【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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135話 いろいろおかしい幼女な体

……しっかしなぁ。

 

「とりあえず、服がないと……かぁ」

 

正気に戻った僕は、そこにぶかぶかなシャツ1枚って言う……うっかり覗かれたら「金髪幼女を連れ込んでシャツ1枚に剥いてとんでもないことさせてる変質者!」って呼ばれそうな僕自身の姿を発見した。

 

端的に言うとやばい。

慌ててカーテンをしゃっとしめたけどもやばい。

 

走ったときにシャツの裾がひらってなって、ぴらっと僕のお股がおっぴろげになってたのもまたやばい。

 

すーすーする感じではっきり分かるのもやばい。

 

何かに目覚めそうな危機感でやばい。

つまりはやばいんだ。

 

けども、明日明後日、男に戻っちゃったらもったいないよね。

 

「うーん……」

 

僕は悩む。

 

ほぼすっぱだかの幼女姿な僕と、今日1日だけって言う可能性とで。

 

でも。

 

「……………………………………」

 

鏡に映る僕は、女の子らしい膨らみとかないのに。

シャツで完全に隠れる子供体型なのに。

 

本来は愛でるだけのはずな幼い女の子の姿なのに、どうしてか扇情的。

 

多分泣きはらした表情と荒い呼吸と、うっすらかいてる汗と、そのせいでぐしゃぐしゃになってるシャツと髪の毛のせいなんだ。

 

つまり、えろい。

 

色気たっぷり。

幼女なのにね。

 

だからやばい。

 

「……しょうがない……」

 

パンツもズボンも腰が細すぎて落ちちゃうし、シャツの裾がふとももだし。

 

……女の子の裸シャツって言う、人から見られたらやばいやつだけど……家から出ないんならいいよね?

 

この姿は今日だけ。

それ以上にはならない。

 

良し。

 

「……あー、この感じはあれだ……」

 

旅行先の温泉とかで暑いとき、すっぱだかになって開放的になるとどきどきするあれだな、うん。

 

そうやって僕自身のどきどきを抑え込もうとする僕。

 

うん、自制自制。

 

こんな子相手に、僕自身でもやらかしたら……男に戻って大変なことになるぞー、ってね。

 

 

 

 

僕は部屋の中心に立って、じっと目を閉じて魔力を展開する。

 

魔力展開。

 

探知スキル。

 

ダンジョンの外だと難しいけども、慣れると意外とできるやつ。

 

普通の人なら、調子が良くても表の通りに人がいるか程度だけども、僕みたいに隠蔽索敵特化をずっとやってたら結構分かるんだよね。

 

そういうことがwikiとかにも書かれてないってことは、多分みんな隠してるんだろう。

 

だっていろいろと便利だし。

悪いことにも使えちゃうし。

 

レアな力だからこそ無言の団結で隠し通すんだ。

 

「ふーっ……」

 

ひと呼吸。

 

僕の意識が広がっていく。

 

――アパートの、数少ない住人さんは平日だから留守。

 

周囲の歩行者……2人。

 

僕はもっと広がっていく。

 

……家から歩いて10分の範囲内、大体の位置情報はいつも通りに分かる。

 

もちろんひとりひとりどんな人かまでは分からないけども「だいたいこの辺にこういう建物があって、このくらい人がいる」って。

 

これでダンジョン内のワンフロア丸ごとに相当するんだろうね。

 

「ん」

 

目を閉じたまま、現実の体がどっか消えちゃわないようにって、しっかりと壁に体重を乗せて――もっと、見る。

 

もっと広がる。

 

「―――――――――――――――」

 

 

 

 

「ぷはっ……」

 

気が付いたら止めてたらしい呼吸を再開。

集中しすぎたらしい。

 

……何かあったらステータス確認は大切。

 

ダンジョンで染みついたからっていつも通りに索敵広げてみたけど……あの、えっと。

 

やってみてからできちゃって、あんまりにもびっくりで、まだ実感は湧かないんだけども……あの。

 

えっと。

 

……今、僕の意識、歩いて30分の駅前まで平気で届いたんだけど……?

 

……何これ、こわくない……?

 

しかも、集中したら……何か見えちゃってさ。

 

「あっ……せーふ……」

 

思わずバランス崩しておしりからぽふっと転ぶ僕。

 

でも体が小さいのと重心が低いからなのか……そうだよね、大人の半分くらいの位置だもんね、腰って言うかおしり……そこまで痛くない。

 

むしろ後ろにすってんころりんしちゃいそうになるくらい。

 

もぞもぞ起き上がって、もっかい息をつく。

 

「……やー、まさかこんなとこまで見えるだなんて……」

 

僕自身の体は……幼女になってはいるけども、僕の現実にある肉体は紛れもなくここ、僕の家にあるんだって。

 

声を出したり適当にものを触ったりして確認して……ようやく安心する。

 

しかも人の顔ひとりひとりとか……やっぱこわ……。

 

うん。

見えちゃった。

 

普段は、なんとなくぼやーっと分かる人や車や建物の位置とかシルエット。

 

それで普通だったのに……今はばっちりと。

 

さすがにド近眼だった昨日までの僕がメガネなしで出歩いたときみたいなふんわりさ加減だったけども「まるで僕がその場にいるみたいに」……ね。

 

なんかもう、もうひとりの僕がふわふわ飛んでふわふわそのへんうろついてたみたいな気分だ。

 

不思議だね。

 

とりあえずでダンジョンの何かってのは確定。

なんか見えすぎて頭くらくらしてきた……。

 

……けども、ま、これで。

 

最低限、ダンジョンに潜れば生きて行けそうだってのは分かったかな。

 

中級者に足踏み入れてた成人男性な肉体から幼女になってどうなるかと思ったけども、どうやらダンジョンで育ったレベルとスキルは落ちてない。

 

落ちてないどころか、少なくとも索敵スキルは超絶強化されてるっぽい。

 

ちょっと怖いけども、身を守るにはちょうど良い……のかも?

 

うん。

そう思っとこ……何か怖いし。

 

と言うことで、多分僕は幼女になってもダンジョンで稼げる。

つまりは日銭ならなんとかなるって分かった。

 

僕は遠距離職。

 

コスパは悪くなっても狙撃銃さえあればモンスターさんは倒せる。

後は索敵範囲と不意打ちの危険だったけども、それもクリアだ。

 

ダンジョンっていう現地に行く前に、安全に確認できた。

これは大きな収穫だよね。

 

居心地いいし、せっかくなら今の会社がいいけども、このまんまだったら無理だよねぇ……女の子どころか幼女って言うレベルだしさ。

 

メールやチャットで有休取ったり、使い切った後の無給休暇取ったりするのにも限度がある。

 

有休ならまだ「もっと前から申請してくれ」ってお小言来る程度だけども、それ以上になるとねぇ……病気とかでも「じゃあ診断書ね」で詰むし、これもう「めんどくさいから休みます」しかできないでしょ。

 

電話にも出られないし、かと言って「起きてたら幼女になってたんで休みます。 男に戻れたら復帰します。 いつ戻れるか分かりません」なんて通用しないし。

 

つまりは、僕のクビは……遅くとも今月中には飛ぶ。

 

……やる気はないにしても、一応は真面目な眼鏡野郎としての地位は確立……してたか不安になってきた。

 

「ふぁ……」

 

……無駄に考えても損するだけ。

 

ま、せっかくの有休なんだし、このままいつも通りのお休みにしよっと。

 

「くぁぁ……」

 

眠い。

ねむみしかない。

 

……そっかぁ、子供ってたくさん寝るもんねぇ。

 

うん。

 

しょうがないさ。

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