東方闘技場   作:ゆっくり無色饅頭

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遅れて申し訳ございません。
MAGMAさんの東方異端伝より、霧雨魔喰真さんが。
こちらからは
東方次龍神より次元並行神パラドクシスが。

※例により次元神にはリミッターが付きます。


ゴング12

ある日のことだった。妹である霧雨魔理沙と魔法の森を散歩していた時、途轍もなく深い霧がいきなり出てきて魔喰真は魔理沙とはぐれてしまった。

 

「どこだ……ここは。」

 

霧が薄まり、目の前に現れたのは巨大なレンガ造りのコロシアム。幻想郷にレンガ造りの建物といえば紅魔館くらいしかないだろう。とりあえず魔理沙を探さなければと、戻ろうとした時だった。木々がメキメキという音と共に道を塞いでしまった。

 

「なっ……!何だこれ!」

(霧雨魔喰真……こっちだ)

「……誰だ」

(こっちだ……こっちだ……)

「あの建物の中か……」

 

魔喰真は次元闘技場の中へ入った。すると入口が塞がり、真っ暗だった闘技場内が一気に明るくなる。ちなみに外では既に闘技場は世界から姿を消してしまっている。魔理沙やそれ以外の誰にも見つける事は不可能となった。

 

「声の主はどこだ……?」

「フッフッフッ……やぁ、君が霧雨魔喰真だね。呼んだのは僕だ。」

「誰だお前は。」

「ただの支配人さ。さぁ、相手が待ってる。行ってらっしゃい。魔喰真さん。」

 

支配人が紐を引っ張ると魔喰真の足元の床に穴が空き、重力により彼はそのまま落ちる。が、しかしいきなりとはいえ抵抗をしないわけではない。

 

寄生型無機物(メタルビースト・)・尖爪(クロウ・クロウ)!てりゃぁ!」

 

彼は鋼鉄の装甲を纏い、爪を壁に向かって引っ掛けるつもりだったが、なんと壁には実体がなく、すり抜けてしまった。

 

「なんだと!?うわぁぁぁ!」

「次元神力により君は他の力で飛ぶのも出来ない。諦めろ。」

 

暗闇の中に魔喰真は消えていった。

次に彼が目を覚ましたのはコロシアムのど真ん中。立ち上がると目の前には青い髪に、前を閉じずに白いコートを着た男がいた。

 

「痛ってぇ……さっきの所の地下か?いや、空もあるし……どうなってやがる」

「僕はスルーかい?」

「あぁ?今それどころじゃねえんだよ。」

「君がここから出るには戦うしかないよ。戦って、終われば帰れる。勝敗は関係なしだ。」

さっきの支配人がドラの所に現れる。そして、拳を叩きつけ開始の合図を二人の闘士に送った。

 

……ーーグワァァァン!

 

「さぁ、パラドクシス!君にはコレを渡しておくよ!」

 

支配人が投げたのは2本の蒼い棒。それはパラドクシスの専用武器『パラレル』だった。

 

「いいのかい?君は仮にも支配人。二人に平等にしなければフェアじゃない。」

「お前には暴れてもらわなければ困る。さぁ、戦え!」

 

戦えと言われる前から、魔喰真はパラドクシスの真正面まで迫っていた。しかし、いくら殴ってもすり抜けて当たらないで、空振りばかりしてしまう。

 

「なんだこいつ……手応えが無い!」

「ザ・パラドックス。君はもう、僕の並行世界に縛られた。」

「くそっ、一旦引くしかないか。」

「待ってあげよう。無駄な努力だけどね。」

 

技の種明かしだ。攻撃を受けた時、自分だけ攻撃が当たらなかったらという並行世界に逃げている。つまり、『if』。もし〜だったらを実際に引き起こしている世界に逃げ込んだのだ。

 

「ふふふ……暇だからパラレルの試し撃ちでもするか。」

魔喰真が考えているあいだにパラドクシスは的代わりの物を能力で呼び出した。的代わりのソレはなんと、魔理沙本人。魔喰真の世界以外から呼び出されたが、彼に一瞬で見分けるなど不可能。容姿、声、力の質まで全て同じ。違うのは、魔喰真を知らない位だからだ。

 

「なっ……まさかてめぇ!」

「ここはどこなんだぜ!?いきなり景色が変わって……」

「死ね」

「止めろぉぉぉ!」

 

走り出した時には既に魔理沙の心臓をパラレルの片方が貫いていた。飛び散る血を浴びながら、パラドクシスは満足した顔でパラレルを回収した。

 

「あ……かひゅっ」

「おい!しっかりしろ!死ぬな魔理沙!」

「次元神力を纏った攻撃は魂を破壊する。もう如何なる手を使おうとそいつの死は確定した。安心しろ、お前の妹である霧雨魔理沙と同一でも世界が違う。」

「……ねぇ。」

「ん?」

「許さねぇぞ、この野郎!」

 

