教師「可愛い教え子たちから失望されたいンゴねぇ……せや!」   作:羽虫の唄

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※今回試験的に「コスト」関連の描写を追加してみました。


▪︎コスト関連の主なルール

・カードの説明に「コスト」を追加。「◯/×」の形で記載され、◯側が発動に必要なコスト、×側がコストゾーンに送った際に、増える分の数字となっています。

・魔石(仮称)をコストの支払いとして使用。初期数は5。そこから、そのプレイヤーのターンが経過するごとに、5→6→7と増加していく。

・カードをコストゾーンに送ることで、そのターンに使用出来るコストを一時的に増加させることが出来る。これは各ターンに1回行える。増やしたコストは、次のターンでリセットされる。


・カードの置き場所も変わりました。今はこんな感じ↓
今のところ考えてるカードの置き場所

LP
召喚

召喚

召喚

召喚

召喚

デッキ
魔石
設置

設置

設置

設置

設置


墓地

コスト




(|)「この、クソガキがあァ───ッ!!」

 青く澄んだ空、雲一つ無い青天。

 今日も今日とて、レガリア日和である。

 

 スビア(学園)の通路を進むボン()ルドの足取りも──傍目から見ても分からないが──軽いものであった。

 

 ヘンテコな仮面と、重苦しいパワードスーツを纏ったボンボルドは、つい先程まで、この学園の最高責任者にお呼び出しを受けていたりする。

 

 枯れ木に似た細身の……しかし、(いわお)の様な確かな芯を感じさせ、鋭い眼光をその双眸から放つ、老齢の学園長からの呼び出しだ。

 

 禁忌とされる、闇属性のカードの使用。その件により、国主によって招聘されたにも関わらず、以降も変わらずに闇属性でデッキを構築し、それを大勢の人間の前で使用する……。

 

 呼び出しを受けたことに対し、思い当たる節しか見当たらないボンボルド。学園長室に入室するなり、即座に『度し難スイッチ』をオンにして、ボンドルドに成り切り、無事に窮地を脱した。

 

『度し難スイッチ』とは一体。

 

 

「──おや! ゲッキ、こちらに居ましたか」

 

 

 記憶は殆ど無いものの、感じた恐怖は残留しているとか言う、訳の分からない状態のボンボルドは、明るい声音を、1人の少年へと向ける。

 

 ここ最近。とある少年の存在が、ボンボルドにとって心の安らぎとなっていた。

 モコモコとした、ワインレッドの綿雲に似た頭髪と、鼻に走る一文字の切り傷が特徴的な彼は、『最強』のレガリストになることを目指し、来る日も来る日もボンボルドに対戦を挑んで来ている。

 

 例え、負けてもそこで挫けずに、何度だって挑んで来る……()()()()存在は、生ける伝説と称されてからは久しく見ておらず、いつの日か彼が、自身を打ち倒してくれさえすれば、きっと。失望されたいと言う、この願いも叶うはずだと──心を弾ませながら、ボンボルドは言った。

 

 

「どうですか、宜しければ。これから一戦」

 

 

 対して、ゲッキは。

 

 

「…──あ〜…。悪い。今日は、少しやめておく…」

 

 

 ボンボルドは膝から崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

 

 

 

「──ったく。どうしちまったってんだ、一体」

 

 

 独りごちるのは、ゲッキである。

 

 項垂れる様な、俯く様な。覇気の感じられない、萎びたその姿の原因は。

 

 

「……勝てねぇ」

 

 

 ゲッキは、『最強』を目指すレガリストである。そしてそれを成す為には、生ける伝説と謳われている男・ボンボルドを打ち倒して終えば良い。

 

 最短を、最速で。

 

 その為に、ここ暫く、彼は何か有れば──何もなくとも、ボンボルドへ対戦を申し込んでいた。日によっては、1日に複数回挑むこともあり。

 ……そして、そのいずれでも、ゲッキが勝利を刻めることはなかった。

 

 ボンボルドとの闘いは、とても実りのある物ではあった。

 見たこともないコンボの数々。一見、悪手に感じられるカードの組み合わせから放たれる、驚異的な効果。

 それらを体験したゲッキは、以前と比べ、間違いなく、格段に強くなっただろう。

 

 しかし、だ。

 いつの頃からか、ゲッキの胸中に、靄の様な暗い存在が巣食い始める。

 

 いつまでもいつまでも届かない、遠い玉座。

 敗北を味わえば味わうほど、己の中の──今まで築き上げていた『何か』が、確実に削られていくのが分かってしまった。

 

 ──『最強』だのなんだの言っているが。本当に欲しいのは、()()()()()()()なんじゃないのか…?

