【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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197話 ドラゴン大戦

『姫の騎士が、わざわざに此所で……良いだろう。 おい、姫』

「あ、はい」

 

普通に返事してから「なんで僕、姫とか呼ばれて反応しちゃってるんだろ」ってちょっと落ち込む。

 

ウソついた、結構凹む。

 

めり込む。

めり込んだ。

 

男としてなんかいろいろめり込んだ。

 

と言うか、さっきまで「貴様」とか「人間」とか「幼体」とか呼んできてたのにね。

 

そうして、ふわんっと浮かぶ感覚。

 

飛行機で浮くみたいな気持ち悪いのじゃないやつ。

 

「……え?」

 

『その中に居れば、我の直撃で無い限り傷ひとつ負わぬ。 我が姫の「元」守護騎士を打ち倒す、華麗な戦いを見ていろ』

 

なんかでっかいしゃぼん玉の中に入れられてた僕は、さっきまで囲われてた両手の中からぷかぷかと浮いていく。

 

【なんぞこれ】

【あれじゃね? バリア的な】

【あー】

【つまり?】

【ここでドラゴン同士の戦いを見てろってことだ】

【もはや「姫」呼びだもんな】

【完全にノーネームちゃんに見せつけるつもりだ】

 

「……ノーネームさん」

 

けっこう浮かんで、どっか行っちゃわないか不安になったくらいでゆっくり止まったらしいしゃぼん玉。

 

僕の下にはでっかいドラゴンさん、そして……比べちゃうとずいぶんちっちゃい、ノーネームさん。

 

「ノーネームさん、がんばって」

 

「グォォォォォォォォ!」

 

 

【推】【応援】【歓喜】【至高】【狂喜】【感情】【打倒】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【好】【好】【好】【好】【好】【好】【好】【好】【好】【好】【好】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】

 

 

【草】

【ノーネームちゃんが喜んでいる】

【だってハルちゃんからの応援だし】

【そういやハルちゃんから直接応援されるのとか今まで無かったもんな】

【ああうん、感極まるか……】

【ノーネームちゃんがんばえー】

 

 

 

 

「グォォォォォォォォ!」

『GAAAAAAAAAAAA!』

 

大きいドラゴンさんと小さなノーネームさんが、お互いにブレスを放ったところから戦いが始まった。

 

「……バリアなので何も感じませんね。 バリアごと、ちょっと遠ざかったみたいですけど」

 

【いつでも冷静なハルちゃん】

【違うぞ、ただマイペースなだけだぞ】

【それな】

【この上下することのない落ち着いた声が良いんだ】

【分かる】

【分かりすぎる】

 

「んくっ……ぷは。 することもないので実況してましょうか。 通じてるかは分かりませんけど」

 

【草】

【完全にマイペースに戻ってるハルちゃんで草】

【しかも実況て】

【しかもまーた酒瓶取り出してる……】

【自分の取り合いを優雅に眺める姫……】

【しかもワインでちょっと豪華になってるし】

【草】

【構図が完全にそれで草】

【ま、まぁ、ハルちゃんからはなんにもできないんだし……】

 

「グォォォォォォォォ!」

『GAAAAAAAAAAAA!』

 

2頭のドラゴンが、ばっさばっさと地面のない空間を飛び回る。

 

なんか宇宙っぽいけど明るいって言う……あ、これ、昔やったことあるゲームのラスボスの戦闘みたいな演出。

 

ドラゴンさん、狙ってる?

 

……まさか。

 

多分、地球の人間のクリエイターさんがこのイメージを無意識で読み取って実現したんだろう。

 

2頭はものすごい速さでフェイント入れたりして飛び回って、体当たりをしたかと思ったらお互いにブレス放ってお互いに吹き飛ばされて。

 

そうかと思ったら遠巻きにぐるぐるしながらブレスを交互に放ったりしている。

 

……確かにこれは、ダンジョンの中じゃできないよねぇ……ついでに地上でやっても空中でやっても、周囲がブレスで大変なことに……ほら、ブレス、見えなくなるまで延々と飛んで行ってるし……。

 

レベル、いくつくらいなんだろうね。

 

多分これまで観測されてるモンスターの何十倍とか何百何千倍なんだろうね。

 

【すごいなこれ】

【しゅごい】

【ああ……ゲームの決戦シーンって言われても信じるぞ】

【ファンタジー映画のクライマックスだよな】

【金かけた映画とかゲームみたい】

【ドラゴン同士がブレス吐いたり突撃してぶつかり合ったり】

【なんか……今まで見てきた戦闘と次元が違いすぎるな】

【違いすぎる】

 

【て言うか待って  あんなのが居るの? 来るの? ダンジョンに?】

【実際に居るだろ  あのちっちゃい方のノーネームさんでさえつい最近に元気に暴れてたんだぞ】

【いきなりお空から来る可能性もあるぞ】

【ひぇぇ】

 

【あのノーネームちゃんでも合衆国のミサイル2発だったのに……あのでかい方はどんくらい強いんだ】

【しかもでかいのの手下がわらわらと居るって言うね……】

【これ、不意打ちで来られてたら地球なんて間違いなく……】

【ノーネームちゃんがんばえー】

 

これまでとは違って、制約の無い空間。

 

その中を2頭のドラゴンが、ものすごい速さで飛び回っては攻撃している。

 

『我が極大魔法を受けてみよ!』

 

きぃぃぃぃんっとドラゴンさんの口がまぶしく光り……周りの光景が引きずり込まれるような渦を描いて、何回かのブレスとは比べられないまぶしさのそれを、ノーネームさんに向かって吐き出す。

 

『GAAAAAAAAAAA!』

「ヴォォォォォォォ!?」

 

それはSF映画とかの雑なCGよりもずっと迫力があって……あ。

 

【ノーネームちゃん!】

【羽が】

【ま、まだ片方だけだから……】

【ノーネームちゃんでもやばいのか】

【単純にガタイが違いすぎる】

 

「……ノーネームさん」

 

何回かくるくる回って下の方へ……落ちかけたけどもすぐに再生して戻って来たノーネームさん。

 

……そっか。

 

「僕を捕まえたときのなんて、本気どころかじゃれる以前の力しか出してなかったんだ。 ノーネームさん」

 

あのときのなんて、ただのおふざけ、じゃれあい。

 

ちょっと遊びたかった。

 

ただ、それだけ。

 

るるさんのこといじめてたのも、多分悪意なんてない。

 

ただ、ちょっかいかけただけ。

 

本当に、その程度。

 

……だって、こんな力あるんだから、やろうとしたらいくらでもできたはずだもん。

 

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