でちゅね廻戦   作:ジャックマン

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これにて過去編は終了です。
いやぁ、書きたかった物はかけたので、最後の心残りを。


これで終わりなの〜?

ある日、五条夏油コンビは高専内のある施設に来ていた。

週に一日しか開かない、唯一五条悟という暴虐の魔王が尊敬する人物が居るのだ。

 

「やぁ、悟も傑も元気そうだね

おや灰原君や七海君は居ないのか、残念だなぁ」

 

「よっ景」

 

「お久しぶり景虎さん」

 

天与呪縛のフィジカルギフテッドの一人、五条家の分家の分家の分家。

枝の末端と言えるほぼ血の繋がりが無い男。

その名は『雨宮景虎』

五条とは正反対の黒髪と優しげな顔付きと、人に好かれるタイプの人間だ。

ましてや五条家の末端の出だからか、そもそも呪力が有ったらラッキーレベルの存在なので雨宮家では普通の扱いだったのが幸いし、世界で二人しか居ない『特級呪殺師』という称号を得ている。

 

「今日は何にする?

おすすめはカレーライスとビーフシチューだよ♪」

 

「景に頼みが有る!」

 

「五条本家の次期当主が末端の私に?」

 

嫌味ではなく興味本位だ。

五条悟は蝶よ花よな扱いで、台所どころか刃物一つ持つのさえ禁止されていたのだ。

故に気になる、何故そんな食事は作られて当たり前の者が自分なんてしがない料理人に頼むのかを。

 

「ママの誕生日を祝いたいからさ」  

 

「成る程、母君への感謝か」

 

「あの……景虎さん?」

 

「あの蝶よ花よな五条次期当主が感謝をか……うん、雨宮の名に掛けて全力を尽くそう!」

 

「景虎さん!?」

 

そう言いパンっと手を叩くが、何故かリュックに道具を詰め始め二人に任務へ同行するように伝えた。

案内されたのは山の奥、二級の呪霊を祓う簡単な任務だ。

 

「よっと

ほら悟、そっちに行ったよ」

 

「はいはい、術式順転『赫』」

 

「傑用の使えそうなのはそっちに誘導したよ」

 

「ありがとうございます」

 

特級呪具『天之尾羽張』と『天羽々斬』を振るい、二人の為になりそうな呪霊のみ誘導する戦い方の雨宮。

二人は同時にこう感じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いやすい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連携とは難しい、ましてや連結等は呪術師の術式を考慮して戦わなければならないので更に厄介だ。

夏油の元には階級こそ低いが自己分裂等で手数を増やせる呪霊を、五条の元には特殊な力は無いが個の力で強力な呪霊を押し付けて程よいレベルアップを行わせていた。

 

「景とやるとさ……なんか強くなった気がしてさ……もっと上に行ける気がする」

 

「解るよ悟……景虎さんは私も考えて動いてくれてる……正直、チームプレイの名手だよ

最初に呪力の無い猿なんて馬鹿にしてたのが恥ずかしいさ」

 

「あぁ!!!」

 

雨宮の選別で二人の地力が上がっていき、全てを祓いきると彼はニコニコとして釣り竿を渡してきた。

そして三人で釣りを始めた。

 

「釣れないね〜」

 

「えぇ……」

 

「……ねぇ傑、何を悩んでるのかな?」

 

「っ!?」

 

ほんわかした時間に投げ込まれる爆弾、それに動揺してしまう夏油と驚く五条。

 

「お見通しですか?」

 

「まぁね……ねぇ傑、君の悩みは恋のように熱く苦しく……そして悲しい物じゃ無いかな?」

 

「恋愛ではありませんよ」

 

「ハッハッハッ、例えだよ例え

君の悩みが告白するかしないかのような揺れ動く悲しみって感じでね……」 

 

