【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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144話 はじめてのおふろはキャパオーバー

「……………………………………」

 

……あ、やば。

 

つい鏡見てフリーズしてた。

 

それに気がついた僕は、洗面所の鏡の前で突っ立っていた。

胸もない体って分かってても男の本能って悲しいね。

 

け、けどしょうがない。

しょうがないよね……?

 

女の子への免疫ゼロな僕が、女の子って言うかもはや幼女だとしても、いきなりこの体を使って服脱いだりするんだもん。

 

経験がないのがここへ来て裏目る。

興味ないからってスルーし続けたのが、肝心なときに来るんだ。

 

本の中で、文学的表現で婉曲に表現されたこういうのはそれなりに読み慣れてるはずなんだけども……やっぱり現実の実体験には敵わない。

 

……起きてすぐシャツ1枚だけになったし、それで外出たし、一応試着室で下着のサイズまで試して買ったから……シャツ1枚だけだった装備を1枚脱いだってことで、そのときすっぽんぽんになったけどさぁ……。

 

あのときは……ねぇ?

 

女の子の体でまさかのノーパンでシャツだけっていう、男だったとしてもどきどきしてしょうがない格好での大冒険だったんだ。

 

「いつ店員さんが来るか」ってひやひやひながら急いで脱いで着てってしてたから。

 

……あのときがんばって鏡見ないで、すっぱだかな幼女を見ないようにしてた分がここで来る。

 

や、もう下とかトイレで見ちゃったし、今さらって言えば今さらなんだけどさ。

 

ほら、最初も思ったじゃん?

 

これって親戚の子供の面倒見て、トイレとかおふろの世話が必要な歳の女の子のお世話してる感じなんだって。

 

だから別にどきどきすることもないし、裸を見たってしょせんは子供の、

 

「……………………………………」

 

心臓がばくばくしてる。

これはお酒のせいだけじゃない。

 

「……だ、だめだ……」

 

ぶんぶんっと頭を振っても、ぶんぶんふわふわ舞う髪の毛に目を引かれてもはやどうしようもない。

 

いくら気を逸らそうとしても、論理で否定しようってしても。

 

「女の子を裸にする」って思っちゃう、僕の男としての煩悩が邪魔をする……おっかしいなぁ、僕ってこんなロリコンさんだったっけ……。

 

「う――……」

 

目の前の金髪幼女は金色の眉を斜めにして目が潤んでて、口も歪んでて顔が真っ赤で汗が垂れてて――端的に表現するとやばい。

 

語彙力が消し飛ぶくらいにやばいんだ。

 

女の子と積極的に話してこなくって、裸とか以前にまともに話すとか触れるとか、それすらしてことなかったところがここに来て。

 

う、うん。

 

これは医療行為……そうだ、医療行為なんだ。

 

や、別に臭くたって死ぬわけじゃないけど汗臭いと眠れないかもだし……ね?

 

……き、気をつけて1枚ずつならなんとか僕のピュアすぎる心も守られるはずで

 

「……あっ」

 

うっかりでおまたとこんにちは。

 

「……………………………………」

 

ああ。

悲しきは男の魂。

 

……ある意味、これがある内はまだ僕で居られるってことでいいのかな。

 

完全にどきどきしなくなったら、それはもう幼女でしかないもんね。

 

 

 

 

「……よし」

 

僕はほかほかしている。

たっぷり汗かいてあったまってすっきりしたから。

 

……いかがわしいこととかえっちなこととかおまわりさんなことじゃなくって、お風呂入ったからね。

 

そういや昨日は完全に頭パンクしてて入ってなかったんだし、今日は歩いたりして疲れてたんだ、だからしょうがない。

 

何がしょうがないのか分からないけども、とにかく色々見て触っちゃったのはしょうがない。

 

見たものは忘れたんだ。

あれは無かったんだ。

 

「くぁ……」

 

けども、お風呂上がりになってこうして考える程度には無心で入ったおかげでなんとかなったね。

 

や、こんなに長くてふわっふわしてる髪の毛の洗い方分かんないし、鏡見たら発狂しそうだったから……こういうときに索敵スキル発動して赤外線みたいな感じでお風呂場を乗り切って、目つぶって体流しただけだけどさ。

 

つまりは先送り。

 

いずれは直視せざるを得ないけども、まだ心の準備ができてないんだからスルーするしかないよね。

 

うん。

 

将来のこととか、彼女作らなきゃとか、親のために結婚しなきゃとか、そういうのとおんなじ。

 

とりあえず後回し。

それでなんとかなるよね。

 

けどやばいなぁ。

 

「くぁぁぁ……」

 

……予想以上に眠い。

 

え?

 

何?

 

幼女ってこんなに体力ないの?

子供って1日中走り回るもんじゃ?

 

「んぅ――……」

 

あ、眠すぎて涙。

 

……ってそうだった……僕、ダンジョン潜ってたんだよね。

しかも結構ぶっつけ本番で。

 

やー、我ながらよくもまあ、幼女になってからさ、いの一番に危ないとこ行ったなぁ……こんなにちっちゃいんだ、もしレベルが落ちてたりスキルが落ちてたらどうしたんだって。

 

結果的には良かったけども、やっぱもうちょっと慎重にすべきだったかなぁ。

 

で、でも、結果的に何ごともなかったんだから良いよね。

うん。

 

僕はなんにも失敗なんて、

 

「……あ、配信」

 

してたね、そういえば。

 

……ま、まあ、あれもバレてなかったからセーフ……?

でも次からは気をつけよ……。

 

リアル幼女バレとかしたら、どんなヘンタイさんが来るかわからないもん……ネットって怖いって言うし……。

 

 

 

 

「まだちょっと明るいんだ……」

 

てっきりもう遅いって思ってたんだけど、それはどうやら普段の感覚だったらしい。

 

つまりは会社帰りに潜る感覚だったってことで、朝から潜って夕方に出るって言う健全すぎる活動をしてた僕は……ちょうど高校までとおんなじように、朝学校に行って放課後ちょっとだけ部活して帰ってきて、お風呂入ってひと眠りした。

 

そんな感じになってるらしい。

 

だから、まだ6時。

夕方。

 

「夕日、きれい」

 

普段ならこれから潜るから見てなかったお日さまも、今日は心なしか明るいね。

 

けども、困った。

 

「……ない」

 

生えているものもないんだけども、1日経って何回かトイレにも行ってお風呂にも入って慣れたから、それはまた置いておくとして。

 

困ったことに、ちょうど買い置きを切らしていると来たんだ。

 

つまり?

今ちょっとコンビニにでも行かないと、夕飯は――ない。

 

や、ごはん炊くくらいはできるけども、白ごはんだけってのもねぇ……本当にタイミング悪く食材も切らしてるから。

 

「……………………………………」

 

ごはんがない。

 

そう思うと「ぐう」って鳴るおなか。

 

……大丈夫、隠蔽スキルのおかげで露出痴女スタイルな幼女姿でも、通報どころか声もかけられなかったんだ。

 

同じようにすれば意識されないで適当なの買って帰って……うん。

 

夕方になると人がたくさん出てくる。

人がたくさん出てくると僕のメンタルが傷つく。

 

さっさと買って来よ……。

 

あ、チャリ乗れないのかぁ。

 

「うげ、めんどくさぁ……」

 

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