穴があったら入りたい程に不甲斐なし!!!
久々に金柱も更新しようかな
アレから数日、御母家は相変わらずハラハラとしていた。
ちなみに四年生の教室は御母家以外居らず、殆どは自身の将来のためにインターンやらなんやらにでかけているので悪しからず。
二人がいつ帰ってきても良いようにと弁当を用意していると突如として鳴り響く音。
ちなみに御母家以外は聞こえてないので悪しからず。
直ぐ様無下限と先日子供にした呪霊の高機呪法を使い現場に到着すると、そこには満身創痍の五条と手に刃物を持った黒髪の大男。
若かりし日の伏黒甚璽だ。
「さとるちゃんに何をしてるの?」
「あ?誰だテメェ?」
「ま……ママ……」
瞬間、伏黒甚璽は弾け跳んだ。
本人も最初こそ理解していないが、視線の先の御母家を見て何かが腑に落ちた。
「成る程な、黒閃を自由に出せる呪術界の隠したがってる化け物ってのはテメェか」
「はい?」
「呪術界ってのは腐ったみかんなんだよ
男尊女卑や双子は忌み子なんて常識でよ、黒閃ってのは奇跡なんだよ
それを自由に出せる?それが女?そりゃ隠してぇよな!!!」
「っ!?」
何とか反転術式を掛け五条を最低限生命活動可能まで直した直後に飛んでくる短刀。
天逆鉾
特級呪具の一つであり、あらゆる術式を無効にするという認識で問題ない。
初手は搦手を使わず、相手の性質を見極める為に投げたのだ。
五条と同じ術式に自信が有るタイプが、それとも夏油みたく他者を使役するのか。
はたまた庵みたいな援護系なのか。
その全てが違った。
「これがさとるちゃんを傷つけた物ですか……」
「おいおい、まさか受け止めるかよ」
「知ってますか……」
「あ?」
「子供に刃物を渡してはいけません!!!」
「は?」
cvがテッカマンエビルや奇術師パンドラみたいな伏黒は理由の解らなさに情けない声を出し、思わず五条と御母家を見比べる。
確かに年は離れてるが目測二つから三つ、親子は無理がある。
素直に馬鹿なのかコイツと思うが、その直後に距離を詰められた。
「成る程な呪術師らしいいいフェイクだな」
「何のことかしら?」
「五条悟に対しての子供扱いだよ!」
御母家の格闘を防ぎつつ反撃をしているが、この打撃がなかなかの曲者だ。
一つ一つ黒閃が発生するが素の力が並みなので耐えられなくは無いが、芯に響く嫌な打撃なのだ。
「テメェ何か格闘やってたんか?」
「さぁどうでしょうか?」
伏黒の戦闘スタイルを呪具を用いた物と断定し、御母家は抜き取らせる暇を与えずに攻めた。
確かに強力、確かにこれは異常と言われ程だと……だが伏黒はそれ以上に嬉しい思いが込み上げた。
自身を否定した呪術を根本から否定出来る。
かつて話したが黒閃とは偶然の産物、奇跡の一撃。
それを自由に扱えると呪術を真っ向から否定する呪術界のトップ。
それを潰したら自分の呪力が無いからの蔑みや不満も消えるかも知れない。
捨てた自尊心を取ってしまったのだ。
「あめぇ!!!」
「っ!?」
「どうしたママさんよぉ、テメェの本気はその程度か?」
拳から脚に切り替えるコンマ数秒の間に剛腕を振られ飛んでしまう。
垂れる血、口を切ってしまった。
「子供認定しにくいですね」
「あぁ?」
御母家の術式は確かに縛りは多いが、その分利点も多い。
その一つが子供認定したらの場合だ。
子供認定出来れば確かにその人物に攻撃は出来ないが、その分大きな利点も有る。
一つは子供の術式を使える。
一つは子供の呪力を上乗せする。
そしてもう一つは……
子供に対するお説教効果!!!
子とは悪さや危険なことを簡単にしてしまう。
ならば親は叱り躾、その子を守るのが普通なのだ。
故に子は親を越せないと思ってしまう、よくある父の背が大きく見える事である。
故に、憎愛術式とは子供は必敗の術式なのだ!
