ダンジョンにサイヤ人が入るのは間違っているだろうか?   作:雲呑麺

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※こちらは多くのご指摘を頂き、第22話の内容を考え直し、書き直した改訂版になります。
※なるべく、その場の状況とアストレアの性格を考え直したつもりです。
※比較の為、1週間ほど改訂前の第22話も残しておきます。

※拙い作ではありますが、よろしければお楽しみください。



第22話 正義復活―アストレア― ※改訂版

 アリーゼと話をして別れてから数時間が経ち、街を歩いていた俺は――唐突な闇派閥(イヴィルス)の襲撃に遭った。

 

「ふんッ!」

 

「ぐはッ!?」

「ごあッ!?」

「げがぁッ!?」

 

 で、襲い掛かってきた連中は返り討ちで瞬殺させてもらった。

 どうやら他の場所でも襲撃が起きているらしいので、近場に闇派閥の討ち漏らしがいないのを氣で確認してから、他の場所へ飛ぶ――。

 

 爆発音や悲鳴、怒号があちこちから聞こえてくる。

 今までの散発的な襲撃よりも範囲が広く、同時に起こっている様だ。

 同時多発テロという印象の、広く浅い攻撃……フィン団長の読みが外れた?

 しかし、俺達が巻き返しつつあるこの状況で、こんな規模だけは大きな攻撃……何か切っ掛けらしい切っ掛けがあったか?

 何だか中途半端な感じだ……これに狙いがあるとしたら俺の頭じゃあお手上げだぞ。

 

「死ねぇ!冒険者どもぉー!!」

 

「オラリオに死と破壊をぉ!!」

 

 いやいや、今は考えるより動く事だ――それが俺の本分!

 

「はあッ!!」

 

「ぐわぁぁ!?」

「ぎゃあぁ!?」

 

 闇派閥を速攻で蹴散らす――奴らが何かをやらかす前に倒す!

 そうすれば犠牲者も減る、あわよくば0に出来る!

 何だかんだ言っても今の俺はサイヤ人!

 

「おりゃあッ!!」

 

「「「うわあぁぁぁ!!??」」」

 

 戦いこそ一番活きる場面だ!

 暴れているのが雑魚ばかりで張り合いはないが、最近らしくないクサイ台詞を多く吐いていた所為かフラストレーションが溜まっていた。

 八つ当たりが混じって悪いが、一般人に襲い掛かるお前らが一番悪いという事で、ぶっ飛ばさせてもらう!

 

 

 

 そうして10ヶ所ほど飛び回って闇派閥の襲撃を潰した時だった――

 

 

 

『――神エレボス!あの時のお前の問い、私の『答え』を聞かせてやる!!』

 

 遠くの方から響く声――これは、リューさんの声だ。

 

『『正義』は巡る!数多の星の輝きとなって、違う誰かに受け継がれていく!』

 

 それはリューさんが言っていた、アーディさんに教えられたこと――。

 

『――私が生き続ける限り!仲間が生き続ける限り!人々が生き続ける限り!『正義』もまた生き続ける!!たとえ私達が力尽きたとしても!『正義』は決して終わらない!だから――私は今を尽くす!』

 

 戦いの音は続いているのに、リューさんの声は決して消されない――。

 

『――お前がどんな理不尽を叩きつけたとしても、この命ある限り絶望に抗い、この身が燃え尽きるまで戦ってやる!』

 

 いつの間にか、周りで戦っていた冒険者達も、その声に聞き入っていた。

 

『――盟友(とも)達から受け取ったこの“想い”を胸に!1人でも多くの者を救い、『正義』を託す!命が生きる事こそが『正義』!!』

 

 その声に、胸の奥から沸々と湧き上がるものを感じる……!

 それはきっと、俺だけじゃない筈だ……!

 

『――その『正義』を途絶えさせないこと!それが私の『答え』――私の『絶対正義』だ!』

 

 あの邪神エレボスの宣言に対する、真っ向から立ち向かう徹底抗戦の宣言――!