 

 そんな、目を背けたくなる考えが、頭の片隅で鎌首をもたげている。

 本当はただ、薄っぺらい自尊心を満たしたいだけなのではないか。それを否定する為に、あれだこれだと、ごちゃごちゃ理由を並べては、否定すると言うことは、やはりそうなのだはないか、と。そんな堂々巡りに、ゲッキは陥っていた。

 

 

「──そんな君にお知らせさ!」

 

「ぎゃあ!?」

 

 

 突然、横合いから声が飛び込んで来る。ゲッキの、驚愕した声が響いた。

 

 

「き、急にデケェ声出すな! びっくりすンだろうがっ!」

 

「ああ、それについては全面的に俺に非があるよ。申し訳なかった」

 

 

 まさかグーが来るとはね。

 

 そんなことを言いながら、陥没した自身の顔を元に戻そうとしているのは、いつぞやにゲッキと対戦を行った、男子生徒であった。

 ゲッキが繰り出した、必殺の右ストレートをモロに受けた彼は、待っていた冊子を差し出す。

 

 

「……ん? なんだ、これ?」

 

「や、君は最近スビアにやって来たから知らないと思ってね。ここでは、特定の時期に、学園外でレガリアを行う……いわゆる、課外授業とか交流会ってやつだね。それを近々開くんだけど、どうかなと思ってね」

 

「課外授業ねえ……」

 

 

 冊子に記載されていたのは、スビアから幾らか離れた地点にある、とある小さな町の情報だ。

 

 スビアには、世界各地から集まったエキスパートで結成された教師陣やコーチ、また、設備関連も整っている為、一見すると、あまり意味が感じられない様に思えるが、地方や特定の場所では、そこだけが持つ一定の『特色』と呼べるものがレガリアに現れてくるのだ。

 

 普段、授業などでは感じられることのない、新しい体験を生徒は味わうことが出来る上。授業先に選出された場所では、スビアの技術を間接的に触れることが出来、こちらもレガリアの技術向上に臨める──Win-Winな関係を築けるわけである。

 

 

「──なんだか最近。思い悩んでいる様だったからね。気分転換も兼ねて、参加してみたらどうだい?」

 

 

 男子生徒の提案に、数度、考えを巡らせたゲッキは、その提案に乗ってみることにした。

 

 

 

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

 

 

 

「──おや? 奇遇ですね皆さん、どうしてこちらに……ああ、課外授業ですか。そう言えば、本日はこちらで行う予定でしたね」

 

 

 そんなこんなで訪れた町・ガジャンにて。

 辿り着くや否や、ゲッキたちを出迎えたのは、ヘンテコ仮面こと、ボンボルドであった。

 

 気分転換にと訪れた先で、ここ最近の悩みの──いや、主な理由は殆どゲッキ個人による物なのだが──原因である人物との遭遇に、ゲッキの表情は、僅かに渋いものとなる。

 

 ボンボルド自身は、教師としてではなく一個人として、私的にガジャンに訪れたらしい。ゲッキたち生徒に幾つか声がけをしてから、どこかへと向かって行った。

 

 心なしか、()()()()()しているその背中を見送りつつ。

 早速とばかり、今回の課外授業での責任者を務める、ガジャンの男性が合図をすれば、皆、思い思いの住人へと声をかけ、対戦を始める。

 

 

「──さて。どうすっかなぁ」

 

 

 ゲッキもそれに続こうと……したのだが。いざ始めようとしたところで、頭の片隅に浮かぶあの考えが、またも、鎌首を持ち上げる。

 

 ──求めているのは『心地の良い勝利』であって、本当は『最強』の称号など、どうでも良いのではないか。

 

 一度でも意識をそちらに割けば、後は思考の沼に囚わる。

 止めようとすればするほど思考は加速を続けてしまい、結果として、ゲッキはその場に立ち尽くしてしまった。

 

