殲滅しちゃった。
言葉の綾だからね。本当に殲滅なんて物騒なことはしてないよ。
でも向かってくるんだから仕方ないでしょ。
最終的に気を失った海兵さんの山が出来たけど、私は悪く無いよ。向かってくる方が悪い。
都合よく倒れた海兵さんから鍵が落ちてきた。これは多分牢屋の鍵なんだと思う。あからさまに意味深だもん。
よし。持っていってあげよう。さっきは見捨てようとしたけど、助けられる術があるなら手は差し伸べないとね。
一宿一飯どころじゃないくらいにはお世話になったし、もう知らない仲じゃないもんね。私は聖女のような幼女だよ。
ありゃりゃ、よく見たら れりー達居るね。自力で逃げ出してるよ。すごい。
……なんか遠巻きに見られてる?
もしかしなくてもさっきまでの虐殺(誰一人殺してない)を見られてたかな?
別にマズイとは思ってないけど、変に萎縮されても困るよ。
ん?ろじゃが一人で歩いて来た。
私の頭に手を当てて撫でながら何か喋ってる。あ、それ気持ちいい。好き。もっとやって、顎の下とかすごく気持ちいい。
私が猫ならゴロゴロ音を出しそうな癒されボイスを溢してると、れりーも…いや、れりー『達』も寄って来た。
他にも数人いる。海賊だね。私たち以外にも捕まってた人いたんだ。
たぶん漏れなく全員が私の所業を見てたのかな?視線が痛いもん。幼女見る目じゃなくなってるもん。あ、耳も気持ちいい。そう、そんな感じで撫でて、あぁ〜ろじゃ好き。
ろじゃの隣にれりーが来た。今更だけど、取り敢えず鍵は渡しておこう。もう私は要らないから。まだ捕まってる人がいるならそれを使って良いよ。
手渡したそれを見て少し驚いてた。もしかして、私が二人を助ける為に鍵を探しに行ったと思ってる?
ごめんね、見捨てようとしてました。…じゃなくて、二人なら何とかするだろうと思ってね。そういうことだからね。なんか都合よく察してね。
ん?そろそろ行く感じかな?
なんか他の海賊達も付いてくる雰囲気だよ。
『なかまに なりたそうに こちらをみている!』だよ。
れりーが ろじゃの判断を待ってる。今更だけど ろじゃが船長だったんだ。てっきり れりーだと思ってた。
普段の奇行が目立つせいでね。え?私のがよっぽど?ほっといてよ。
結局海賊仲間が5名追加だ。私は海賊じゃないから7名プラス捕虜1名の構成だよ。
一気に大所帯だね。ファミパンおじさん宜しく『お前も家族だ』パンチで温かく迎えてあげよう。虫料理はお好き?
何を言ってるんだろ私は…時々訳の分からないこと思うけど、これも失われた記憶に繋がるのかな?
せめて名前くらいは思い出そうよ。自分のことなんだから。
さてと、これまた都合よく近くに陸地が見えてるね。
取り敢えず、軍艦ごとあの陸地まで行けば良いかな?はいはい、いつものね。わかってるよ。
もうさっきみたいに失敗はしないと思う。信じてくれて良いよ。
れりーは新入り達に何か小声でボソボソ呟いてる。『面白いものが見られるぞ』とか言ってるのかな、見せ物じゃないぞぉこら〜
ろじゃは相変わらずニコニコしてる。ろじゃが笑ってない所ってあんまり見ないな。普段から身の回りの全てが楽しいって感じかな?
さてさて、じゃあ観客もいることだし、いつもより気合を入れて移動しよう。
……と、何となく格好をつける為に、普段は右手だけの握るモーションを『両手』でやった。
本当にそれだけだよ。片手をプラスしただけだったの。
なのに、両手を握った瞬間……、移動したのは私だけだった。
それも陸までの移動なんかじゃない。
この移動からしばらく経ってから気が付いた。
私は『この世界』から『べつの世界』へ移動したんだと………。
〜白幼女消失後のれりろじゃの会話〜
れりー「あの娘……何処に消えちまったんだろうな?」
ろじゃ「心配すんな。また会えるさ、これも運命だ!」ドドン‼︎‼︎