まぁ頭が相当イカレてなければ無理なのだが、コイツの頭がマトモな理由が無い。
「チッ!!!」
嫌な寒気を感じ、伏黒は直ぐ様攻撃を再開した。
とはいえ呪具を出そうとしたら隙を突かれると思い、可能な限り高速の戦闘方法を。
ボクシングスタイルだ。
体型からは想像出来ない軽やかなフットワークと高速のジャブからのストレート。
しかも左右への上体移動等と、日本チャンピオン顔負けの鮮やかさである。
「っ!?」
「ボクシングってのは便利だなぁ!!!
早ぇ早ぇ!!!」
ジャブ、フック、ストレート、アッパー、基礎動作でこんなにも強いのは伏黒本人の身体能力の高さ有っての代物だろう。
だが本来は肉体派の御母家も負けじといなす。
この格闘戦は呪力を持たないが故に最強を倒した男と、愛という呪力で最強を躾けた女の最高峰の戦いでもあった。
(動きの一部が独特だ。
護身術の類じゃねぇな、かと言って道とは違う命への狙い
さしずめ古武術か……)
(変幻自在の戦闘方法、でも守りは甘いですね
本来は呪具と身体能力によるねじ伏せるスタイルですね
かと言って相手の弱点を見極める目もあり、切り替える頭もあります
やりにくいです!)
互いの戦闘本質を見抜くがどうしても決め手に欠けている。
もし五条の様な術式に溺れてるタイプならそれこそ伏黒としては美味しい鴨なのだが、術式を理解しつつも格闘戦に来る御母家は厄介そのものだ。
彼女の動きから攻め焦れば不利になる、かと言って彼女よ方も下手に動きを乱すと伏黒の剛腕や剛脚が破壊してくる。
一進一退ではない、完全な停滞状態である。
(せめて徒花の香さえ使えれば)
(チッ……コイツを殺せるのは斬鉄閃くらいか)
互いに必殺の得物を出すために時間を作ろうとするが、気を抜けば停滞が無くなり戦況が傾くと確信している。
だが、そんな時に悪戯の女神は微笑んだ。
「う……」
「さとるちゃん!?」
「隙ありだな!!!」
気を失っていた五条が反転術式を使い立ち上がろうとした時によそ見をしてしまい、その腹に強力な押し蹴りを食らってしまった。
そして……
「斬鉄―――――」
「赤ちゃん居たわ!!!」
呪具を取り出す為、隠していた武器庫呪霊を出した瞬間に敗北が確定してしまった。
武器庫呪霊、それは中身が四次元ポケットの様に広く伏黒はそれを倉庫のように使っているのだ。
外見はイモムシの胴体と赤ん坊の顔と、不気味そのものなのだが……この頭のイカれたでちゅとろいヤーにそんなのは関係ない。
(漲るでちゅねで飛びます!!!)
直後から動きが変わった。
倒す動きではなく躾けるという、理解が全く追いつかないというかしたくない動きだ。
「ほーらとうじちゃ〜ん、お兄ちゃんにイタイイタイしちゃメッですよ〜」
「て、テメェ何で俺の名前を!?」
「ママですからね〜」
頭のイカれたでちゅとろいヤーは無視して、何故名乗ってすらいないのに名前を知ってるのか。
それは憎愛術式で縛りを多く作ったが故に、子供認定した瞬間相手の全てを理解するからだ。
そして知ったのだ、禪院家がどれほど酷かったのか。
理解したのだ御三家には愛が必要なのだと。
「ほ〜らお兄ちゃんにごめんなさいしなさい」
「こ、殺せ……」
あんなにも拮抗した勝負をしていたのに子供認定された瞬間、僅か一分足らずで全身をぐるぐるに巻かれ服を脱がされておむつと涎掛けを装備した偉丈夫が完成してしまった。
どこかの岡崎智也や武士仮面みたいな声の大男の前に連れて行かれ、cvがボーボボとか御大将とか言われそうな大男はごめんなさいさせられるのだった。
なにこれ?
大変お待たせしました。
甚璽が本気で拒絶反応するほどの負け方を考えてたらただのでちゅねじゃ温いと思い様々なのを考えたのですが、結局は三十過ぎか間近の大男が赤ん坊にされて殺した相手にごめんなさいさせるに落ち着きました。