 

 おいおい、リューさん、輝き過ぎだろう!

 空を覆う雲さえ吹き飛ばす勢いじゃないか!

 

 リューさんの氣の近くにアリーゼと、同じく偉く綺麗な感じの昂る氣が9つ……これがアストレア・ファミリアか!

 

「むっ?」

 

 アストレア・ファミリアの氣からほんの少し離れたところに、氣が2つ……これはどっちも神だな。

 いや、待てよ?

 片方の氣には覚えがあるぞ……?

 

 これは――邪神エレボスか!

 

「しめたぞ……!」

 

 敵の首魁を捕えれば、闇派閥の勢いを更に弱められる!

 この戦争紛いの抗争も、終わらせられるかも知れない!

 

 俺は空に飛び上がり、真っ直ぐエレボスの氣に向かった――!

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

「問おう、アストレア。答えてくれ、女神よ」

 

 とある元教会の廃墟の中――闇派閥と冒険者の戦いの場に程近いその場所で、黒髪の若者の外見をした男神と栗色の長い髪を背中に流した美しい女神が対峙していた。

 

 男神は、大抗争の引き鉄を引いた“原初の幽冥”を司る地下世界の邪神エレボス――

 女神は、アリーゼ達の主神である“正義と秩序”を司る女神アストレア――

 

 2柱は互いに言葉による戦いに臨んでいた。

 エレボスは問う。

 

「下界における『正義』とは?」

 

 対するアストレアの答えは――

 

「『星々』」

 

「へえ?」

 

 淀みなく答えるアストレアに、興味深そうに声を漏らすエレボス。

 アストレアの答えは続く。

 

「或いは、それに類するもの。空に浮かぶ数多の輝きと同じように、この地上にも数々の『正義』が存在する」

 

「随分と詩的じゃないか。だが俺が聞きたい事は、そういうことじゃない。真実、或いは『絶対の正義』とは何だ?」

 

「断言しましょう。『絶対の正義』は存在しない」

 

 正義を司る筈のアストレアの口から出た、『絶対の正義』の否定――エレボスは微かに眉を顰めた。

 

「おや?ついさっき、君の眷属が『絶対正義』を高らかに宣っていたが?」

 

「リューが掲げたのは『絶対正義』、『絶対の正義』とは似て非なるものよ」

 

「何が違う?」

 

「『絶対正義』はリューが自らに課す覚悟と、それを貫かんとする信念。『絶対の正義』は唯一無二を良しとし、他の『正義』の存在を許さない排他的思想……」

 

 アストレアはエレボスを真っ直ぐに見つめる。

 

「『正義』が一つに確立された時、下界は破綻を起こし、子供達は朽ちていく。支配、圧制、従属――自由は消失します」

 

「それは統一と同じだろう?いいことじゃないか。少なくとも争いは無くなるかも知れない」

 

「たとえそうだとしても、確立した『正義』の中で序列が生まれ、序列の数字は残酷な『絶対』となって下の者に恭順を強いる。やがて恭順は停滞となり、停滞は退廃となる――世界は腐り果てる」

 

「それは『正義』が一つじゃなくても同じだろう?今の下界の姿が全てを物語っている」

 

 エレボスの指摘に、アストレアは迷わず首を横に振る。

 

「いいえ。異なる正義は『共存』できる。反発し合う『正義』が絶対的に多かったとしても、手を取り合える。今のオラリオのように……あの子達のように。私達はそれを『光』と呼び、『希望』と呼ぶ」

 

「なるほど……『星々』、そして『希望』か。つまり、不完全な下界の住人に向けた、群体の『正義』という訳だ。だが、群体の『正義』を語る時点で、やはり俺の望む答えは聞けそうにない。残念だよ、アストレア」

 

「……エレボス。何故『正義』を問うの?『絶対悪』を掲げておきながら、どうして貴方は、下界の『行く末』を知りたがるの?」

 

1柱(ひとり)でここまで来たのは、それを問いただしたかった為か?」

 

「ええ。貴方の神意(真意)を知りたい」

 

「そうか。だが残念。それはもう君の眷属に散々答えた。知りたいのなら娘達に聞け。納得できるかは知らないがな」

 

「…………」

 

 問いへの答えを避けるエレボス、それでもその真意(神意)を読み取ろうと試みるアストレア――と、その時。

 

バンッ!

