【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~ 作:あずももも
ふぉぉぉん。
最近の車のエンジン音みたいな音を立てながら、僕の思ったとおりに飛んでくれるイスっぽいの。
あれってもうずいぶん前からあるのに、なんか近未来感あるよね。
……だから、控えめに言っても……楽しい……!
【ハルちゃんすっごく嬉しそうで草】
【こういうところはほんと男の子】
【でしょ!!!】
【姉御とその眷属うるさい】
【眷属草】
【まぁ良いんじゃない? さっきまでみたいな絶望感よりはずっとさ】
「左に撃ちます」
たぁんっ。
【そして安定のヘッドショット】
【なぁにこれぇ……(歓喜】
【数秒おきに撃って駆け抜けるハルちゃんたち】
【しゅごい……】
【まぁモンスターたちは画面外なんだけどな】
【見えないけど誰も嘘とか思わないな】
【この配信見てたらちょっとおかしいスキル持ちって分かるし……】
「右です」
【これ、車くらいの速度出てるよね……】
【しかも宙浮いてて、銃の反動で一瞬沈むね】
【だからちゃんと事前に伝えて、みんなが落ちないようにしてるのよね】
【偉い】
【曲がるときも傾くからちゃんと言ってるよね】
【そうしつつも冷静に障害になりそうなモンスターだけをワンキルして回る謎の生命体】
【それが】
【ハルちゃんだ】
【歓喜】
【草】
【ノーネームちゃんも嬉しそうで何より】
【合衆――おっと、とにかく後続と距離取れ始めたからな】
「……ハルちゃん、やっぱりすごい……けど」
「もう少し安全運転をですね……!」
「あ、ごめんなさい」
つい自転車で乗っててノってるときみたいな運転しちゃった?
「……ハル様、自動運転は……」
「僕の体重の向きで方向転換と加減速してくれるっぽいのでオフにしました」
「えっ」
「やっぱり細かいところまでできるのはマニュアル操作かなって」
【草】
【まーたハルちゃん勝手にオフにしてるー】
【もー、この幼女は】
【安定のハルちゃん】
【ハルちゃんってほんと感覚派よね】
【ああ、誰にも真似できないな】
【天才っていつもそうですよね!】
【普通の操作だともたつくからってプリセットのそれを勝手にいじってマニュアル操作……主人公だこれ!】
【確かにハルちゃん、ロボットアニメとか好きそうだもんな】
【ああうん、間違ってもこのハルちゃんがニチアサ魔法少女ものとかは見ないよね……】
【ハルちゃんが魔法少女になったら「敵の名乗りとかわざわざ聞く必要あるんですか?」とか言いながら撃ちそう】
【撃ちそう】
【草】
【幼女の希望の魔法少女なのに】
【味方からもドン引きされる魔法少女……いい……】
右と左と後ろを見ると、みんな顔が青い。
確かにみんなは足場と掴まる手すりがあるだけだもんね……ちょっと怖かったかな。
「いえ、スピードは落とさなくて良いんですよハル。 ただ、もう少しだけ左右への傾斜を緩めてくれると……」
「う、うんっ、私たちがんばって掴まってるから……!」
「でもハル様にこうして無理やり力尽くで振り回されるこの感覚……」
【待って、リリちゃんなんかおかしい】
【大丈夫、みんな分かってるから】
【ハルちゃんの後ろってことで、左右のるるえみよりは安定してるしな】
【乗ってからずっと、後ろにばさばさしてるハルちゃんの髪の毛くんかくんかしてるしな】
【リリちゃんが己の性癖を隠さなくなっている】
ちょっと体を傾けると速度が出る。
普段よりも索敵に集中して、普段の何倍もの速度で変わっていく地図をイメージ。
【ハルちゃんが完全に砲台と化している】
【砲台し放題なんちゃっててててててて】
【ノーネームちゃん、寒いギャグには容赦ないからな?】
【ギャグの寒さまで理解してて草】
【ハルちゃんの唯一の弱点、機動性】
【それが解決した今……ハルちゃんは無敵だ】
【浮いてるから大半のトラップにも引っかからない、速度は自在だしほぼ一定だから偏差射撃も思いのまま】
【狙いを付けるために止まるのすら必要ないとか……】
【ハルちゃんに与えてはいけなかったかもしれないアイテム】
【しゅごい】
「罠、爆破して良いですか」
「え〝っ、また……」
「……うん……助かるよ、先に言ってくれて……」
「ハル様凜々しい……!」
メインの銃からサブの銃へ、手元の良い感じの台に置いて取って。
わずか数秒でチェンジ。
罠なら威力はなくても起動できるし。
