バーテックスとの初戦は誰一人として怪我をすることも無い大勝利で幕を閉じたんだよ!たくさん訓練をしたけど、やっぱりみんな不安だったみたいだね。心から安心したような顔になってるんだよ。みんなが嬉しいと私も嬉しい!
でも、一応 戦闘後の検査は受けたんだよ。勇者システムはまだ出来上がったばかりだし、私の力で強化変身を負担なく使えるようになっても、何処かに綻びがあっちゃいけないもんね。大社の人達にはしっかりと調べてもらわないと。
…え?私?私は調べてもらわなくても大丈夫だよ。不死身だし、検査すると言ってもレントゲン?にも映らないし、血液や細胞の採取も出来ないから、やるだけ無駄なんだよ。それに病院に行くと白ワンピを寄越せ寄越せと煩い大社の人がいるから、行きたくないの!幼女の服を脱がせようとする悪い大人には会いたくないんだよ。お巡りさんコイツらなんだよ!
「お〜い、無垢。タマ〜に一人で喋ってるけど、誰と話してるんだ?」
ん?半裸のタマが私の顔を覗き込んできた。何でもないんだよ。ちょっと考えごとしてただけ。
「お、悩みごとか?よ〜し、タマに任せタマえ!どんな困りごとでも叩き壊して不安を取り除いてやるぞ!」
「タマっち先輩、ちょっと危ない考えだよ…」
後ろで服を脱ぎ終わった
私の邪悪な波動を感じ取って共鳴したタマと二人で にんまり とした不敵な笑みを杏に向ける。「ひぃッ⁉︎」と悪寒を感じた杏が身震いしたね。ふふふ、読者のみんな、楽しみにしてるんだよ?地獄に行ってもこんな面白いショーは見られないんだよ?
「珠子さん、無垢さん、姉と妹で結託して真ん中の姉妹をイジメちゃダメですよ?ね、若葉ちゃん」
「あぁ、ほら三人とも。そろそろ行くぞ。友奈が待ち切れずに行ってしまったじゃないか」
「わ〜!おっきなお風呂だね〜!」
「高嶋さん。足下が滑って危ないから、一緒に行きましょ?」
脱衣所から大浴場に繋がる磨りガラスを開けた友奈は大はしゃぎだよ。ぴょんぴょんしてるもん。千景がサッと隣に立って転けないように努めてる。
私達も友奈に続いて大浴場……貸切の大きな温泉に浸かりに行くんだよ!
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読者のみんな、ごめんなんだよ。杏のご立派様を もちもちしたかったんだけど、何故か今日は ひなた の鋭い視線があって無理そうなの。普段の流しっこの時は別段何も言われないのに、今日みたいな最高のシチュエーションの時に どうしてそんなに目を光らせるのかな?でも安心してね。寝る時は浴衣だもん。私はいつもタマと杏の間で川の字になって寝てるからね。ついつい寝相が悪くて杏を着崩しちゃうこともあるよね?みんな!まだ諦めるには早いんだよ!決意を抱き続けるんだ!!
「はふぅ〜……いいお湯だね〜〜」
「えぇ、体の芯から温まる感じがするわね。確か、効能は……」
「筋肉痛、切り傷、美肌、肩凝り、疲労回復、角質、冷え性、その他 関節リウマチや うつ病などに効果があるそうですよ。千景さん」
「すごいな、ひなた。全部覚えてるのか?」
「タマもそのくらいの記憶力が欲しいぞ〜」
「大丈夫だよ。タマっち先輩の分も私が覚えるからね?」
「冷え性にも効くなら、ぐんちゃんにはぴったりだね!クリスマスの時も寒そうにしてたし」
「いくら寒いからって、暖房機器そのものを持って来られた時はどうしようかと思ったわ。コンセントが抜けてるのに、どうやって電源を入れるつもりだったの?」
えへへ〜と、照れる友奈を眺めて、私達は星空の見える露天風呂に浸かりながら、のんびりとお湯に揺蕩っている。
山間に作られた この温泉宿は大社が勇者の為に貸切にしてくれた。初戦を無事に勝利で収めて、全員が生きて帰って来られたことに対してのお祝いの意味があるのかな?
ちゃぷちゃぷとお湯を足で跳ね、大きく伸びをする。温泉なんて久しぶりだよ。前に壺に使う良い土を求めて
「それにしても、バーテックスなんて大した事なかったな!あんなに大っきいのが四体出てきてもタマ達には勝てなかったんだから!」
「……いや、今回無血で勝利できたのは、無垢の力があってこそだ」
満面の笑みでタマが言うけど、それに待ったを掛けるように若葉が口を挟んだ。うん。私もそこはちょっと思ってたよ。
「バーテックスは無垢の瞬間移動に翻弄されていた。今回はそこに付け入る形で勝利出来ただけだ。それに、奴らは無垢を傷付けることが出来ないのを知っている。現にジェミニは無垢を攫うような動きを見せていた。……わかっているんだろう。最も危険であり、最も消えた時、人類が損失を受けるのが誰なのか」
「「「……………。」」」
自分で言うのも何だけど、この戦いは私の力が大きく活かされたね。敵に急接近出来て、離脱も容易。致命の攻撃を交わせて、本来なら大きな負担になる精霊による強化変身すらノーリスクで行使出来るもん。
そんな存在が、もしも敵にいたらどうする?
-----消すよね。どんな手を使ってでも殺すよね。邪魔過ぎるもん。前の世界の私が柱達を全員ダルマにしようとした時の心境そのものだと思うよ。
「そうですね。無垢さんの力は本当に頼りになります。だからこそ、無垢さんが この世界を去った後、私達がどれ程 過酷な戦いに身を投じることになるか、想像も出来ません」
ひなた が言う通り、私は遅かれ早かれ いつかはこの世界を去ることになる。それはみんなにも、大社の人達にも伝えてるけど。その後、残された勇者は……みんなは、どうなるのかな?
