【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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139話 はじめてのだんじょんはいしん(真) その1

女物を無事、手に入れた僕は安心した。

 

やーっとだ。

やっとやばい格好からまともな格好になったんだ。

 

道中で4回も沈静化かけて……ようやくに下半身露出、ついでに今は女の子だからノーブラな状況ってのも脱出できたんだ。

 

危ない危ない、索敵スキルと回復スキルがなければ大変なことになってた。

 

魔法さまさまだね。

 

でもまぁこれは必要なことだった。

しょうがないことだったんだ。

 

彼女できるより先に、安いチェーン店の女物を着ることになるのもしょうがないんだ、うん。

 

しょうがないよね。

下半身露出金髪幼女痴女とかやばいからね。

 

もし僕がダンジョンスキル持ってなかったら、思いっ切りアウトだったよね。

 

良かったぁ、潜ってて。

まぁそのおかげでこのざまなんだけどさぁ……。

 

「ふぅ」

 

鏡に映る僕は――隠蔽スキル抜きの僕は、まぁなんとか見られる格好にはなっている。

 

上下の下着、シャツと短パン。

 

多少は隠蔽緩くしても大丈夫そうかな?

 

あ、いや、もうちょっと人の多いとこじゃないとこんな顔と髪の毛じゃ目立つかなぁ……。

 

「あれ?」

 

はたと止まった僕の頭に浮かぶワードとその存在。

 

「変身スキル」?

 

あ、髪の毛の色、変えられるんだ?

じゃあとりあえず黒にしとこ。

 

これでそこまでは気にされ……

 

「……って、え?」

 

さぁっと頭が冷たくなる感覚。

 

――なんで今、僕、唐突に「『変身スキル』なんて思いついた」の?

 

こんなの、使ったこともなかったのに。

しかもちゃんと、髪の毛と目とお肌の色が良い感じになってるし。

 

「……………………………………」

 

レベルアップ……うん。

 

きっと何かしらのスキルが上がったんだ……うん、きっとそう。

だからなんにも怖いことないんだ。

 

……そう思っとこっと……。

 

またとぼとぼと歩き出す僕。

 

当てもない散歩。

そんな感じ。

 

散歩って良いよね。

ひたすらねりねりしてるとなんだかさっぱりするからさ。

 

……それにしても町がずいぶん大きくなったもんだ。

 

それだけちっこくなったってことだね、僕が。

 

適当に歩いてみたけど、僕の知ってる町のままだったのがだいたい分かる。

 

やっぱりダンジョンの何か――で良いんだろうね。

 

男から女の子になるだなんて情報、掲示板にも無かったから恐らくは僕が初めてなのは、ほぼほぼ確定だけどさ。

 

いやぁ、ほんとどうしよっかなぁ。

 

……このまま行政に泣きつく?

 

ん、まぁ……多分?

 

僕の証言とかスキルとかいろいろあれば、そのうち分かってくれるとは思うけどさ?

 

「――すっごくめんどくさそう……」

 

めんどくさいのはいやだ。

 

ならやっぱいいや……。

 

最悪会社クビになるだけだし……正直ダンジョン専業でも食っていけるもんなぁ、このご時世……。

 

……3年もどハマりしてたせいで、なまじある程度のスキルが付いちゃってて、がんばれば副業でも食っていけるって自覚してるからこそ、いろいろな面倒がほんと面倒。

 

生来のめんどくさがりな性格にいろいろ合わさってもうやる気ゼロだ。

 

……本当に困ってからでいいや。

頼るのとかいろいろも。

 

 

 

 

「はぇー」

 

なんかこの体になってから、ついついで声が出ちゃう。

 

なんでだろうね。

 

……どうでもいっか。

 

かわいいし。

耳が幸せだし。

 

けどもやっぱ、ロッカーもでっかい。

ダンジョンの入り口の、年1回更新のロッカールーム。

 

……ごく自然にダンジョンに足が……これって中毒じゃない?

 

「……………………………………」

 

い、いや、ほらね?

 

「会社クビになっても生きて行ける?」って試さなきゃ行けないからね?

