【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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148話 そこそこ慣れた幼女な体でのダンジョンへ

朝の駅前はスーツ姿でいっぱい。

 

もうちょっと早い時間だと学生服だね。

そう思うと学生の方が大変だね。

 

でも……やー、みなさんお疲れだね。

 

僕はもう、その電車に乗らなくて良い身なんだ。

やーい、うらやましいだろー。

 

……そんなことを思ってみたけども悲しくなった。

 

いいじゃん、こうやって思うことくらいさ……無職なんだもん。

普通に働いてた方が楽だったかな。

 

あ、でも、テレワーク廃止になってからめっちゃストレス感じてたし、いずれ完全リモートな会社に転職しようとしてはいたから良い機会なのかなぁ……?

 

そうも思うけども、いずれバレたとき親になんて言われるかって気持ちと、「会社勤め」って言う素敵なステータスを失って「無職」って言う見下される存在になった、僕のミジンコさがじんわりしてくる。

 

あ、だけどいいじゃん。

 

もう時間を気にしすぎることもないし、朝にぎゅうぎゅう詰めになって会社行かなくてもいいんだ。

 

それに朝着いてからメールを処理して、チャットアプリで回ってきたお仕事とかを片づけなくてもいいし、怖い上司の人たちから話しかけられるのびくびくしなくてもいいし、それに。

 

「……………………………………」

 

無職の悲しさを考えようとするほどに、なぜか無職のいいところばかりが思い浮かんでくる。

 

……だめだ、考えれば考えるほどにこの状況が良いものに感じてきた……あのさ、この体、精神汚染とか思考操作とかされてないよね……?

 

それまでされてたら、もう僕、僕じゃなくなってるってことなんだけど……?

 

……普段はものすごくポジティブっていうか何にも気にならないくらいなのに、どうしてこう、いきなりメンタルが乱高下するんだろう。

 

何?

これが女の子なの?

 

あ、確かに、ちっちゃいころの友達とか、こういうの良くあった気がする。

 

さっきまで笑ってたのに、いきなり怒るとかね。

よく分かんない理由で怒るから結局分からないんだよなぁ。

 

……そのサンプルが小学校低学年までって言う、僕の全盛期だったのが悲しいね。

 

あのころはなんにも考えずに、女の子だけじゃなくて普通に友達わんさかいたのに……どーして高学年になってからこうなったんだか。

 

いやまあ、本にのめり込みすぎて普通に友達から誘われても断っちゃったりするのが十何年も続いたらそりゃあこうなるよね。

 

知ってた。

 

あのときの僕……そういうことしてるから、こんなことになっても頼れるしんゆーとかいないし、女の子になって大変なの助けてくれる女の子とかいないんだよ。

 

もし過去に戻れたらそう言いたい。

 

いや、その前にまずはあの泉に行っちゃったあの日に戻るべきだね。

 

まぁ戻れるわけはないんだけども。

 

 

 

 

さて、歩いてたらなんだか何もかもどうでも良くなるとか言う、なんかやばい感じになってきたからさっさと潜って稼ごう。

 

そんなわけで来ちゃったダンジョン。

 

「……………………………………」

 

……さすがに8時半に来るのは早過ぎたかな。

 

会社に行くんじゃないんだから、もっと遅い時間にしよっと……。

来るときのバスとかも混んでたし……うん。

 

ま、幸いなことなのかは分からないけども、隠蔽スキル駆使すればある程度ごまかせる。

 

とりあえずは「中学生くらいで黒髪で地味すぎる男子」っていう僕の中学生時代なイメージで通そう。

 

いつもそんな感じの気配にしとけばいい感じになるでしょ。

 

世の中は不合理で不公平なもので、男よりも女の子の方がちやほやされるし、女の子の方が記憶に残るもの。

 

良くも悪くも、ね。

 

だから大切じゃないそのへんの石って感じで、それとなーくぼんやりしながら消耗品とか揃えよ――……。

 

この低身長だから、盛りに盛っても中学高校は……無理かな。

 

背が低すぎる高校生男子の方が逆に記憶に残ってめんどくさそうだし。

 

あー、ほんと。

この前までの「普通の男」がどんだけ楽だったか。

 

「よっ……と」

 

鏡に映ってるのは体格に合った新品の装備になった僕。

 

ま、お金ないから安物だけども、重くて動けないよりはマシかな。

そんな感じ。

 

多分この体の向き不向きで、前よりも軽いのならむしろスペック引き出せる感じするし……うん、切り替え大切。

 

人間、追い詰められたら何とかなるもの。

 

こんな僕だって「身ひとつで稼がなきゃ、のたれ死ぬ」って思えばがんばれるんだ。

 

よーし、じゃあ今日もひと狩り行ってこー。

 

こんな平日の朝になんて誰も居ないし、どうせダンジョン内で隠蔽使うって言ってもやっぱ人いない方が気が楽だし。

 

昨日までの続きってことで、この体に馴染みつつ、この体でできる範囲での攻略だ。

 

【お、今朝も早いな】

【ハルちゃんおはよー】

 

【ハル「おはようございます」】

 

【ハルちゃんからのお返事……】

【良いものだな】

【うむ】

【左様】

 

しっかしみんな早いなぁ。

 

まぁ2日に1回以上は配信してるから、ヒマな人が多いんだろうけども。

 

【先週辺りはすっごく調子悪そうだったけど大丈夫?】

【昨日は結構動けてたから大丈夫だろ】

【無理しないでねー】

 

みんな、案外優しい……まぁそりゃそっか。

 

こんな趣味配信を追ってる人たちだもん、きっとヒマでしょうがない変人さんたち。

 

僕の何かとこの人たちの何かがぴったり合っちゃったんだろうし。

 

ま、こういうのが流れてる方が気が楽だし。

じゃ、まずはお金貯めて軽くて長射程の銃。

 

それから弓とかスリングショットとかいつものを使えるようになってこーっと。

 

目の前に小さなクエストがいっぱい現れるとなんか嬉しいよね。

いっこいっこ、地味にクリアしていくこの嬉しさ。

 

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