【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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こちらは本日3回目の投稿な最終話です。
今日の1&2話目がまだの方は前話からお楽しみください。



130話 もう1回、ひとりっきりな1からやり直そう

あの距離ならモンスターもいないよね。

いくらなんでもこの距離なら分かるはずだから大丈夫。

 

「……よっ……あ、あれ。 よっ……と」

 

【1ヶ月も寝てたからふらふらしてる】

【でも魔力は回復してるはずだろ?】

【分からん】

【あ、でもちゃんと引っかかった】

 

きちゃない袋からかぎ爪を付けた縄を取り出して……いつもよりもすっごく重い感覚でよろめいたりしながらも、ひゅんひゅんっと回して投げて、かちんとはめる。

 

……反応はなし。

 

飛行系モンスターさんのねぐらでも無いと。

 

「ふぅ。 なので、いつも通りにあの中で休んで回復しますね」

 

【ハルちゃんと言えばくぼみ】

【体が小さいから小さいとこでも入り込めるのよね】

【まぁいつまでもモンスター来ないとも限らないしな】

【ノーネームちゃんのコメントも見れないしな】

 

む。

 

……体が……重い。

 

「……手袋手袋……」

 

ロープを両手で引っ張って体を持ち上げるのもひと苦労。

 

……これ、体力も回復してないっぽいね。

 

「ふぅ、ふぅ……」

 

 

【●REC】

 

 

【ノーネームちゃんがやる気だ】

【さすがだな】

【ハルちゃんの吐息ASMR……】

【助かる】

 

【けど、大変そうだな】

【これ、相当弱ってない……?】

【そりゃあ1ヶ月も寝たきりだったら……】

【それでいきなりロープだけで上に登るとかハードすぎない?】

 

なんかすっごく疲れたけども、どうにかよじ登ることに成功。

 

……これ、降りるのも大変だな。

 

「なかなか良い感じのくぼみですね」

 

【良い感じのくぼみ】

【多分一生で1回も聞かないことの方が多そうなフレーズ】

【草】

【ほら、ハルちゃんの言語センスってば独特だから……】

【まぁな……】

 

【でもそこが?】

【しゅきききききききき】

【草】

【ボッシュートな基準が分からん……】

【ノーネームちゃんも元気そうでなにより】

 

僕ひとりが普通に立てて横になれるスペース。

さらには壁際がちょっと狭いおかげで天然の柵もできてる。

 

「ここで何日か休んでから行動です」

 

【待って】

【待って……何「日」!?】

【そこはせめて何時間じゃない!?】

【気長すぎない??】

【て、天使だから……】

【そうそう、人とは違う時間感覚なんだよきっと……】

【ま、まぁ、1ヶ月すやすやだったし、ね……?】

 

コメントを見ることができないから、これがひとりごとになってないかって不安がある。

 

でも、もし繋がってたら……ときどき話しかけたらみんなが安心できる。

るるさんもえみさんも、九島さんもリリさんも安心できるもんね。

 

「じゃあ、しばらく横になって本読んでますから静かになりますよ。 あ、寝落ちしたりするかもですので心配しないでください」

 

【草】

【早速くつろいでて草】

【どこか分からないダンジョンで目が醒めてから最初にすることがそれ!?】

【でも納得できちゃう俺がいる】

【ああうん……ハルちゃんならそうするよね……】

【寝起きだもんね、だるいもんね】

【だるだるハルちゃん】

 

 

【♥】

 

 

【ノーネームちゃん歓喜】

【だろうな】

 

【深谷るる「ノーネームさん  ハルちゃんの呼吸も聞こえるようにして」】

 

 

【ハイ】

 

 

【ひぇっ】

【草】

【ノーネームちゃんたじたじ】

【ハルちゃんガチ勢の連携だ】

【配信に求める基準が違うな……】

 

カメラを……ずっと見られてるのはなんかヤだから、そっと頭から外して良い感じに台になってる場所に、外に向けて置いておく。

 

【あっ】

【見えない】

【!?】

【あれ!?】

【またハルちゃん】

【あっ(心停止】

【始原のおじいちゃん……】

 

「……なんで回転してこっちに?」

 

よく分かんないけども、カメラが自分でくるんってこっちに回る。

 

戻す。

 

くるんっ。

 

……こっち見る。

 

「……なんで?」

 

【草】

【不思議そうなハルちゃんで草】

【きょとん顔かわいい】

【かわいい】

【ノーネームちゃんのかわいいいたずら】

 

【深谷るる「ありがとう  あなたのこと、少しだけ許すね」】

 

 

【ハイ】

 

 

【ひぇっ……】

【や、やさしいなーるるちゃんは!】

【そうだな!】

 

何回やってもくるんってこっち向くカメラさん。

 

……まぁいいや。

 

別に気にしないし。

 

諦めたカメラさんから離れて、ごそごそと取り出した毛布にペットボトルに携帯食料、お酒、そしてタブレット。

 

それを良い感じに並べた僕。

 

うん。

 

「やっぱりキャンプ、楽しい」

 

【えぇ……】

【草】

【どんなときでも楽しんでるハルちゃん】

【あれってマジだったのね草】

【さすがは修学旅行で自分からぼっちになる幼女……】

【さすがは連休にダンジョンキャンピング行く幼女……】

 

