幼女だよ。異世界を巡って自分探しをしてるよ   作:KDAL

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第二十六話 みんなは お化けって信じてる?私は信じてるんだよ!その方が浪漫があるもんね。ゼハハハハ!人の夢は終わらねぇ!!(夢とは違うかな?)

 

 

 

結果から話すね。私は『無個性』だった。ガッカリなんだよ。面白くないよね?折角超能力が当たり前の世界に来たのに、私は無個性だから何にも出来ないんだもん。詰まらないよ〜ぴえん…

 

でもね、私には安心と信頼の左手の力があるんだよ。この世界でもきっと活躍してくれると思うの!パパとドクターにも私の力のことは説明してるから当然宙渡り(瞬間移動)も左手の特殊な力のことも知ってるんだよ。

 

パパは宙渡り(そらわたり)の複製が作れないかドクターとお話ししてたけど、この力は個性じゃないらしくて それは出来なかったみたいだね。ドクターが酷く落胆してた。ごめんなんだよ〜

 

ションボリするドクターを よしよし してあげた後、本命の左手の力をテストルームって場所でお披露目することになった。そこは蒲鉾形のだだっ広い空間だったんだよ。この部屋の壁はパパの力でも簡単には壊れないらしいね。そんなこと言われちゃうと私の不死身パンチで殴ってみたくなっちゃう。ねぇ、試しても良いかな?

 

冗談でパパに聞いたら快くOKしてくれたよ。やった〜ってなって、えい!って殴ってみたら障子破りみたいな穴が空いちゃった。ほんと ごめんなんだよ〜

 

修繕費が……って嘆いてるらしいドクターを見ないフリしながら、さっそく左手の力を試してみた。左手を前に翳して、何か起きろ〜って念じて力を込めたんだよ。

 

……うわぉ!左目が青白く灯ったね。焔みたいなのが尾を引いてメラメラ燃えてる。ちょっと驚いたけど、ブラックロックシューターのアグレッサーモードみたいでカッコいいね!でも不思議。全然熱くないんだよ。

 

誰とも知れない人の名前を口にしたのも構わず、手で左目から溢れる青い炎に触ってみたり、ロックキャノンが出せないか試した。でも、何にも起きないんだよ?これって何の為に燃えてるんだろう??

 

また前の世界みたいに暫くしないと詳細が分からない系の力なのかな?それはそれで楽しみでもあるけど、焦らされてるみたいでヤなんだよ〜

 

なんて思いながら、後ろで成り行きを見守ってたパパ達に振り返ったんだけど─── 一瞬、息を呑んじゃった。

 

何故かって?簡単だよ。数えきれない沢山の人達が憎悪と怨みに満ちた表情でパパを睨みながら ぐるりと囲んでたからだね……。

 

なにこれ、すごいね。すごい怖い。男女問わず沢山の人に取り囲まれてる。みんな眉間に皺が寄る程の憤怒に満ちた形相でパパを睨んでるもん。未知との遭遇が過ぎるね。何処から湧いたんだろう。怖過ぎるんだよ。

 

……え?パパには見えてないの?ドクターにも??……嘘でしょ。もしかしなくても、私にしか見えてないのかな?

 

これは大ピンチなんだよ。ちっぽけな純白幼女が立ち向かって良いレベルの事象じゃないと思う。呪術師を呼ぶ案件なんだよ。五条さん助けて〜!

 

誰とも知らない人に助けを求めた辺りで、パパがドクターと密談し始めた。うわぁ……密談中も食い入るようにみんなから睨まれてる。全然密談になってないんだよ。逆に面白いまであるね。写真撮りたい(順応が早い)

 

お話を終えたパパが戻ってきた。……え?左目の焔を消すの?わかったんだよ。

 

……あ!沢山居た人が皆んな消えた。一人残らず綺麗さっぱり居なくなったんだよ!ひょっとして、これが左手の───いや、左目の力なのかな?霊が見える力ってこと?

 

……う〜ん、要らない!普通に怖いもん。殴って倒せない霊的な存在はNOなんだよ。寝てる時に覗き込まれたりしたら ちびっちゃう自信がある。本当に勘弁してもらいたいんだよ。

 

え?お化けじゃないの?パパには心当たりがあるのかな?……個性の意志?よく分からないけど、お化けじゃないんだね。それなら安心なんだよ〜

 

ほっと息を吐く私を尻目に、パパは何故か面白そうな笑顔を浮かべて、ドクターは発狂しながら喜んでる。こっちはお化けと関係を築かないといけないのかとヒヤヒヤしてたのに何を笑ってるのかな?ぷんぷんなんだよ〜!

 

 

 

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あれから数日色々と試した結果、左目の力が何なのか大体把握出来たんだよ。まさかそんな力だったなんてね。思ってたよりも汎用性が高そうで嬉しい!パパの娘として相応しい力だね!!