だったら弾は節約した方が良いよね……かなり減ってきたし。
【ああ、また爆発落とし穴か……】
【ハルちゃんそれ好きね】
【いや、多分ただ楽だからなんだと思うよ】
【効率重視というかめんどくさがりというか】
【始原もそう思います】
【ハルちゃんの行動原理は一貫して楽かどうかだからなぁ……】
【同意】
【ノーネームちゃんもそう思うって】
【草】
【視聴者の理解度が高い】
「……撃ちます……えいっ」
【えいっ】
【かわいい】
【やってることは】
弾が飛んでいくのを……なぜか弾視点から追えるようになってるからそれに合わせて僕の意識も飛んで行く。
これできるとその日のクセとか修正できるからほんと便利。
そうしてモンスターたちがいっぱいいる部屋、寝てるモンスターたちをすり抜けた先の地面へ僕の視点だけがダイヴ。
弾が弾けた瞬間に意識は僕の体に戻って来て、体を傾けて爆風からの回避運動。
えみさんのときにやらかしてるからちゃんとしないとね。
僕はちゃんと学習できるんだ。
ぴかっ……どごぉん。
体がびりびりしてなんか不思議な感じ。
クセになりそう。
「わ、またぴかって」
「衝撃と音、来ます」
「……っすごいです……」
階層が深くなってるからか、反響する音が前よりもでっかくてなんか壮大な爆発。
「そろそろ爆風も来ますね」
「ああ……真っ黒なモンスターたちが……」
炎の渦が、キャンプファイヤーを良い感じの距離で当たってるときみたいなあの感じで肌を温めてくれる。
「気持ちいいですね」
【草】
【ハルちゃん……恐ろしい子……!】
【悲報・ハルちゃん、モンスターたちを爆裂四散させといて気持ちいい発言】
【やべー幼女にしか聞こえないな】
【大丈夫、現実の方がもっとやべーから】
【ああ、炎の渦に丸焼けのモンスターたちが】
【あの、ドラゴン系も混ざってるんですけど】
【宙を舞っていく真っ黒焦げのモンスターたち……】
【そりゃお前、踏んだら周囲を巻き添えにしてHPごりっと削ってくる爆発の罠、寝てて防御力下がってるところに何個も起動されたら何トンあるドラゴンだって吹っ飛ばされながら焼かれてこうなるぞ】
【ドラゴンしゃんかわいそう】
【意識がない内に刈り取られたのだけがせめてもの手向け】
【断末魔すら聞こえなかったもんな……】
【優しいハルちゃん】
【違うぞ、ハルちゃんはただただ楽だからやってるんだぞ】
【優しくないいいいい】
【おっと、それはノーネームちゃん的にNGなようだ】
僕たちが通ってきた部屋とか廊下へ伸びていく炎の渦が続いて10秒くらい、ちょっと風が吹き込んでから収まるのを確認。
「えみさん」
「今度は何階層なんだ……?」
「さっきのよりすごかったよね……」
「多分7階層くらい? あ、でもその下はまだ見えてませんけど床は抜けてるはずです」
ふぃぃぃんと弧を描いてモンスターの反応が0になった大部屋へ。
「……なにもいないね……」
「爆風で吐き出されていましたからね……」
「複数個とは言え、爆発の罠だけでこの威力ですか……」
【良かった、前よりもグロじゃない】
【って言うかなんにもないもんな】
【全部消し炭だよ☆】
【こわっ……】
【あの、ドロップすら残ってないんですが】
【これぞ爆裂天使】
【けど……7階層縦抜き?】
【ハルちゃんしゅごい】
【これまでの遅れを一気に取り戻せるな】
【というか今日だけで3回目だけど、ここ何階層よ?】
【320階層から普通に攻略したのが46層、爆発落とし穴コンボでこれまで10階層だっけか?】
【で、今から7階層と】
【いや、下が抜けてるって言ったから次は8階層だ】
【つまり?】
【今日だけで64階層だ】
【おお!】
【最初の頃よりもすっごく進んでるとか……】
【ハルちゃんたちは384階層……これなら行けるな!】
【もう何も怖くないな!】
【おいやめろ】
【ハルちゃんも言ってたじゃん? 「体が軽い」って】
【だからやめーや】
【こんな軽口叩ける程度には一気に進んだな】
【ああ……!】
【よっし、いっちょ合衆……お邪魔虫たちからかいに行くか】
【お、俺もちょっと観に行ってくる】
【俺も】
【あっちの方、ダンジョンに突入した軍隊が、秘匿改選も含めて丸裸な配信とか斬新よね……】
【何もかもノーネームちゃんにケンカ売ったのが悪い】
【そのノーネームちゃんが守ってるハルちゃん……そこまで守らなくても問題なさそうだったんですが】
【ああ……】
【ノーネームちゃんまで過保護認定で草】