幼女だよ。異世界を巡って自分探しをしてるよ   作:KDAL

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第?-3話 口は災いの元だね。それに第一印象もすごく大切なんだよ。今回はそれが にょじゅ…にょじゅちゅ……、言えないからもう良いんだよ!(開き直り)

 

 

ヒンメルが旅に出て二十年後、私とフリーレンはハイターのお墓に約束のお酒をお供えしに行くことになった。世界を渡ることなく今日まで過ごすことが出来たのは幸か不幸かだね。

 

どうしてかって?ちょっと行くのが怖いからだよ。仲間のお墓だもん。見るのが怖いんだよ。お先に……なんて格好を付けて去った人が まだ生きてる訳がないもん。元気にお酒を飲んで酔っ払ってるハイターの姿が昨日のことのように思い出せるんだよ。

 

「ダメだ…また同じ木に戻って来た……」

 

あ、本当だね。この木を見るのはこれで3回目だよ。そろそろ別の手段でハイターの家を探した方が良いかな?

 

「───何か お探しでしょうか?」

 

か細い声で誰かが私達に喋り掛けてきたね。振り返るとキノコが入った籠を持った、私と同じくらいの背丈の紫幼女が立ってた。……待って、私よりも背が高くないかな?少しだけ、ほんの少しだけだけどね。ちょこっとジェラシーなんだよ。

 

私って幼女の中でも背が低い方だから、同じ幼女と並ぶと どうしても自分と比べちゃう癖があるんだよね。若葉達と一緒の時もそうだったけど、自分だけ背が伸び縮みしないのは結構悲しいんだよ。この悩みが共感出来る人は少ないだろうね。

 

私が ふらふらとその子に近付いて手で背比べをしてた時、フリーレンから話の本題が告げられる。あ、この子はハイターの関係者さんなんだね。じゃあ、話が早いんだよ。早速ハイターのお墓に案内してもらえないかな?

 

……え?まだ生きてるの!? あ、ごめん!ごめんなんだよ!変な思い込みしててごめんね!だから叩かないで!頭をポカポカしないでほしいんだよ〜!!

 

私の不謹慎な発言に機嫌を悪くしたその子はぷくっと頬を膨らませて私の頭を暫くの間 叩いてた。フリーレンも『反省しなさい』みたいな顔付きで全然止めてくれなかった。何故か助けてくれないフリーレン様なんだよ〜

 

 

 

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ハイターの家に通されたよ。前と比べて更に歳を重ねてたけど、それなりに元気だった。まだ生きてるなんて夢にも思ってなかったから すっごく嬉しかったよ。思わず抱擁を求めて頭突きみたいにお腹へ突貫しちゃったもん。エビみたいに反ったまま私ごと すっ飛んでいくハイターに紫の子は大慌てだったんだよ。大丈夫、ハイターはこのくらいじゃ ビクともしないからね!勇者パーティの僧侶を舐めてもらっちゃ困るよ!!

 

ね?ハイター!って同意を求めたら、鉄のフォルゴレみたいな笑顔で震えながらな返事をしてくれた。……もしかして大丈(だいじょ)ばないやつだったかな?

 

 

 

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思いの外 純白幼女の頭突きが響くお年頃になってたハイターに ごめんなさいした後、積もる話に花を咲かせた。この二十年の私達の旅だったり、ハイターの聖都での活躍なんかだね。紫の女の子……フェルンの紹介も含めて。

 

そのフェルンに関してだけど、私は早くも嫌われたみたい。ハイター死亡説を唱えてたことと、頭突きの流れが最悪だったみたいだね。死亡説はフリーレンも同じこと考えてたのに私だけが悪者になっちゃった。私の口は余計なことを喋り過ぎだね。お口チャックだよ〜

 

凹む私に頭突きの罪滅ぼしとしてお願いを聞いてくれないかとハイターに頼まれた。お?挽回のチャンスをくれるの!?わかったよ。何でも言ってね?私に出来ることなら何だってしてあげるんだよ!

 

……フェルンを私達の旅に同行させてほしいって言われた。ちょっと予想外だったね。件の紫の幼女は台所に行ってるから顔色とか窺えないけど、本人は了承してるのかな。でも、そのくらいなら良いよね、フリーレン?

 

「ダメだよ。その頼みだけは聞けない」

 

いつになく真剣な顔付き(いつもの無表情)で諭すフリーレン。足手纏いは連れて行けない。魔法の才能はありそうだけど、見習い程度の実力じゃ必ず死んじゃう。友人の子を死地へは送れない。そんな感じだった。

 

魔王さんはもう居ないけど、相変わらず魔物は沢山沸いてる世界だもんね。危険な旅なのは認めるよ。でもさ、私も居るんだし大丈夫なんじゃないかな?

 

「 アトリ 」

 

……フリーレンがやんわり怒ってる。ちょっと言葉が軽率だったね。命が掛かる旅だもん。もう言わないよ。ごめんなさい。

 

軽はずみな発言が目立つ私を叱る意味合いでフリーレンから圧を受けちゃった。これ以上 口を出すと本当に怒られるし、フェルンから出されたお茶を啜って大人しく成り行きを見守ることにするんだよ。……このお茶苦いね?甘いお菓子とか無いかな?

 

戸棚を勝手に物色し始めた私にフェルンから再びの鉄拳制裁(ポカポカ)が届いた。ごめんね、身体が甘味を求めちゃうんだよ〜

 

 

 

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フェルンの同行を断ったことで、ハイターは別の頼み事をしてきた。不老不死や延命の魔法が記された魔導書の解読。死が近付くに連れて前よりも怖くなったから、不死でなくとも後少し時間が欲しくなったんだって。

 

不老不死に関しては他でもなく『私』がそうだけど、フリーレンが私を調べても『何もわからない』という結果しか得られなかったから参考にはならないね。ごめんね。自分でも自分のことがよくわかってない化け物幼女なんだよ〜

 

ねぇねぇ、解読は私じゃなくてフリーレンの分野だよね。私個人には何か頼み事はないのかな?

 

……フェルンと遊んであげて?そんなことで良いの?……戦災孤児だから友達も遊び相手も居ないのかぁ。わかったよ!同い年(外見だけ)の幼女として立派にお役目を果たしてみせるね。

 

すっかり遊ぶ気満々になった私は、ハイターの手を取ってパタパタとフェルンの下へと掛けて行った。だから、誰もフリーレンのやる気に満ちた表情に気が付かなかったんだよ。

 

私と出会う前のフリーレンなら のんびりと五、六年を掛けて解読していた魔導書。それを経ったの二年で終わらせて、ハイターの思惑を外すことになるなんてね……

 

 

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