 

 教会の扉が音を立てて開いた。

 

「――邪神エレボス、覚悟しやがれ!」

 

 そこには、黒髪の少年――リークが立っていた。

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 勇んで突入してみれば、どういう状況だこれは……?

 

 エレボスの氣を辿って飛んで来てみれば、元教会らしい廃墟の前に闇派閥の白装束とそれを率いる黒服で細目の狐みたいな男が屯していた。

 そいつらを秒で蹴散らして中に入ってみれば……胸元を開けたスーツっぽい服を着たチャラそうな白髪交じりの黒髪イケメンと、サラサラの薄茶色のロングヘアー美女が向かい合って立っていた。

 

 イケメンの方が邪神エレボスだな、氣が同じだ。

 美女は氣からして女神みたいだが会った事がない……誰だろう?

 

「貴方は……」

 

「おっと、これは不味いな……どうやら長話をし過ぎた様だ」

 

 エレボスが俺を見て、引き笑いを浮かべる。

 どういう意味だ、その顔は……?

 

「まさかここでザルドとアルフィアを捕えたロキの子供に出くわしてしまうとは……ヤバいな、俺、終わったかも?」

 

 なんだと……?

 

「おい、邪神エレボス……てめえ、なんでソレを知ってる?」

 

 その事はフィン団長がギルドと協力して秘密にしていた筈だ……。

 仮に俺がザルドとアルフィアを運んでいたところを目撃されていて、それを他の闇派閥の連中から聞いたんだとしても、見た目はガキの俺が、元とはいえ最強派閥の眷属2人を捕えた事や、ロキの眷属という事まで知っているのはおかしい……。

 

「……さあ?なんでだろうな?」

 

「……」――イラ

 

 ほーほー、そうかそうか。

 答える気はねえって事だなこの野郎?

 よーし、ならもういい。

 

「あっそ。じゃあ覚悟しな。ボコボコにして両手足ヘシ砕いてフィン団長とロキの前に引っ立ててやる」

 

「――あ、ヤベ、マジで終わった、俺」

 

 今更、顔を引き攣ってももう遅い。

 俺をイラつかせたそのイケメン面――『ドドリアさん』に整形してやるぜ!

 

「――待って!」

 

 と、拳を握ったところで美女神からストップが掛かった。

 

「……何だい、女神様?こんなクソ邪神野郎を庇うのか?」

 

「庇うつもりはないわ。彼をここで捕えるのは構わないけれど、せめて穏便にしてあげてくれないかしら?」

 

 そう言って、困った様に笑う女神様。

 

「穏便にって……女神様、こんな奴に慈悲を恵む必要ないと思うけど?」

 

「慈悲ということでもないわ。ロキの子供、リーク」

 

「あれ?俺のこと知ってるのかい?」

 

「ええ。自己紹介をさせてもらうわね。私はアストレア、アリーゼやリュー達の主神を務めているわ」

 

「ああ、あんたがアストレア様か!」

 

 リューさんやアリーゼ達アストレア・ファミリアの主神!

 まさか、こんなところで会う事になるとは……。

 

「私の娘達がとてもお世話になったそうね。きちんとお礼がしたいのだけれど、それは後日改めてね。話を戻すわ。実はロキから、貴方の力の事は聞いているの」

 

「ロキから?」

 

 確か聞いた話では、ロキはアストレア様の事を嫌っていたはずだが……よく俺の事を話す気になったな。

 

「ええ、今後の事を考えてという事で、私を含めた極一部の神には伝えられているの。勿論、子供達には決して話さないという誓約の上でね。まあ、嫌っている私に教えるのは身を切る様な葛藤があったみたいだけど」