 

(くそが……っ。本当にどうしちまったってんだ、俺は…)

 

 

 別段、レガリアで負けたことそれ自体は、これ迄にも何度も体験したことはある。だが、こんなことは……こんなにも、負け続けて懊悩してしまうのは、初めてである。

 

 ここ暫くは、ボンボルドとばかりレガリアを行っていたゲッキ。もしこれで他の誰かとの闘いで勝利を掴み──心地良さを感じてしまったら。

 自身の矮小さを目の当たりにすることが恐ろしくなり、ここに来て、彼は踏み出すことを躊躇ってしまう。もしそうなってしまったら。…一体その時は、自分と言う存在はどうなってしまうのだろうか、と。

 

 そんな時であった。

 

 

「──イェーイ!」

 

「おわぁっ!?」

 

 

 横合いから唐突に叫ばれたことで、ゲッキの口から絶叫が放たれる。(つい)でに拳も振るわれた。

 

 

「なんっ、急にデケェ声出すんじゃねえ! びっくりすンだろうがァ!」

 

「そ、そうだな。それについてはこっちが全面的に悪いね、ごめんごめん」

 

 

 些か、()()()()貰ったらしい。

 

 片膝を突くのは、オールバックヘアーの男性である。無骨な印象を受ける、彫りの深い顔立ちの彼は暫く、目の焦点を合わせるのに苦労していた様子を見せてから、改めてゲッキへと向き直った。

 

 

「やぁ! 俺はワズ。見たところ、まだ相手が見つかっていないらしいね。君が良ければ、どうだい、俺と一戦」

 

「俺は…──いや。そうだな……うっし! そんじゃ、一戦やろうぜ!」

 

「おお。やる気に溢れてるねぇ、いいねぇ」

 

 

 ほんの少しだけ、ワズと名乗った男からの提案に、悩むそぶりを見せるゲッキ。だが、逡巡しつつも、意を決した様子でワズからの申し出に、首肯した。

 

 先程までの考えを振り払い。

 両者、距離を確保してからデッキを取り出し、宣言する。

 

 

「「デュエル!」」

 

 

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

 

 

 

 発生した()()によってデッキが展開され終わるのを見届けてから、コイントス。先攻はゲッキだ。

 

 

「俺のターン、ドロー! 先ずは、手札を1枚コストゾーンに送り、そしてエリアカード〝ザヴラウスの沃土〟を展開する!」

 

 

 

ザヴラウスの沃土
属性:大地

分類:設置

▪︎自身が召喚する〝ストロング・プラント〟のコストを1軽減する。(ただし、この効果による召喚コストは1より下回らない)

 

▪︎このカードが展開されている間、自身の全ての〝ストロング・プラント〟のPPは+1000される。

5/1

 

 

 

「次に、〝火菜バンカルビー〟をバトルゾーンへ! これでターンエンドだ」

 

 

 

火菜バンカルビー
属性:大地/火 種族:ストロング・プラント

分類:召喚 PP:4000

▪︎〈盾〉

この効果を持つモンスターは相手モンスターの攻撃を防ぐことが出来る。

 

▪︎このモンスターは、攻撃を行えない。

 

▪︎バトルゾーンに居る水属性のモンスター1体につき、このモンスターのPPは−1000される。

2/1

 

 

 

 ゲッキによって、バトルゾーンが黄金色に輝く大地と化し、次いで、宝石の様な輝きを放ちつつ、ごうごうと燃え盛る果菜が出現した。それぞれの実に備わった、黄色く、厳つい両目が鋭く、対戦相手のワズを睨みつけている。

 

 

「先ずは守りを固めて来たか。そんじゃあ俺は、コストを1点増やしてから……〝F・Wルーレット〟を展開しようかな!」

 

 

 

F・Wルーレット
属性:火/水

分類:設置

▪︎各ターンのアタックフェイズ時、1度だけ、「赤」か「青」のどちらかを宣言してから、ルーレットを行っても良い。

 

▪︎ルーレットの結果が宣言と一致した場合、手札から、PP3000以内のモンスターを、1体バトルゾーンに出しても良い。(「赤」を宣言した場合は火のモンスター、「青」を宣言した場合は水のモンスターをバトルゾーンに出す)

