【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~ 作:あずももも
こちらは本日1回目の投稿です。昨日の2話目がまだの方は前話からお楽しみください。
かつん、かつん。
こつん、こつん。
るるさん、えみさん、リリさん、僕の4人から、3人分の足音。
「……ね、ねぇ、まだ……?」
「まだですね」
「……もう、かなり降りたはずなのですけど……」
「まだまだです」
【長ない??】
【えっと、もう5分くらいは階段なんですけど……】
【なぁにこれぇ……】
【階段とか、普通なら長くても2分だろ……?】
「それほど深い……つまりは広い空間。 それが500階層なのですね、ハル様」
「そうみたいですね」
かつんかつんとみんなの足音が響く。
石造りってやっぱりこんな感じで響くよね。
【で、我らがハルちゃんは】
【最初の1分で脱落して無事抱っこ】
【お姫様抱っこ!】
【かわいい】
【抱きついての抱っこもおんぶも「どっちもやだ」って言うんだからしょうがない】
【ハルちゃんイヤイヤ期突入?】
【拒否されてしょんぼりるるちゃん】
【抱っこしたかったのにできない葛藤のえみちゃん】
【1番高レベルで腕力があるってので選ばれて嬉しそうなリリちゃん】
【レベルとフィジカルはリリちゃん>えみちゃん>>>るるちゃん>>>>>>>>>ハルちゃんだもんな】
【やっぱりお姫様抱っこされてるハルちゃん】
【もっとお姫様抱っこされて】
【いつも抱っこされて】
【抱っこ配信……なんて斬新な……】
「ハル様……その、お嫌ではありませんか……?」
「? 別に何ともないですよ?」
言ってから気が付いたけども、僕、男だった。
だからリリさんも聞いてくれたんだね。
でもなー。
女の子に正面から抱きついて……おっぱいに顔うずめるのも、後ろから抱っこされておっぱいが背中に当たるのも申し訳ないし、かと言っておんぶされるのもそれはそれで……なんかやだ。
だから消去法でこうなってるんだ。
今は肉体的なハンデを負ってるだけ。
そう思えば別に恥ずかしくないし。
「あ、でも半分過ぎましたよ、多分」
「5分で半分……」
「どのくらいの高さなのでしょう……」
【確実にでっかい部屋ってのは分かるな】
【部屋って言うか空間って言うか】
【この高さだからハルちゃん、爆発の罠で落ちようとしなかったんだね】
【さすがのハルちゃんでもたじろぐと言えば、そのやばさがわかるな】
【ああ……400階層までは必ず隠蔽で先を取って、先制攻撃のヘッドショットでワンショットできて、罠のドミノやって8階層貫通とかちょっとおかしいことするハルちゃんでも警戒して慎重に進むと言えば……やばいだろう?】
【なるほど、やばいな】
【分かりやすすぎて草】
【ハルちゃん自身が危険のバロメーターになってて草】
……んー。
「……ハル様?」
「あ、そのまま抱っこしててください」
にゅるんっときちゃない袋から取り出したお手製の銃。
銃って言うかロケット砲って言うか、るるさんのときに使ったあれ。
「……それ、使うの? あのときのでしょ?」
「はい。 モンスターがたくさんいますから、階段を降りてすぐに撃って数を削ろうと思って」
モンスターたち、もうとっくに1発の銃弾で倒せるレベルじゃなくなってる。
弓でも3本とか4本の矢で2回3回攻撃しないと倒せななくなってるし。
だからボスモンスターの周りの雑魚だけでも倒しておかないと大変そうだし。
「……不思議ですね。 ハル様だけでしたら軽かったのに、その保存袋から取り出された途端に重くなりました」
「重量無視できるのって良いですよね」
【きちゃない袋大活躍だね】
【そらそうよ】
【概算でも数千億円は行くんだっけ?】
【この配信で、何十人が1ヶ月は余裕な水とか資材を詰め込める容量って判明したからな】
【この配信で実力が披露されて値段高騰中のきちゃない袋】
【でもきちゃないんだ……】
【でもきちゃないんだよ……】
【なんで洗ったりしなかったのハルちゃん……】
【ほ、ほらハルちゃん、めんどくさがりだから……】
【ハルちゃんって自分の見た目も気にしてないよね……】
かつんかつん。
3人分の足音が、下に吸い込まれていく。
◇
「じゃ、耳塞いでてくださいね」
【はーい】
【はーい】
【お前ら……】
【出口に着くや否や、お姫様抱っこから降ろしてもらって自然な動作でロケランぶっ放す姿勢になるハルちゃん】
【あ! これ映画とかで観た体勢だ!】
【やだ過激】
【過激幼女だもん】
【これがヘッドショットロリか……】
【ロケランぶっ放す系ロリ……】
【通称ハルちゃん】
【通称なのか……?】
【草】
階段の出口。
フロアに足を踏み入れなければ探知されないし、フロアから逃げてきても攻撃が止むセーフティーゾーン。
僕みたいな遠距離職だとここが鉄板の先制攻撃スポットなんだよね。
やっぱ飛び道具はリーチを活かさないと。
「……………………………………」
3か所くらいまとまってる場所。
そこの内の1つへ……ぽしゅっと。
【気の抜けた音】
【でもこの後】
……しゅごおおおお。
筒から飛び出したそれは、ちょっと落ちかけて2メートルくらい前方で点火。
狙った場所へと飛翔していく。
【こんな武器、やっぱ見たことないよな】
【なんでもハルちゃんのお手製らしい】
【ハルちゃんのお手製のロケットで倒されたい】
【落ち着け、その発想はちょっと危険だ】
【ちょっとか?】
【草】
やっぱりこれも、弾視点で見られるようになってる。
500階層は、天井も壁も見えないくらいに広い。
……これ、スタジアムとかより広いんじゃ?
