幼女だよ。異世界を巡って自分探しをしてるよ   作:KDAL

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第二話 船酔いって大丈夫そうに見える人程ダメだよね?そんなことない?あらそうですか

 

 

 

 

 

絶賛乾かしてもらってる。

 

知らないお兄さん達に髪とか体とか拭いてもらってる。

 

小さい女の子の体を躊躇なくタオルでフキフキしてもらってる。

 

ここが海の上、加えて小舟の船内じゃなく、街中だったら大声で叫びたくなっただろうね。

 

このお兄さん達はきっと捕まっちゃうよ。

 

いい人そうなのに可哀想だね。

 

逆に私は悪い子だ。記憶が穴だらけになる前の私って悪女だったのかな?そんな想像しちゃうんだもん。

 

丸メガネの金髪お兄さんはもう一人の麦わら帽さんに知らない言葉で何かを喋りながら私に残った水分を取ってくれてる。

 

内容は理解出来ないけど、イントネーションとか表情から私のことを話してるんだろうな。

 

濡れた体を一通り拭き取ってくれたら大きなタオルで巻いてくれた。暖かいな〜。外で干してたタオルでしょ?お日様の匂いするもん。

 

気持ちよさそうに頬擦りしてたらメガネさんは飲み物まで出してくれた。心身共に温まるよ。味はイマイチだけどね。

 

そんな私にメガネさんは何か問いかけてる。

 

ごめんね。全然わからないや。

 

自分に指差して名前とか連呼すれば少しは意思疎通出来るかもだけど、それも無理。私は私の名前も知らないんだもん。

 

やがて話が通じてないと悟ったのか、横の麦わらさんに話を振った。

 

ケラケラ笑う麦わらさんと呆れてそうなメガネさん。

 

なんだか微笑ましい。なんだろう。誰かと会えたのが嬉しいのかな?見ず知らずの人達だよ?普通はあり得ないけど、これも記憶がないからだったりするのかな?

 

ニマニマしてたらメガネさんにチラ見された。

 

いいよ、いくらでも見て。減るモノじゃないもん。

 

タオルに包まって飲み物を口にする私に何故かため息のメガネさん。何でかな?

 

おっと、今度は麦わらさんが私の前にしゃがみ込んだ。

 

ニコニコしながら何か話しかけてくる。

 

うん。わからないよ。何がそんなに面白いのか知らないけど、取り敢えず笑いながら頷いておこうかな。共感してあげると喜びそうだし。

 

適当にコクコク頭を下げてみた。

 

麦わらさんすごい笑顔だね。喜んでるのが伝わる。

 

逆にメガネさんは激しく動揺。なんでかな?すぐ私に何か問いかけてきたけど、ごめんね。難しい話はさっぱりだよ。よし、ニマニマして誤魔化そう。

 

ニマニマ作戦でお茶を濁したらうまくいった。

 

再びのため息の後、何かしら麦わらさんと話しながら二人で船外へ出て行った。

 

さてと、私の一張羅は外で御天道様に乾かして貰ってるし、しばらくココに居させて貰おうかな。麦わらさん達の反応だとそこまで迷惑じゃなさそうだし。

 

タオルでぐるぐるに巻かれたまま横になり、私は暖かさに眠くなってそのまま寝ちゃうのだった。大物だね。

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

船の揺れで目が覚めた。

 

瞬間的に理解したよ。酷い嵐だね。

 

丸い窓越しに外を覗くと船がぐわんぐわん揺れてる。

 

風の音も切り裂くみたいで すごい音だ。

 

船内のモノは散らかってる。足の踏み場もないってこのことだね。

 

いつの間にか服を着せられてるのに気付いた。

 

女の子なら色々察して顔を赤くさせたりするんだろうけど、羞恥心が湧いてこないね。

 

どうしたんだろう私は。

 

人間としての感情がだいぶ欠落してるのかな。

 

そもそも瞬間移動する私が人間かも怪しいけどね。

 

さて、あの二人はどうしてるかな?

 

ちょっと外に出てみよう。暇だからね。

 

おっとぉ!ドアを開けた瞬間、私の体が浮かび上がったよ。

 

風が凄すぎだね。飛んでっちゃいそう。少し飛んでた。

 

あ、メガネさんありがと。また手首掴んで引き上げて…いや、引き下げて貰っちゃったね。

 

何か大声で叫んでる。怒鳴ってるみたい。

 

そりゃそうだね。何でわざわざ嵐の中に出たのかって思うよね。ごめんなさい、暇だったんです。

 

近くの手すりに私を引っ付かせた後、麦わらさんと何か言い合ってる。

 

嵐をどう抜けるかみたいな話かな?

 

船全体は軋んでるし、なんなら少し浸水してるんじゃないかな?

 

………うん。こりゃ沈むね。おしまいだ。

 

こんな危ない所に居られるか!私は部屋に戻るからね!

 

…と、何故か頭に思い浮かんだ台詞を二人に吐いて、船の先端に立ち適当な場所に片手を翳す。

 

うん。退散するよ?当たり前だよ。

 

このまま船とお兄さん達と運命を共にするなんてヤだもん。

 

二人が私に注目してる。

 

そっか。何だかんだで喋ったのはさっきの謎台詞が初めてだった。私自身くしゃみ以外で自分の声聞いた事なかった。鈴を転がすような可愛い声だったな〜

 

じゃあ、二人ともありがとう。生きてたらまた何処かで会おうね。シーユーアゲインだね。

 

あ、ちょっと、どうして抱きつくのかな?

 

幼い女の子の足にどうして抱きつくのかな?

 

揺れて危ないから…みたいな感じ?

 

荒海に私が落ちないようにかな?

 

大丈夫だよ。もう私飛んでくから。

 

寧ろ自分達の身を心配した方がいいよ。

 

あァ、ちょっと、変に抱きつかれると逆に揺れちゃうよ!

 

…と、メガネさんに抱き上げられそうになった所で私は手を握った。

 

パッと景色が変わる。別の場所だ。

 

一瞬のうちに明るくなり、風も雨も全部嘘みたいに消えた。

 

遥か後ろの地平線に暗雲が見えるから、あそこから移動してきたみたい。

 

でも、あれ?

 

何でまだメガネさんは私を抱き上げたままなの?麦わらさんも一緒にいるし。

 

そもそも、どうしてまだ船に乗ってるの?

 

……えっと、船ごと移動した感じですか?

 

………そうですか。

 

私達はしばらくの間 ポカーンとしたままだった。

 

 

 

 

 






メガネ「なん…だと…」

白「なん…だろ…?」

麦わら「これは運命だ‼︎」ドドン‼︎
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