【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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15話 せっかくだから初心者気分で初見ソロ攻略行ってみよう

僕がお高いホテルに連れて来られてから2日。

 

なんとかしてるるさんたちが――特にるるさんが僕の部屋に泊まるのを阻止はしたものの、朝昼晩と九島さんを連れて来て一緒に食べるし、その後はだらだらと部屋に居るしで実質的に泊まってるみたいなもの。

 

救護班さんな九島さんも最初は困ってたけども、悲しいことに僕から男らしい成分が何も出てないのを理解してか、今じゃすっかり普通に話しかけて来る間柄。

 

うん……今の僕じゃ男成分、かけらもないもんね……。

 

あと驚愕なことに、あのえみさんはあんまり来ない。

 

びっくりした。

だって身構えてたから拍子抜けで。

 

なんでも事務所の方でのお仕事が忙しいらしいね。

どうやらそのへんはネットで調べた彼女の評判通り。

 

聞く限りにはるるさんと僕のことでいろいろしてるらしいから感謝しとこ。

 

多分ヘンタイさんだから僕から隔離するって意味合いもあるんだろうし、きっと幼女成分に餓えてるはず。

 

次会ったときには僕から抱きついてあげようかな。

 

僕は健康的な体つきのJKなえみさんのお腹に抱きつけて幸せ、えみさんも幼女に抱きつかれて幸せ。

 

Win-Winってやつだね。

 

ヘンタイさんだからと言っても、いくらなんでもこんな幼女にわいせつ行為……しそうだからほどほどにね。

 

ヘンタイさんにはごほうびあげすぎると大変なことになるって知ってるから、本当にほどほどに。

 

勢い余って女の子にいたずらされるのは男としては大歓迎だけども……あの子、なんか怖いし。

 

表面的には立派なお母さんとかお姉さんキャラしてるらしいんだ、そんな子を犯罪者にするわけにはいかないもん。

 

届かないなら届かないって分かってる方が諦めもつくし、見てるだけで満足できるもの。

 

そこで距離感間違えちゃうと歯止めきかなくなりそうだしさ。

ほら、あの子も高校生だし、まだまだ先は長いし。

 

「………………………………」

 

今日はるるさんが忙しいとかで景色の良いホテルのでっかいベッドの上は広くて静か。

 

僕はいつも通りに本を読んでるだけ。

 

……だけど。

 

「あきた」

 

僕は別に引きこもりじゃない。

普段から朝晩は軽く散歩くらいするし買い物もしてた。

 

ダンジョン潜らない日に近くの公園とか駅前とかを、隠密の練習がてらに歩き回るくらいはしてた。

 

だから、さすがに軟禁3日目ともなると体がうずく。

 

みんなに言えば近くくらいは出られるだろうけども、そうじゃない。

僕はひとりでのんびりうろうろしたいんだ。

 

部屋だって広いと言っても基本的に廊下に出られないんだもん。

そりゃ事情は分かってるけどヒマなものはヒマ、うずうずするものはうずうずする。

 

どうしよっかなぁ……。

 

部屋に敷かれてる分厚いじゅうたんにぽすっと飛び降りて、はだしのぞわぞわする感覚を楽しみながら全身鏡の前へ。

 

いつも通りにただ下ろしただけの――るるさんたちが来る日は毎回髪型変えられて今日は両端がぴょこんってなってるけども――長い金髪と、そこから覗く蒼い瞳。

 

この髪型、何て言うのか忘れちゃった。

まぁ男だからどうでもいっか。

 

眠くはないんだけどもまぶたが眠そうになる目。

ぷにっとしてるほっぺたに白い肌、小さな体。

 

新しく買い与えられた服――白いワンピース。

 

「どうしても嫌なら女の子の服は返してくるよ?」って泣きそうな顔でるるさんが言うもんだからさ……なんとなく断れずに着ちゃって喜ばれちゃったから3日連続で似たのを着ている。

 