 

え?勿体ぶってないで早く教えろって?ふふふ……そんなこと言われると益々焦らしたくなっちゃうんだよ。愉しみは後に取っておかなくちゃね。段々とパパみたいなヤラシイ性格になってる気もするけど、子は親に似るって言うもん。仕方がないんだよ〜

 

さて、気になる左目の力は いつか発表するとして、純白幼女からクイズを出題するんだよ!(突然の話題転換)

 

では問題!私は今何処にいるでしょ〜!……え?分からないって?仕方がないね。じゃあ、ヒントをあげるんだよ。

 

暗くて広い場所で、いっぱい席が並んでて、大きなスクリーンに映像が映し出されてる。あと、私はポップコーンって言うお菓子の入ったバケツを抱えてるよ。

 

……そう。映画館に来てるんだよ!パパと一緒にね!遂に外出が出来るようになったんだよ。やった〜〜!!

 

ん?どうやって『世界渡り』の問題を解決したのかって?それは後で説明するよ。映画館では静かにしてないとね。今は闇の帝王なパパの特権で私達だけの貸切状態だけど、映画館のマナーは守らなくちゃ。上映が終わるまでは お口にチャックだよ。

 

若葉達の世界にも映画はあったけど、バーテックスの侵攻でそれどころじゃなくなってたから、話にしか聞いたことがなかった。まさか世界を跨いだ先で観られるなんて思わなかったよ。

 

今は『魔法少女』の映画を観てるの!杏が魔法少女は変身シーンが凝ってて良いって絶賛してたからね。パパに駄々を捏ねて連れてきてもらったよ。パパは渋い顔して嫌がってたけど、問答無用で引っ張って来た。幼女一人じゃ劇場に入れなかったんだもん。仕方がないでしょ〜

 

 

【幼女視聴中】………おぅふ。なんか黄色い魔法少女の頭が食べられちゃった。なにこれ?……え、青い魔法少女が魔女になった。なにこれ??……え!白いマスコットキャラが全部裏で手を引いてたの?黒幕だったの!? ナニコレ???

 

私の想像してたプリティでキュアキュアな魔法少女の映画じゃなかったみたいだね。イラストが可愛かったから観に来たけど、これはヤバぁだね。もしも私みたいに勘違いして劇場に来た幼女がいたら途中退席待ったなしだよ。幼くて脆い心にトラウマを植え付けちゃう。

 

でも最初は乗り気じゃなかったパパはエンドロールで拍手してた。『素晴らしい喜劇をありがとう……』って言いながらの大喝采だったんだよ。

 

大切な名言をすごくどうでも良い所で消化させた気もするけど、よく分からないや。それにしても性癖捻り切れてるね?良いと思うよ!(染まってきてる)

 

 

 

---------------

 

 

 

うん。人生初の映画はそこそこ良かったね。思ってた内容とは掛け離れてたけど、逆にインパクト強くて面白かった!この映画は前編だったみたい。後編が公開されたら また観に来ようね、パパ!

 

……あれ?パパが居ない。……あ、今の映画のパンフレット買ってる。

 

 

さて、パパが売店に行ってる間に『世界渡り』をどうやって解決したかを話しておこうかな。

 

実はね?……な〜〜んにも解決してないよ!お手上げ!ばんざ〜いだよ!!

 

え?解決した説明をするって言ってたじゃないかって?あれは嘘だ(うわぁああぁぁ…←誰かの断末魔)

 

うん。もうね、ドクターも頭を抱えてたよ。全てが分からない。何が分からないかも分からないって感じで項垂れてた。自暴自棄になってたもん。『儂なんて……儂なんて……』とブツブツ言ってたらしいよ。落ち込む顔が面白くて思わずカメラのシャッターを押しちゃったもん(人の心無くした系幼女)

 

……という訳で、私の左手はいつピカピカピカリンしてもおかしくない状態だよ?だから開き直って好き勝手やろうって話になったの。パパも今まで私を箱入り娘にしてた分、好きな所に連れて行ってくれるって言ってたからね。言質は取ったんだよ。だから映画に来たんだ。

 

あ、パパおかえり〜!パンフレット買ってたね。パパも楽しかったみたいで嬉しいよ。ん?……魔法少女のアクリルスタンドも買ったんだ。本当に面白かったんだね。一緒に考察とかしよっか?私はね、黒い魔法少女は未来から来たんじゃないかと睨んでるんだよ?(謎の洞察力)

 

 

 






〜嘘か本当かシリーズ〜
とある研究者の殴り書き②

少女二人の蘇生は難しくない。やろうと思えばすぐにでも蘇生は可能だろう。だが、存在Xには治療が難しいと誤魔化しを入れている。

当然のことだ。存在Xは二人が目を覚ませば、我々の敵となる確率が跳ね上がる。どうやら、存在Xとその友人達は、ココとは異なる世界で『勇者』と呼ばれていたらしい。この世界で言う『ヒーロー』の位置付けだ。

……我々とは正反対の存在。二人が完治して意識を取り戻せば、間違いなく強大な敵になる。

そこで『現状維持』と『意識混濁』の個性を使い、傷の治りを著しく遅くさせ、覚醒の芽を摘み取り意識を封じ込めている。

存在Xはそのことに気が付いていない様子だ。人を疑うことを知らないのだろうか。純粋無垢とは愚かしく残酷なものだ。

異界人二体の身体も『脳無計画』に役立ちそうだが、最も魅力的なのは存在Xの方だ。彼の器として、あれ程に適した身体は全世界を探しても見つからないだろう。正しく〝マスターピース〟に相応しい……。

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