「私達は強くなる!」
みんなの表情が陰り始めた時、湯船から拳を挙げて、胸元で握り締める若葉が力強く声を上げた。
「この先、無垢が旅立つ時、私達は今の何倍も強くなっていよう。無垢に心配を掛けなくてもいいように……私達は大丈夫だと、胸を張って送り出せるように!」
流石のカリスマさんだね。みんなの顔が一気に引き締まったよ。紅魔館のおぜう様にも見せてあげたいね。……誰のことかさっぱりだけどね。おぜうって何?
-----勇者達の気合いが高まったと同時に、無垢に対して『守護らねばゲージ』が ぐ〜んと上がったのだが、当の本人はそれに気付くこともなく、温泉の後の夕食を楽しみにしているのだった(食欲ぐ〜ん)
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「美味しい〜〜〜〜!!!」
「高嶋さん。口に付いてるわよ」
「お刺身も柔らかでひんやりと美味しいですよ。はい、若葉ちゃん……あ〜ん」
「いや、ひなた、一人で食べられるから!」
「お〜い、夫婦で いちゃついてるんじゃないぞ〜。よし、そっちがその気なら、タマだって無垢に あ〜ん をして上げるんだぞぉ!お姉ちゃんだからな!」
「無垢ちゃん、はい。あ〜ん」
「ぬわぁ!?杏に先を越されちゃったぞぉ!」
温泉で まったりした後、私達は売店の牛乳やコーヒー牛乳を買って飲んだよ。腰に手を当てて プハーッ!て、あれだね。
千景は一角にあるアーケードゲームをタマとプレイしたり、杏は ひなたとお土産コーナーを物色したり、友奈と若葉、それに私の三人は、温泉の看板インコの『ゆーちゃん』を見て癒されてた。ちなみに、私は言葉を覚えさせようと奮闘してたよ。結構頑張ってたんだけど、数回程度じゃ覚えてくれないよね?……この後、勇者一行が温泉宿から帰宅した頃、ゆーちゃんが『ひき肉です!』と連呼するようになって女将さん達をとっても困惑させるんだけど、それは別のお話なんだよ(深掘りなし)
……それで、湯上がり後の自由時間を楽しんだ私達は、部屋に戻って様々な料理に舌鼓を打ってる所なんだよ!杏のあ〜んでしか得られない栄養があるね。猗窩座さんをトッピングしたら更に美味しくなると思うんだ(上弦の栄養剤枠)
季節の前菜、ズワイ蟹茹、鱧の小鍋仕立て、鯛・甘海老・白烏賊鳴門・サザエ・カンパチの盛り合わせ、和牛のロース鉄板焼きなどなど、他にも沢山の豪華な食事に、私達は大盛り上がりだよ。特に目を引くのは『うどん』だね。まるで『俺が主役だ!』と言わんばかりの大量のうどんが机の中央に置かれた大釜の中を泳いでるのは圧巻だよ!食べ放題なんだよ!
「ぬぅ!?このうどん美味いぞぉ!タマの作る『どじょううどん』と良い勝負してるぞぉ!!」
「腰のある良い うどんですね。出て来て時間が立ってるのに全然伸びてません」
「うどんも美味しい!全部美味しいよ〜〜!!!」
「友奈さん、すごい食べますね。私もたくさん食べて、もっと大きくならなきゃ!」
杏はもう十分に大きいものを持ってるんだよ〜。嫉妬で うどんの湯が煮えそうなんだよ〜。あ、何言われてるか わからない顔してる。相変わらずの天然さんだね?なら、その身体に直接教えてあげるんだよ!お姉ちゃん!!ヘルプミー!!!
「よ〜し、タマに任せタマえ!お姉ちゃんとして、杏に大人の『いろは』を手取り足取り教えてやるぞぉ〜!」
自分だって『いろは』のいの字もよく知らない筈なのに、その場のノリで手をワキワキさせながらタマが杏に迫るんだよ。シャッターチャンスは間も無くかな?
「珠子さん〜、無垢さん〜。手も足も取らなくて良いですからね〜(闇色ニッコリ)」
うわぁ……ひなたが怖い怖いだよ。笑顔に不自然な影が落ちてる。下手に杏に手を出したら後で何をされるかわからないね。ぐぬぬ、仕方がない。読者のみんな、杏の味見は一先ずお預けなんだよ。朝の着崩れに全てを賭けるからね。乞うご期待!トゥービーコンティニューなんだよ!!
「おりゃ〜!あんずぅ!タマと一緒に大人の階段を登るのだ〜!」
「きゃぁぁぁw」
あぁ、しまったんだよ。空気読めないし顔色も窺えない子が突貫しちゃった。
誰とも知れない人達の名前を叫ぶ私と 何で しょっ引かれてるのか わかってないタマは……ピシャリ!と閉められる襖の向こうに消えて行ったんだよ。もちろん、杏と川の字で眠ることも叶わなかった。バッドエンドだね。……ボスケテ
-----数日後、私達は『勇者と守護妖精』としてメディアに広く発信された。人々は希望と羨望で私達を讃え、バーテックスの脅威を打ち払う守護神として祭り上げる。街が『勇者』と『妖精』を担いで活気を見せる中、神樹から神託が降りた。
バーテックスとの次なる戦闘が、一ヶ月以内に始まること。そして、勇者側が壊滅的な大打撃を受けることを………。
〜嘘が本当か天の声シリーズ〜
天の神「なんかヤバぁなのきた。