自己主張できないなぁ……あの子たちが年下の子ってことで、大抵のことはまぁ良いかって甘やかしてるのもあるんだけども。

 

「悪くは、ないけど」

 

鏡の前でくるんと1回転。

 

ふぁさっとスカートがなびいてふとももがちらちら、ふとももをすべすべ撫でるスカートの裾。

 

ちょっとどきどきする。

 

このどきどきは……うん、まだ男としてのどきどきだ。

女装してる感覚、罪悪感と興奮が含まれてる感じの。

 

だから僕は、まだ男のままで、きっと男に戻れる。

 

――こういうのをときどき確認するために女物も持ってたんだよね、アパートに。

 

あとはシャツ1枚だったりすっぱだかだったり。

幼女だから性的興奮は脳内でもないけども、目の保養にはなるんだ。

 

やっぱり女の子ってだけでどきどきするもん。

これで生えてたら――いや、どきどきするな。

 

なんで?

 

顔か。

やっぱり人は顔なんだ。

 

この幼い顔がまた庇護欲をそそる感じで、成長すれば僕好みの――。

 

「………………………………」

 

やばい思考回路になりかけたのを封印。

 

ごそごそ。

 

るるさんとえみさんが……いくらしたんだろ、「経費で落ちるって素敵」とか言ってたから10万とか言ってそう、いや、もっとかな……買ってきた大量の服の中からつばの広い帽子、あとは蒼いサンダル。

 

ついででおしゃれだけどあんまりものが入らなさそうなリュック……これをリュックって言っていいかは分からないけども。

 

とてとてと引き返した僕はリュックの中へ、アパートから持って来た携行用の荷物を厳選して詰める。

 

そして――スマートウォッチな見た目の緊急脱出装置。

あと返してもらったカードキー。

 

スマホも持ったから買い物もできるし、小さい武器も持ったから弱いのなら追い払える。

 

「よし」

 

じゃ。

 

いい加減ヒマになったし、今日はみんな離れたところにいるらしいし。

 

そもそも僕、はっきりと「絶対にここから出ちゃダメだから!」って言われてない。

 

だから、気晴らしにちょっと潜っても良いよね?

大丈夫、普段とは違うとこってことで趣向変えるから。

 

一般人に襲われても返り討ちできるのが高レベルってやつだし、町中でも緊急脱出装置は作動――するかは忘れたけども、通報ベルくらいは鳴るはず。

 

そこまで行ったらこの見た目だ、周りの人が助けてくれるし大丈夫でしょ。

 

顔もばれてないし、平気平気。

 

 

 

 

「こそこそ」

 

僕の隠密スキルはかなりのものだ。

 

だって僕は遠距離専門。

 

モンスターとか怖いのに近づくのもやだし、レベル相応なら死なないとは言ってもケガすれば痛いものは痛い。

 

だからとにかくに遠距離での攻撃手段と気が付かれないスキルを磨いてはや4年。

 

前の体で3年、この体で1年。

 

石の上にも何とかって言うし、これくらい続けてると僕のことながらなかなかのものだって実感する。

 

「………………………………」

 

だから、部屋から廊下へのドアを開けて真横に居る警備の人――多分るるさんたちの事務所からの派遣さん――にも、ドアが開いたことすら気が付かせない。

 

隠密って言うのはそういうこと。

 

これはもう感覚なんだけども、モンスターを含めた生物は五感の情報と意識で周囲の情報を把握する。

 

だから僕が空気みたいになれば、自然の作用で動いたように感じられたら反応もしてこないんだ。

 

ぱちっと目が合う。

 

――合ったけども、ムキムキスーツなその人は2、3秒で何もなかったように前を向く。

 

ほら、何もなくてもふとどこかを見ちゃうことってあるよね?