思い切り振りかぶった拳は今度こそパラドクシスの顔面を捉えた。彼の体が宙を舞い、吹っ飛ばされる。更に追い撃ちで、エルボー、回し蹴りと次々に攻撃し闘技場の壁に叩きつけた。

 

「ふ……ふふふ、ハッハッハッハッハ!」

「何がおかしい!」

「いや、こんなに連続で回避不可能になるのは久々でね……痛いじゃないか。」

 

痛いと言う割にはピンピンしている。先程の攻撃は効いてはいたが、濃い次元神力が壁となりダメージを減らしているのだ。強力な一撃をいくら喰らっても、ほぼ無傷で済んでしまう。

 

寄生型無機物(メタルビースト・)・尖爪(クロウ・クロウ)……ならこれでどうだ!」

「ザ・パラドックス。」

 

ズウンと、鈍い音がしたかと思うと、尖爪(クロウ・クロウ)が何故か消えている。過去を遡り、尖爪(クロウ・クロウ)を使わなかったらという並行世界に書き換えたのだ。

 

「くそっ、何でだ!」

「君が僕の力を知ったとしても、何故かは分からないと思うよ。それと……この死体、邪魔だから消させてもらう。トゥアション・デリート」

 

空間に捻じれがあらわれ、魔理沙の死体をぐしゃぐしゃにして飲み込んでいく。卑劣過ぎる行動に魔喰真の怒りは更に激しくなる。

 

「てめぇ!どれだけやりゃあ気が済むんだぁーッ!」

「さあね。君はどれだけ耐えられるかな?」

二人が戦いを続ける間に、支配人「コロセウス」は透明な珠を壁の中へ埋め込んでいく。これは爆弾。闘技場の壁の中に支配人は次元神力で爆発する爆弾を仕掛けているのだ。

 

「計画までは後少し。エネミーにはせいぜい頑張って貰わないとなぁ……。」

「神人が許してもあなたがやろうとしていることは愚かな事よ。それでも戦いたいの?あなたは。」

通路の奥から現れたのは次元樹海神『ユグドラシル』。先程の魔喰真の行く道を塞いだ木々は彼女が操ったものだ。

 

「あぁ、戦うことが俺の夢だからだ。夢を持つって素晴らしいだろ?」

「あなたの場合、危険だから止められてるの。それに、戦闘中のデータを体に入れるなんて馬鹿げてるわ。」

「いいだろ?別にあんたの体じゃない。」

 

彼女がため息をつくと、彼はまた淡々と爆弾を設置していく。

戦いは未だに続く。パラドクシスに一撃を与えるとまた当たらなくなるを繰り返している。

 

「はぁ……はぁ……」

(コロセウスめ……僕にリミッターを付けているけど今までの比じゃない位押さえつけているじゃないか。暴れてもらわなければ困るんじゃなかったのか?)

「うらぁ!」

「グフッ!?チッ!油断したか。」

 

鋭い蹴りが鳩尾に突き刺さる。もうそろそろパラドクシスもガス欠を起こし始めているのだ。リミッターは彼の次元神力を押さえつけているが、時間が経つにつれ更に強くなっている。これは支配人の思惑通り。パラドクシスの次元神力は押さえつけられているのではなく、吸い取られている。彼は気がついていないのだ。

 

「おいおいどうした、さっきまでの余裕はよぉ!」

「ふ……ふふふ……そうか。そうゆう事か、コロセウスめ……この僕……いや俺に負けろという事かァ!」

「うぉぉりゃぁぁぁ!」

「アノ畜生ォガァァァ!」

 

次元神力がほぼ枯渇してしまったパラドクシスは動けないまま魔喰真の拳をくらって後ろへ倒れた。

 

「おいお前、魔理沙を蘇らせるのも出来るのか?」

「僕の力は制約として、自分に起こってしまった事と死者を蘇らせる事が出来ないのさ……まぁ、ここで死んだものは蘇る。心配は要らないよ。最高神アマツの名は伊達じゃないからね。」

「そうか。じゃあ帰らせて貰う……ぜ……」

 

前のめりに魔喰真は倒れ込んだが、ユグドラシルにより受け止められた。細い彼女の腕でも、アレスと同じ位腕力があるため片手で受け止めた。

 

「あなたが負けるとはね。」

「ふふふ……僕の並行世界を打ち破ったのはこれで4人目だよ。」

「さて、帰るよ」

 

片手でコートの襟を掴まれパラドクシスは引きずられて行ったのだった。

 

「……あぁ、闘技場に力が満ちていく。」

 

コロセウスの復活は近い。




こちらのキャラのスコア
勝ち3

引き分け3

負け8

闘技場起動率85%
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