【ショタです!】

【まだしばらく小さいままよね。 ならショタで良いはず!】

【これで生えているって思うと……!】

【うわでた】

【急に元気取り戻してるお姉様方】

 

【え? あなたのことショタにして同人誌描いて欲しい?】

【やめて  本当に止めてくださいお願いします】

【草】

【お姉様方が強すぎて草】

【ぞろぞろと集まって来てて草】

 

僕は、こういう秘密基地感が好きなんだ。

 

【けど、見知らぬ場所にたどり着いて最初にすることが巣作りとか】

【巣作りで草】

【巣作りハルちゃん】

【巣作り配信とか斬新すぎる】

【世界で1人しか思いつかないし実行しない配信だな……】

【ああ……】

 

【巣作り……ハルちゃんは鳥さんか何かだった……?】

【猫だったはずなのに……】

【ほ、ほら、一応天使だから羽繋がりで……】

【ね、猫だって居心地良くするために軽く寝床くらい揃えるし……】

 

「ん――っ……」

 

おなかを下にして猫みたいにのびー。

ずっと寝てるとおなかとか凝るよねー。

 

 

【●REC】【●REC】【●REC】【●REC】【●REC】

 

 

【深谷るる「ノーネームさん  あとでそのデータちょうだい    いいよね?」】

 

 

【ハイ】

 

 

【草】

【るるちゃんいいなー】

【そうだよな、これってAI加工済みのだもんな】

【本物のハルちゃんの顔じゃない……】

【でも限りなく近いんだぞ  何回か見たから知ってるるるるるるる】

 

【あーあ】

【ないないされちゃった、あのときの攻略組】

【守秘義務守らないから……】

 

「ふぅ」

 

それじゃ、久しぶりの読書タイムだ。

 

ダンジョンの中、ひとりきり、誰にも邪魔されずに何時間でも本を読んでいられる至福。

 

飽きたらちょっと体を動かして、もっとヒマになったらひと狩り行って。

 

「……やっぱり……好き」

 

【あっ(心停止】

【あっ(天国行き】

【唐突な告白は幼女の特権】

【俺も好ききききき】

【負けるもんか、俺も好きききききき】

【私も好きききききき】

【完全にいつものノリに戻ってて草】

 

【ああ、でもやっぱり良いな】

【そうだよな、ハルちゃんの配信はこのノリが良いんだ】

【始原としては賛成しかねる】

【え、じゃあ始原観ないの?】

【観るに決まっているが?】

【ライブとアーカイブの2度見が最低限のノルマなオレ達を舐めるなよ?】

【草】

 

そうだ。

僕はダンジョンっていうこの空間が好きなんだ。

 

【完全に読書モードになってるハルちゃん】

【当分動きは無しか】

【あ、カメラ】

【お外向いちゃった】

【戻して】

 

 

【読書】

 

【尊】

 

 

【なるほど】

【ハルちゃんの安寧を妨げてはならない……】

【ファンの鏡なノーネームちゃん】

【でもハルちゃんの吐息が!!!】

【あっあっあっ】

【ハルちゃんを真横に感じる……】

【ハルちゃんの読書ASMR……斬新だ……】

 

【そうだよな、ハルちゃんってば、前からずっと無言&自分映さない配信だったもんな】

【ここ最近だけが異常なだけだったんだよな】

 

【ってことはつまり、元通りか】

【ああ】

【俺たちの日常が戻って来た】

【始原歓喜】

 

【ま、何日かひとりダンジョンキャンプらしいし、とりあえず開いておいてたまに書き込む程度で良いか】

【そうだな、ハルちゃんの音とか声を聞くだけで逆に妄想が捗るるるるるる】

 

 

【破廉恥】

 

【禁止】

 

 

【深谷るる「そうだよ!」】

 

【草】

【るるちゃんとノーネームちゃんが一致団結してる】

【るるちゃんと呪い様が……って思うと、なんか感慨深いな】

【ああ……!】

 

ダンジョンでのんびり。

それはきっと、僕のちょっと変わった性格とぴったり合いすぎている。

 

……だから、しばらく。

 

魔力と体力が回復するまでは……ほんの何日か、お休みしてて良いよね?

 




130話までお読みくださり、本当にありがとうございました。
これにてハルちゃんのおはなしは一応のおしまい、当初のエンディングとなります。

次作への繋ぎの期間でなんとなく書き始めたハルちゃんが多くの方にお楽しみいただけ、まさか書籍化の打診をいただけるとは思っていませんでした。

それもみなさんの応援のおかげです。改めて感謝致します。

明日からは1日1話ペースに戻し、しばらくは閑話として8章まるごとを、ハルちゃんがハルちゃんになったTS直後の1年前に巻き戻します。

大変にTS要素が濃いものとなりますので、お好みでお楽しみください。始原さんたち限定ですが、配信要素もちょっぴりあります。

130話の直接の続きは9章からとなります。多分1月の中旬くらいから。

ハルちゃんもまだまだ暴れますし、リリちゃんも戻って来ますからぜひお読みくださいませ。
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