両断にされた。梅皇やここにいるみんなの気持ちがとても嬉しい。どこまでも行ける!、確信が心を支配していった。

 

遠くにある樹雷24 終わり

第一部 完

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