モンスターも……とりあえずで150匹くらい居るし、僕たちを呼びつけただけのことはあるらしい。
弾は色違いだったり見たことないモンスターたちの上を素通り。
……音がしても、僕たちが入っていないからまだ寝てるモンスターたち。
そして……どぉん。
「……ひゃああああ!?」
「思ったよりも……!」
「ハル様ぁ……!」
耳がびりびりする音が反響する。
……威力が高いことに越したことはないけども……ちょっと火薬の量多かった?
まさかここまで多いとは思ってなかったし、結果としては良かったんだけども……これ、普通の階層で使ったら崩落しそう……。
【耳が! 耳がぁ!!】
【音割れすごいんですけどー】
【どんだけの威力なんだ】
【それを涼しい顔でぶっ放したハルちゃん】
【何食わぬ顔で次発装填してるハルちゃん】
【え? まだ撃つの?】
【そりゃな、戦闘前に削るのは常識だし】
【常識(こんだけの音がしても爆風とか破片が飛んでこない距離からぶっ放した】
【ハルちゃんだからね……】
【下手な兵器よりもやばそうな威力】
ぽしゅん。
しゅごおおお。
どーん。
「1回で大体50匹ずつくらい吹っ飛んだみたいですね」
「……見えるの? ハルちゃん」
「はい。 実は僕、弾視点から見えるようになってるので」
「はぇ――……」
「もう驚きませんが……普通のボスフロアでも、取り巻きは多くて10匹程度なのに」
「さすがは500階層ですね」
「2発でざっと100匹ですか……さすがですハル様」
【さすハル】
【今回ばかりは褒めるしかないよね】
【ボスフロアのお邪魔モンスターとは言え、どれもみんな中ボスレベルはあるよな?】
【中ボスって言っても500階層基準のな】
【つまり?】
【普通のダンジョンでもなかなかお目にかかれないレベルのボスモンスター並み】
【400階層台のはハルちゃんの銃撃でも数発必要だったからな】
【弓で戦うと10本以上必要だったし】
【それを2発で100体……しゅごい……】
【おや、もう1回ぶっ放したいようだぞ】
【ハルちゃんってばよくばりさん】
【150匹のお邪魔モンスターとは】
【普通なら多くても数体なのに……】
【ハルちゃんの実力に合わせたダンジョンだからな】
しゅぽんともっかい発射して大体のお掃除は完了。
さすがにモンスターたちも起きて戦闘モードだ。
「……おう終わったぁ……?」
「終わりましたよ」
「どのくらい片付いたんですか? ハルさん」
「大体全部です」
「えっ」
【草】
【えみちゃんがびっくりしてる】
【そらそうよ】
「さすがはハル様です!!」
「リリさんうるさいです」
【で、安定のリリちゃん】
【さすが全行程ガール】
敵の動きを確認。
合わせてしゅるっときちゃない袋に筒をしまって、銃を出す。
「――じゃあ、そろそろ」
「うんっ!」
「作戦通りですね」
「はい。 なのでまたお願いしますね」
みんなが立ち上がって……僕は後ろから抱きかかえられる。
……む。
おっぱいがないからこれはるるさ
「ハルちゃん」
「きつくないですから大丈夫です」
「……………………………………」
危ない危ない、久しぶりに考えちゃった。
【結局抱っこされるハルちゃん】
【今度は後ろ向きに抱っこ】
【持ち上げられる子犬とか猫とかかな?】
【機動力の無いハルちゃんのために、みんなが交代で抱っこ作戦】
【なんて素敵な作戦なんだ……】
【モンスターたちのレベルが高すぎるから、ハルちゃん以外の全員で数分かけてようやく1匹倒せる】
【でも大部屋にわんさかっていうモンハウ仕様のボスフロアって言う、どう考えても殺意マシマシでハルちゃん以外にクリア不可能な設定】
【だからメインアタッカーのハルちゃんをみんなで抱っこして機動力を補う作戦】
【抱っこ担当は全力で走って、残りの2人はハルちゃんに近づけさせない完璧な作戦だな!】
【この配信でしか観られない斬新すぎる戦闘だな!】
【普通の遠距離職はここまで火力出ないし……】
【ちょっとおかしいハルちゃんだからこその戦いが、今、始まる】