夏油は驚愕していた。

その通りだ、術式上どうしても取り込まなければならない呪霊の味は最低最悪、そしてこの間の呪力を持つ双子への迫害。

なんとか同行者の冥冥の計らいで村の消滅に落ち着いたが……人は守るべきなのかと疑問が出てしまったのだ。

 

「傑……私はね人を守ったことは一度と無い」

 

「はっ!?か、景虎さんは何度も町や人を守ってるじゃないですか!!!」

 

「それは結果、つまり私の目的でたまたま人を守るって結果になっただけさ」

 

「じゃあ景虎さんの目的は!!!」

 

「……羂索……とある呪詛師を殺すことさ」

 

二人は寒気を感じた。

この言葉を聞いた瞬間に周囲が静かになったからだ。

 

「景虎……さん?」

 

「ハッハッハッ、つまり傑も本当は人間なんか守る存在じゃない

でも呪霊は祓わなきゃいけない、たまたま人間を守る結果になった

それくらい気楽にしなよ

君は人一倍責任感の有る子供なんだからさ」

 

そう言われると何かストンと落ちた。

そうだ別に自分は猿なんて守ってない、ただ双子を養うために呪霊を祓っていてその結果として守ってるだけなんだとだ。

 

「景虎さんのお陰で救われましたよ」

 

「それも結果、感謝なんてしなくていいさ

おっ!!!キタキタキター!!!!」

 

「えっ!?」

 

「やっと!!!」

 

そして釣り上がる川魚、その後は二人もどんどんと釣り上げいつの間にかバケツは魚の市場となっていた。

 

それを手早く捌き、焚き火を始めて魚のさばかれた串をそばに立てていく。

そして焼き上がると五条へ一つ手渡した。

 

「っ!?うまっ!!!」

 

「悟は本質を見失ってたね

母君の為に技術を凝らした料理をするのも良いけど、こんな風にさシチュエーションって大事じゃないかな?」

 

「シチュエーション?」

 

「例えばクリスマスに食べるチキンっていつもより美味しいだろ?

正月のおせちって美味しいじゃん、それってさその場の空気が作ってくれてるよね

母君の為に始めて悟が料理を作る、それが簡単でも美味しいって思うでしょ」

 

「これのようにさ」なんて笑いそう言われると五条は感銘を受けたように泣き出し、「ママの為に最高に俺の料理を作る!出来るよ、俺最強だしさ」なんて言って全力を尽くすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてクリスマス、この日は御母家の誕生日であり寮では派手にパーティーが開かれていた。

 

「ほら御母家先輩、食べて食べて」

 

「本日の主役は先輩なのでお先に」

 

「どうぞ御母家先輩」

 

「ほら〜先輩早く食べてよ〜」

 

「あらあら〜そんなに言うならお先にいただきますね〜」

 

手羽元で作られたタンドリーチキンを一口齧ると思わず「美味しい」なんて言った時だった……

 

「しゃあ!!!」

 

「あら?」

 

「先輩、実はそれ五条先輩が作ったのです」

 

「サプライズ成功ですね!!!」

 

それを聞き涙を流す御母家。

 

「ありがとうさとるちゃん……凄く嬉しい……」

 

「ママ……いつもありがとう……」

 

なんか綺麗に終わる今日。

何故か夏油家入コンビも、そして後輩コンビも微笑ましくなっていた。




雨宮景虎
呪力無しのフィジカルギフテッド。
甚璽をフィジカルゴリラと言うならコイツはテクニカルゴリラらしい。
五条家の末端だが末端過ぎて天与呪縛でも普通に育てられたので普通にマトモ。
五条悟が唯一尊敬する程の人格者にして実力者。
とある呪詛師を追っている。

五条悟(学生)
ママ、お誕生日おめでとう!!!

御母家聖 
皆ありがとう……

御母家家
金のために娘を売ったクソな家。
こんな家族よりも五条筆頭の家族の方が寧ろコイツの為じゃねとなりかねない。
呪力の無い禪院家、みたいな感じ。
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