 

▪︎このカードの効果によってバトルゾーンに出たモンスターは、ターン終了時に破壊される。

6/1

 

 

 

 現れたのは、巨大なルーレットホイールだ。赤と青の2色に分かれており、存在感を放ちつつ、バトルゾーンに鎮座する。

 

 初手はどちらも、目立った動きは見られない。ワズはターンエンドを宣言し、手番がゲッキへ移る。

 

 

「ドロー。コストを1点増やし、2体目の〝バンカルビー〟を召喚。残りのコスト5点で、〝浮上葉菜・砲連装〟を召喚だ!」

 

 

 

浮上葉菜・砲連装
属性:大地 種族:ストロング・プラント

分類:召喚 PP:5000

▪︎このモンスターは、攻撃を行えない。

 

▪︎自身の、〈盾〉を持ったモンスターのPPを、+1000する。

 

▪︎自身の、他の〝ストロング・プラント〟が攻撃する際、このモンスターを行動不能状態にしても良い。そうした場合、攻撃を行なった〝ストロング・プラント〟に、このモンスターのPPを+する。

6/1

 

 

 

 地鳴りと共に大地から浮かび上がる、巨大な真緑の植物によって出来た要塞。束ねられた葉の隙間からは、樹木で形成された、幾つもの砲塔が顔を覗かせている。

 

 エリアカードの効果も合わさり、それぞれ、PP6000の〈盾〉持ちが2体。攻撃を行えるモンスターこそ居ないが、着実に場は整いつつあった。放っておけば、完全に守りを固められ、動きを封じられてしまう。

 なので。

 

 

「俺のターン! それじゃあ、攻勢に移ろうか。コストを1点増やしてから、呪文〝賭博師のコイン〟を発動して、〝勝負師ダイナマ〟を召喚!」

 

 

 

賭博師のコイン
属性:銀

分類:呪文

▪︎このターン、自身のモンスターが攻撃を行う時、「表」「裏」の宣言をしてからコイントスを行っても良い。コイントスの結果が宣言と一致していた場合、攻撃を行ったモンスターのPPを倍にし、ブレイク数を+1する。一致しなかった場合は、そのモンスターを破壊する。

2/1

 

 

 

勝負師ダイナマ
属性:火 種族:フリー・バード

分類:召喚 PP:2000

▪︎このモンスターが攻撃する時、カードの説明に「コイントス」「ダイスロール」「ルーレット」のいずれかが含まれる効果が付与された場合、その効果をもう一度このモンスターに付与しても良い。

 

▪︎Eブレイク

このモンスターは、相手のLPを1枚ブレイクする。

5/1

 

 

 

 爆薬を両手に抱えた、風来坊の様な出立ちの、人型のモンスター。その頭上ではコインが中空でゆっくりと回転を続けている。

 

 

「さあアタックフェイズだ! ダイナマでLPへ攻撃時に、賭博師のコインを発動。俺が選ぶのは表だ!」

 

 

 キン、と硬質な音と共にコインが跳ね上がり……表の面を見せた。

 

 

「更にダイナマの効果発動! もう一度、表でコイントス!」

 

 

 再びコイントスが行われ、見せた面は表。中々に勝負運がワズには備わっているらしい。2回連続成功したことで、ダイナマのPPは8000。ブレイク数も3に跳ね上がった。

 

 

「あんなにPPの低かったモンスターが……ちっ。中々、めんどくせぇな。バンカルビーでブロック──」

 

「おっと、まだ攻撃の処理には移らないよ。手札から〝神がかったサイコロ〟を発動!」

 

「なに!? 特殊呪文か!?」

 

 

 

神がかったサイコロ
属性:銀

分類:呪文

▪︎自身のモンスターを1体指定してから、ダイスロールを行う。出た目によって、次の効果が発動する。

 1.出た目が偶数だった場合、そのモンスターのPPを倍にする。

 2.出た目が奇数だった場合、そのモンスターのブレイク数を+1する。

 

▪︎ダイスロールを行う際、1〜6までの、いずれかの数字を宣言してからダイスロールを行っても良い。そうして、結果と宣言が一致した場合、上記の効果に加えて、相手のモンスターを1体破壊する。一致しなかった場合は、このカードの効果を指定したモンスターを破壊する。