 

うん、しょうがないんだ。

 

……ダンジョンのせいでこうなったんだろうって分かってるくせに、いの一番で来る場所がダンジョンって……。

 

「ぐす」

 

あ、なんか泣けてきた。

この体、涙もろいのかなぁ……。

 

「……ん」

 

ぐしぐししてちょっとしたら落ち着いたから、ごそごそといつものを取り出してみる。

 

……荷物とか、重く感じることはそうだけども、魔力ブーストで筋力補強すれば前と同じ感じで運用できそう……?

 

ああ、頼れるのは僕のスキル。

もはや僕にはこれしかない。

 

これが失われたときが、僕が助けを求めるタイミングだ。

 

「…………よしっ!」

 

鏡に映るは、おしりまでになっちゃってるでっかいリュック背負って、身長よりも長い銃を手にした幼女。

 

うん。

 

犯罪的だね。

 

……鏡で見ると、やっぱでっかいなぁ……荷物。

 

体力少なめの成人男性な体で何とかってやつだったもんなぁ。

あれだ、3日くらいの登山用のとだいたい同じサイズ。

 

こりゃあメインウェポンは早いとこ、この体相応のもの……探さないとかぁ。

 

じゃ、ちょっと行ってみよ。

 

あくまで浅い階層でいろいろ試すだけ。

普段みたいなことするには、何もかもが分からないんだから慎重にね。

 

 

 

 

このダンジョンはいつも空いてるけども、念には念を入れてちょっと待って様子をうかがってのエントリー。

 

隠蔽スキルで認識されないとは言っても、監視カメラやカードキーっていう電子機器からは認識されるんだ。

 

気をつけないと……や、悪いことしたことはないけども、黒髪にカモフラージュしてるとは言え幼女がダンジョン潜ろうとしたら全力で止めに来るだろうし。

 

一応親の許可があれば小学生以降ならダンジョン潜りOKって言う、どう考えても末期戦な国の方針だから「許可証見せて?」以上のことにはならないだろうけども……当然ながらそんなものはなくって、身分証はおとといまでの僕のだからやっぱりアウトだもん。

 

見とがめられたら?

 

とりあえず全力で逃げる。

それしかない。

 

ということでじっと守衛さん……おじいさんがうたた寝してるのを確認してささっと入る。

 

「ふー……」

 

無事入口を通過。

 

これでもう、中で別の人に見つからない限りは大丈夫だ。

やー、ここが人気のないダンジョンで良かった。

 

いやまあ別にここじゃなくても良いんだけど……ほら、僕のロッカー、いくつかあるうちのいっこはここに借りてるし、便利だし、寂れてるからこその愛着って言うか?

 

僕がローテしてるいつものダンジョンの中でも1番近くて潜りやすいし?

 

普段なら素潜りもできるレベル……だけど、この体の戦闘力わからないもんね。

 

慎重に慎重に。

 

……索敵スキルはさっき使ったように、昨日までよりもむしろ強くなってる。

 

わっ……と声が出そうになるのを抑える。

一応はダンジョンだからね。

 

つ、次のフロアまでかすかに……いや見えすぎだこれ、ちょっと弱くしよ。

 

頭の中が情報過多でパンク……はしないだろうけども、代わりに隅々まで読んじゃって目の前が疎かになっちゃう。

 

「……………………………………」

 

こんなことになっても、することは1年中同じでダンジョン攻略と配信かぁ……習慣って怖いねぇ。

 

【お、ハルちゃんおはよー】

【さて、俺も仕事やんなきゃな】

【在宅の奴らは良いなぁ】

【あれ、なんかいつもと違う?】

【そうか?】

 

普段の装備……は、体の体格的に無理だから、さっき買ったばっかりの服に必要なのだけを取り付けてる。

 

えっと、カメラ付きの帽子でしょ?

 

ポケットがいっぱいついてるベスト……もでっかかったから、余ってポシェットでしょ?

 

で、しまいきれないからもう肩に掛ける感じに狙撃銃用の弾に、緊急脱出のためのリストバンド。

 

うん、これで大丈夫。

 

いつも通りの格好なんだ、いつも通りにしていればまず問題は無いはず。

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