あんな感じになっているんだ、今のこの人。

 

ちなみに犬とか猫にはばっちり見られるから注意。

あいつらは僕の隠蔽なんて軽く突破する高レベルなんだ。

 

「じゃ、行ってきます」

 

僕はつばの広い帽子、ワンピースに小さいリュック、それにサンダルって言うお出かけモードでホテルを抜け出した。

 

 

 

 

「………………………………」

 

隠密スキルは町中でも完璧。

 

けどもダンジョンとは違って完全に気配が消えちゃうとぶつかられちゃうから「そこに人がいるなー」程度の気配感。

 

おかげでこんな姿で歩いても誰も気にしないもん。

人目があんまり好きじゃない僕にとっては快適だ。

 

今のところ僕にスマホ向ける人も居ないみたいだし大丈夫っぽい。

 

けども普通の人の中でも勘の良い人はいる。

 

ダンジョン内でモンスターを倒すと上がるスキルの中で「探知」とか「発見」とかそういう系統のを、生まれつきとかで持っている人もそれなりにいるらしいんだ。

 

多分そういう人が幽霊とか見るんだろうね。

 

……って言うことは幽霊っぽい何かは本当に存在するってことになっちゃうんだけども怖いから考えるの止めとこ。

 

ダンジョン内のゴースト系ならともかく、いわゆる幽霊って怖いし。

 

モンスターなら倒せるけども幽霊さんたちはどうか分かんないし。

 

さてさて、今日潜ろうとしてるのは検索して近場、かつ初心者用のレベルの低いダンジョン、それでいて階層が深いとこ。

 

さすがは都会、人が多いから近くのダンジョンが一覧になってて素敵。

名前が似てるところが多いのもまた都会らしい。

 

今の僕は町中を歩く格好。

ワンピにサンダルと、本当に近所を歩く格好。

 

強いて言えば帽子の上にくっつけたカメラだけども、今どき町中で配信してる人なんてそんなに珍しくない。

 

せっかく滅多に来ないとこに来たんだし、ずっと同じことばっかりしてたしでそろそろ新しい何かしてみたいって思ってたし、ちょうど良い機会だ。

 

だから今日はダンジョン素潜り。

 

ダンジョン内でドロップするものとか落ちてるので切り抜ける、クリアまでのRTAとかで盛り上がるジャンルだ。

 

生配信で事故も多いってのが人気の要素らしい。

 

もっとも僕は隠蔽&遠距離特化だし、なによりこの体だしで無茶もできないし、まだ魔力も割と底だってことでいつも通りに慎重に遊ぶだけだけども。

 

今日のとこは初心者用だけあって実入りは少ない。

 

けどもどんだけ少ないと言っても数をこなせば半日で数万円は余裕だし……ダンジョン潜って1回の換金で数百万とか数千万とか、気が付いたらおかしくなってる金銭感覚直すためにもたまにはこういうことしないとね。

 

けど初心者用ダンジョンかぁ……なんか初心に返った気分。

 

最初は普通に突撃して痛い目見て普通な戦果しか挙げられなかったなぁ。

 

今はどうしてこうなっちゃってるんだろうね?

 

「……よしっ」

 

僕たちの生命線な緊急脱出装置の動作確認も完了。

いつもみたいな装備はないけども逆に気合は充分。

 

配信カメラも問題なし。

 

「あ」

 

そうだ、せっかくひとりぼっちを楽しむのにるるさんたちに見つかっちゃうか、配信なんかしたら……いや。

 

確か、最初の頃に作ったサブ垢があったよね……あった。

 

僕は桁がたくさんになりすぎてて、なんかヘッダーとかアイコンとかがかわいくなっちゃってる僕のアカウントを見つつ、もう1個の方に設定し直した。

 

……たくさんの人に見られるのはやっぱ苦手。

 

だけど、いつもの人たちが見つけてくれるんならそれで良いよね。

 

なんか「始原」とか格好いい名前にされてた人たちと「初見」って人――登録者の最初の人だけに通知をオン。

 

何年も使ってないアカウントからの通知で来てくれるなら良し、そうじゃないならそれでも良し。

 

じゃ、はじめてのぼうけん的な配信、やっちゃおっか。

 

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