 

▪︎そのターン既に、カードの説明に「コイントス」「ダイスロール」「ルーレット」が含まれる効果が使われていた場合、このカードをコストを支払わず好きなタイミングで発動しても良い。

6/1

 

 

 

 原則として、召喚や呪文の発動は、コールフェイズのみとされている。しかし、一部には、条件が満たされていれば任意のタイミングで使用することが出来る、特殊カードと呼ばれる代物が存在した。

 

 そこそこレアなカードとの遭遇に、ゲッキが驚愕の声を上げる。観客側であれば、感心したりとまた違った反応を見せていたのだろうが、今、対戦している状況では、そんな悠長なことはしていられない。

 

 

「ダイナマを指定して、俺が宣言するのは……そうだな、3にしよう。それじゃあいこうか。ダイスロール!」

 

 

 コインに並ぶ様にして現れた1つのサイコロ。握り拳大のそれが高速で回転を行い──

 

 

「! よしよし、いいね! 宣言と一致したから、ダイナマのブレイク数を増加させ、更に君のバンカルビーを破壊させてもらう!」

 

「くそ、バンカルビー…! ちぃっ、まだもう1体残っては居るが……!」

 

「そう! ダイナマの効果がある! もう一度、〝神がかったサイコロ〟の効果を発動! お次は……5だな。5でいこう!」

 

 

 再度振るわれるサイコロ。その結果は──。

 

 

「おいおい、マジか!?」

 

「ハッハー。中々どうして、俺の勘も侮れないもんだろう? ──もう1体のバンカルビーを破壊! ブレイク数5になったダイナマで、LPをブレイク!」

 

 

 驚愕、の一言に尽きる。連続して行われたワズの賭けに、ゲッキは薄寒いものさえ感じ始めていた。

 ここまでのものを、単純に運が良いの一言だけで、済ませて良いものなのか──??

 

 

「1、2、3──ッ! アサシンカードだ! 〝九来屋(くきや)サイコーラルビ〟を──」

 

「おっとそれは防がせてもらう。〝F・Wルーレット〟の効果発動! 青を宣言して──いいね! 手札から〝取り立て屋トリス〟を召喚。そして破壊する!」

 

 

 

九来屋サイコーラルビ
属性:大地 種族:ストロング・プラント

分類:召喚/奇襲 PP:1000

▪︎このモンスターがバトルゾーンに出た時、自身の墓地から合計コストが9以内になる様に、〝ストロング・プラント〟を好きな数出しても良い。

 

▪︎このモンスターは攻撃を行えない。

9/1

 

 

 

取り立て屋トリス
属性:水 種族:フリー・バード

分類:召喚 PP:2000

▪︎このモンスターがバトルゾーンに出た時、このモンスターを破壊しても良い。

 

▪︎このモンスターが破壊された時、そのターンに相手がコストを支払わずにカードを使っており、そのカードのコストよりも、その時に使用出来るコストが少なかった場合、そのカードの効果を無効化する。そのカードがモンスターであった場合は、更に、破壊する。

 

▪︎このモンスターは、攻撃を行えない。

4/1

 

 

 

 ゲッキはバトルゾーンにモンスターを呼び出すが、それはワズのモンスターによって無力化されてしまう。

 

 またも賭けを掴んだ目前の男に、とうとうゲッキは冷や汗を流し始めた。つぅ、と。冷たい汗の一雫が頬を伝い、顎先で落ちる。

 

 

「大地属性のモンスターは、進化されると厄介だけど、素体が居ないとそれも出来ないからね。悪いけど、封じさせてもらうよ」

 

 

 それはまるで、こうなることが分かっていたかの様な発言だった。ワズのその言葉に、ゲッキは不敵に──そう見える様に、笑顔を取り繕う。

 

 

「さて、俺のターンはここで終了だ。次は君の番だぜ?」

 

「…──俺の、ターン…。ドロー…」

 

 

 乾いた喉の奥から、声が絞り出された。ゲッキの胸中に、暗い靄が立ち込める。

 

 

(勝てるのか? ここから──いや、また負けるのか、俺は……っ!?)




ごちゃごちゃして見づらい……ですかね。今回は試験的なので、今後、コスト関連どうするかはまた考えます。
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