 

「そうだったんだ」

 

 確かに、ロキやフィン団長、それにギルドだけで隠し通すのは限界があるか。

 その辺り、公私は分けられたんだな、ロキも……あ、いや、俺の為に私情を飲み込んでくれたのか。

 それに口で「嫌いだ嫌いだ」と言っていても、俺の戦闘力の事を話す辺り、ロキもアストレア様の神格を認めて信用しているという事だろう。

 

「それで?」

 

「貴方の途轍もない力でエレボスをボコボコにしてしまうと、この場で“送還”されてしまうかも知れない。それは避けるべきだわ」

 

 送還――つまり地上での神の死……ロキや団長達から聞いたっけな。

 地上に降りた神は、恩恵を持たない人間に等しい仮初の肉体で暮らしていて、その肉体が死を迎えると、神の世界である天界に送還される。

 そして、一度地上から送還された神は、二度と地上には降りて来られない。

 

 また、人間が神を殺す『神殺し』は地上最大の罪であり禁忌、死後に何らかの報いを受けるとか……。

 聞いた時は『なんだ?その神優位のルールは?』と思ったが……。

 

「大罪を犯しているのはエレボスなのに、彼を送還する事で貴方が『神殺し』の罪を背負うなんて余りに理不尽だもの。そんな事は、ロキも決して望まないと思う。それに……」

 

 そこでアストレア様は邪神エレボスに視線を向ける。

 

「これは私の個神的な考えになるのだけれど……私は、エレボスの神意(真意)を知りたいの。彼が大罪を犯すに至った動機――『絶対悪』というものを掲げ、『正義』に問いを投げかけ続け、都市に破壊をもたらしながら下界の『行く末』を知りたがる、その訳を……」

 

「真意、ねえ……」

 

 二万人の虐殺に関わり、都市を戦火に包んだクソ邪神野郎の真意なんか知って何になるのか、と俺は思うんだが……。

 しかしまあ、それとは別に、アストレア様の言う事も一理ある。

 今はアストレア様と話している内にイラつきは治まっているが、さっきまでの勢いでエレボスをボコっていたら、確かに力加減を間違えてうっかり送還()していた可能性は高い。

 

 俺は別に『神殺し』の大罪とやらを恐れはしない――俺が死後、この星の天界とやらに行く事になるのか、あの世のスーツを着た『閻魔様』のところに天国行きか地獄行きかの裁きを受けに行くのかは分からないが、そこは別にいい。

 問題は、ロキやフィン団長達に迷惑が掛かる事だ。

 『神殺し』の大罪人を抱える神とファミリア――そんなの外聞が悪いにも程がある。

 俺の所為で、ロキや団長達まで責めを受けるのは我慢ならない。

 

 ここは冷静に考えて、エレボスは無傷で捕えておいた方が無難か……。

 

「……分かったよ、アストレア様。エレボスは無傷で捕まえる」

 

「ありがとう、リーク。捕えたエレボスの処遇は、ロキやギルドと協議の上、私が責任を持ちます。正義と秩序を司る神アストレアの名に於いて、必ず報いを与えると誓約します」

 

「報い……具体的にどうする、と聞いてもいいかい?」

 

「……最後には必ず、私の手で送還します」

 

 それはつまり、アストレア様がエレボスを……。

 俺に他人の心を読むなんて事は出来ないが、アストレア様は本気で言っている気がする。

 本気である事を訴えてくる、真っ直ぐな眼差し……戦闘力とは全く違う“力”を感じさせる眼だ。

 何となく彼女は信じられる気がする。

 アリーゼやリューさんが敬愛する女神様という事もあるし、エレボスの事は彼女に任せて良さそうだ。

 

 さて、じゃあ話が決まったところで――

 

「……聞いての通りだ、エレボス。抵抗は無駄だ。余計な痛い目に遭いたくなければ神妙にお縄に着け」

 

 邪神エレボス、逮捕だ。

 

