むにゃむにゃ……。あれ?なんかいつの間にか眠ってたみたいなんだよ。イマイチな味付けの軟体生物を食べた辺りからの記憶が無いね。
「おぉ、起きたかシェリフ!」
ふわぁ〜っと欠伸をしてたら、ライオスが駆けてきた。おはようなんだよ。ごめんね、なんか寝てたみたい。ん?なんか焦ってるみたいだけど、どうしたの?……眠る前のこと?何の話かな?私何か言ってたの??
疑問符を浮かべる私に何故か安心した表情で頭をポンポンと撫でてくれたライオスは、そのまま今の状況を説明してくれた。
ふむふむ、センシの畑で野菜収穫の真っ最中なんだね。どうしてダンジョンにこんな立派な畑があるのかは謎だけど、あるものはあるんだから仕方がないよね。私も手伝うんだよ〜!
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大豊作だね!こんもり お山が出来るくらいのお野菜達が並んでる。ほのかに土の香りが残ってるのが なんか良いね。
いろんな世界を旅したけど、土弄りは殆ど体験してなかったから新鮮な気持ちだった。収穫だけじゃなくて、今度は育ててもみたいんだよ〜
え?ならやってみるかって?センシから石で出来たお人形を渡されたんだけど、これを土に埋めるの?お野菜を育てるのに人形を埋めるなんて、呪術的な何かがあったりするのかな?不思議なんだよ〜
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畑の正体がゴーレムだったのも驚いたけど、それよりも遥かに驚いた事態になったね。
なんと、オークの群れに遭遇しちゃったんだよ。ダンジョン内にある商人の取引所 兼 宿屋みたいな場所を襲撃した後みたいだね。両手に盗品の物資を沢山持ってる。
それらの荷物が奪った物なのはすぐにわかったよ。幾つかの荷物に血がべったりと付いてるんだもん。
そんな魔物達と私達の視線が ぶつかった瞬間、私は石製の床にヒビが入る程の全力ダッシュで彼らに飛び掛かって行ったよ。当然だよね。敵なんだもん。倒さなくちゃ!
爆発的な加速でリーダーっぽい雰囲気のオークの前まで出た。オークさん達は呆気に取られてるね。今のうちに首領を打ち取るんだよ!不死身パーーー「やめろーーーッ!!!」
んぇッ!?センシの怒鳴り声でビクッと体が震えた。すごい大声なんだよ。腹から声を出すとかそんな次元じゃない爆音だもん。
思わず振り返った瞬間、首領の取巻きオーク達に斧でぶった斬られた。もちろん、不死身の純白幼女には効かないけど、衝撃までは逃せないから、私は来た道を ふっ飛ばされて戻ることになっちゃった。
私の体は待ち構えてたセンシに受け止められたんだよ。ちょっとセンシ!私は怒ってるんだからね!憤慨なんだよ!あそこで止められなかったら首領オークは倒せてたのに、どうして邪魔したのかな!?向こうは結構な数がいるから、不意打ちで首領を潰せてたらその後の戦闘が楽になったのに〜!
……え?センシの知り合いのオークなの?友達なの?……ゑ??
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世の中は広いね。別の世界だとオークは女の人を襲う害獣の筆頭だったのに、この世界だとお話も出来るし、とってもマイルドな感じだもん。私の異世界知識はまだまだ浅かったんだね〜
「ちょっと、シェリフを離してあげてよ!」
「ダメだ。こいつは危険過ぎる。絶対に縄を解くんじゃねぇぞ!」
……ちなみに、私達はオークの集団に捕まって、棲家にお持ち帰りされてる最中だよ。センシは知り合いだって言ってたのに、どうなってるんだろう?みんなは武器まで没収されてるんだよ。
私に関しては縄で ぐるぐるにされて、文字通り手も足も出なくされちゃってるんだよ〜
マルシルが私を心配してるね。大丈夫だよ。ちょっと簀巻きにされてるのが嫌悪感たっぷりなくらいだから。
まったくもー。センシが『その少女は身じろぎも出来ない程に縛っておれば無害だ』とか言うもんだから私はこんな情けない姿にされちゃってるんだからね?
信頼を得る為にも自分達の弱みは見せるべきだとは思うけど、ぐるぐる巻きはカッコ悪くて嫌なんだよ〜。もう巻かれた後だからどうにも出来ないけど……。
それにしても、どうして私みたいな危険な幼女を含むライオス達を巣に案内してるのかな?縄で縛ってその辺に捨てておいた方が安全だと思うんだよ。移動する前にセンシと首領オークさんが何かお喋りしてたけど、それが関係してるのかな?
簀巻きにされて取巻きオークの肩に背負われた私は、運ばれる絶妙な揺れが気持ち良くなって、いつの間にかスヤスヤと寝息を立て始めちゃった。
後でマルシルから、あの状況で寝られるのは流石にヤバいと思うよ?って引かれたんだよ……。う〜ん、自分でもそう思う!(欠伸しながら)