寒いよぉ…。眠いよぉ…。起きたくないよぉ…。
ベッドの中で縮こまる私をフェルンが揺らして起こす。グランツ海峡で船やら何やらの瓦礫の撤去を始めて暫く、私達は朝早く起きることを義務付けられてる。
当初、魔法が使えない私には関係ない話だな〜って軽く考えてたのに、大きな瓦礫をバラバラにする役割が与えられてからはそうもいかなくなった。
毎朝早くフリーレンと私を起こすフェルンが大変そう。ごめんね。幼女の身体は極端に睡魔に弱いの。ナマケモノみたいに永遠に眠ってられるんだよ。
でも頑張らないと。新年祭の『日の出』は綺麗な状態の海で見たいもん。フリーレンも見たことはないんだって。お寝坊さんしたとか何とか。私もその頃は魔王軍でクヴァールさんと生活してたから、そんな催しとは縁遠かったからね。楽しみにしてるんだよ。
あ、引き上げた海賊船の中にあった宝箱がミミックだった。フリーレンがパクッといかれちゃったんだよ。……何年も冷たい海に沈んでたのに、このミミックは相当タフだね。
フェルンがフリーレンをミミックから引き摺り出そうと奮闘する中、凍える寒さの中で咥え込む相手が来るのを只管に待ち続けたミミックに、私は涙を禁じ得なかった。
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長く続いた大掃除が終わったね。これで心置きなく新年祭に参加出来るんだよ。徹夜で起きておくと言ったフリーレンは結局寝ちゃったけど、そうなると思ってたから私が死ぬ気で起きてた。
ふっふっふ、これでも昔、沢山の人達を化け物から庇いながら長期間一睡もせず大移動したことがあったからね。その気になれば、眠気なんて何のこともないんだよ!……まぁ、一定の睡魔は出るんだけどね。定期的に欠伸が出ちゃう。
昨日フリーレン達に完徹宣言をしてたんだけど、どうも本気にしてなかったみたい。起きて早々私と目が合ったフェルンが『本当に起きていたんですか!?』って、すごくビックリしてたんだよ。『ダメじゃないですか!ちゃんと眠らないと!』……て、頭を撫でられながら怒られちゃった。叱ってるのか褒めてるのか、どっちなんだろう?
面白い寝相のフリーレンを起こして、いざ新年祭の会場に向かったよ。……おぉ!改めて思うけど、あんなに汚かった海が綺麗になったね。これみんな私達が片付けたんだよ〜!
長期滞在で すっかり顔見知りになった街の人達に『褒めて褒めて〜!』と頭を撫でて貰う催促をしつつ、綺麗な朝焼けを目に焼き付けた。
崖際の手摺りに身体を預けながら、フリーレンとフェルンが柔らかな笑顔で私を見ているのを視界に収めながら……。
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「アイゼーーン!会いたかったよーー!!」
アイゼンの住むブレット地方にやって来た私達は、早速本人の暮らす森に向かった。丁度外に出ていたらしいアイゼンと出会ってそのまま胸にダイブしたんだよ。
図らずもハイターの時と同じ、頭突きで突貫する形での抱擁になったけど、流石はアイゼン。歳をとっても変わらない頑強さで私のダイブを受け止めてくれた。そのまま頭を撫でてくれたんだよ。嬉しい。
でも、フェルンには怒られちゃった。『また飛び付いたんですね!』と、あの頃の思い出がフィードバックしたみたいに、頭を ぽむッて叩かれちゃった。ごめんなんだよ〜
久しぶりの再会で積もる話もあったからね。アイゼンの洞穴っぽい家で楽しくお喋りに花を咲かせたよ。私はアイゼンの隣に座って上機嫌!アイゼンも私の頭をずっと撫でてた。えへへ、すごく嬉しい。
……で、アイゼンから探し物の頼み事をされた。フォル盆地の何処かにある『フランメの手記』だって。フランメの手記は偽物ばかりだって言ってなかったかな?でも、それがアイゼンのお願いなら探してあげないとね!戦士職のアイゼンが魔法関連の本を探す理由は さっぱりだけど、覚えてたら後で聞いてみようかな〜
……あれ?そういえば、フランメってフリーレンの魔法の先生とか言ってたような?(記憶力ふんわり系幼女)
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何日も経って漸く見つかったね。大きな木の封印が解けた後、古ぼけた家の中にそれはあったんだよ。私は宝探しよりも途中でキャンプしたりご飯を食べたりしてた方が楽しかったけどね。控えめに言って最高だった!みんなでワイワイ冒険するのは至高だもん。ヒンメル達と旅した日が思い出されるんだよ〜
肝心の手記だけど、どうも
行きたい〜!って駄々を捏ね始めた私に、フリーレンは『良いよ。行こうか』と、簡単にオーケーしてくれた。ありゃりゃ?もっと面倒臭がられるかと思ったけど、ヤケにあっさりだね。何か思う所があったのかな?
何はともあれ、私達の旅の目的がはっきりと決まった。ヒンメル達に会う為に、天国に行くことなんだよ!もしかしたら、私が別の世界で寂しいお別れをした人とも会えるかも知れない!今から会えるのが楽しみなんだよ〜
場所は大陸最北端のエンデだって。……あれ?そこって魔王さんのお城があった場所じゃないかな。そこが天国なの?……う〜ん。でも、おかしいね。だって、あそこには───あれれ?何があったんだっけ?
何か物語の根幹を揺るがすような引っ掛かりを覚えると共に、その場所に住んでいた筈の私の記憶は鍵が掛かったように思い出せなくなっていた……。
……あ、アイゼンが甘い食べ物をチラ見せしてきてる!食べたい!ちょーだい!お口に あ〜んして欲しいんだよ〜!!
アイゼンが乾した果物を私の口に放り込むと同時に、エンデにあった筈の『何か』を───私は完全に忘れた。
〜嘘か本当か雑談シリーズ〜
自堕落なエルフ「アインザームの出る峠を越えるよ」
純白幼女「……え?そいつお化けなの?じゃあ、私は麓で待ってるから二人で倒して来てよ。ゴーストタイプには
・アインザーム討伐後↓↓↓
お化け嫌い系幼女「あ、やっぱり私も付いて行けば良かった!私には誰が出て来てくれるのか知りたかったんだよ〜!」(後の祭り)