「ははは、抵抗は本当に無駄そうだな。やれやれ、とことん道化に成り果てたなぁ、俺……。ああ、分かったよ。大人しく捕まるよ」

 

 乾いた笑みを浮かべ、肩を竦めてから両手を上げて、降参のポーズを取るエレボス。

 出来れば手足を縛りたいところだが、生憎、手元にも手近なところにも縄は無いので、已む無くそのまま担いでいく事に――俺が(まだ)チビだから、割と背が高いエレボスを地面に立ったまま担ぐと、ヤツの手とか足とかを引き摺るから、舞空術で飛ばないといけない。

 

「痛たたたッ!せ、背骨が軋む!?ちょ、担ぎ方おかしくない!?」

 

「うっせえな。騒いで暴れるとボキッといくぞ」

 

「こっ、こんなぞんざいな運ばれ方は、流石に生まれて初めてだなぁ!?」

 

 背中が肩にくるようにして担ぎ上げる――所謂カナダ式背骨折り(カナディアンバックブリーカー)の体勢でエレボスを担いでいるからな。

 別にね、背が高いのを僻んでるわけじゃないんだよ?

 エレボスは邪神で、闇派閥の首魁な訳だから、逃げられない様にってだけでね?

 

「じゃあ、アストレア様。俺はこの野郎をバベルに運ぶんで、これで」

 

「ええ、なるべく折らないであげてね?」

 

「善処するよ」

 

 また困った様な笑みを浮かべるアストレア様をその場に残し、教会の出口へ向かう。

 

「ぐあぁぁ!?あっ、一つ聞きたいんだが……!」

 

「なんだ?」

 

「教会の外に、俺の唯一の眷属がいたと思うんだが……!どうしたかな……っ?」

 

「眷属?ああ、細目の狐みたいな男か?そいつなら外でおねんねしてるよ」

 

「そ、そうか……!」

 

 エレボスの唯一の眷属か……という事は闇派閥の幹部に当たるのか?

 という事は、あいつも回収しておいた方が良さそうだな。

 

 という訳で、教会の外に出ると、件の細目狐男がさっき蹴散らした時のままの状態で倒れていたので、エレボスを押さえているのと逆の手で襟首を掴んで拾っておいた。

 

 

 

 そして、エレボスとその眷属の細目狐男を運びながらバベルに向かって飛んでいる途中――

 

 

 

『――さあ、産声を上げましょう!』

 

 響くアリーゼの声――俺は思わず空中で止まり、声がした方に振り返った。

 

『――今、ここで!都市の皆にも聞かせてあげるの!絶望を切り裂く光の歌を!希望をもたらす『正義』の雄叫びを!』

 

 力強い、体の芯に響いてくるような凛とした声だ。

 

――使命を果たせ!天秤を正せ!いつか星となるその日まで!

 

――秩序の砦、清廉の王冠、破邪の灯火!友を守り、希望を繋げ、願いを託せ!正義は巡る!

 

――たとえ闇が空を塞ごうとも、忘れるな!星光(ひかり)は常に天上(そこ)に在ることを!

 

――女神の名のもとに!天空を駆けるが如く、この大地に星の足跡を綴る!

 

 

 

――正義の剣と翼に誓って!!

 

 

 

『おおぉぉーーーーーーッッ!!!!』

『わあぁぁーーーーーーッッ!!!!』

 

 アリーゼ達アストレア・ファミリアの宣誓に続き、都市中から、冒険者の雄叫びが――民衆の歓声が――希望に満ちた声が聞こえてくる。

 俺も両手のお荷物さえなかったら、拳を空に突き上げて吠えていたところだ。

 

「……はは、なるほど。これが、アストレアの娘達の『光』、『希望』か……」

 

 俺の肩で仰向けのエレボスがそんなことを呟いていた。

 

 そうだな、彼女達こそ光だ――!

 

 輝いているぜ、アリーゼ!

 リューさん!

 

 アストレア・ファミリア!!

 

 

 

 この日、『正義』の光に照らされて、オラリオは蘇った――。

 

 

 

 


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