【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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250話 5人全員魔法&遠距離攻撃部隊

このダンジョンは潜るにしたがってモンスターのレベルも数も、ぐいっと増える傾向にあるらしい。

 

低い階層はそこまででもないし、1フロアごとは半分が吹き抜けだからむしろ狭いんだけども、だからこそモンスターの密集具合はなかなかのもの。

 

『ある!』

 

「うん、気をつけてね」

 

ちょっと気づかれにくくなってきたけども、まだまだ隠蔽スキルの低いらしい子たちが5人も居るわけで、部屋の前に近づくと、入り口に近いモンスターからこっちに気が付いて走り出してくる。

 

入り口からだいたい30メートルくらい手前にもなると、索敵スキルの高いモンスターが部屋の中からこの子たちを見つけて吠えて、それに反応したモンスターが合流して走ってくるってパターン。

 

部屋に近づいたらいきなり10匹以上がまとまって走ってくるって言う、慣れてないと怖い光景。

 

だけどもそれは、こっちにとっては好都合だ。

 

敵は、部屋からただ真っ直ぐに……陣形も何もなく、足の早い順、部屋にいた位置の順にそのまんま突撃してくるだけ。

 

だからこそ、ワンパターンだからこそ、この子たちも慣れやすくって、僕も指揮しやすかった。

 

おかげで――今日も安全な狩りの時間だ。

 

狩り。

 

そう、狩りだ。

 

これまでの僕ひとりじゃなくって、逆に僕はなんにもしないでみんなが集団で狩りをするのを眺める時間。

 

ちなみに、期待値的には今日もお酒は10本くらい手に入るはずだ。

 

なぜかどれも赤ワインみたいなのだけど、お酒はお酒。

味も香りもかなり珍しい感じだけど、だからこそいくらあってもいい。

 

「みんな、がんばってね。 僕も、良いお酒落とすように祈ってるから……あ、おいしいごはんもね」

 

【草】

【ええ……】

【だめだこの女神、脳みそがアルコールに浮いてやがる……】

【メインのはずのごはんのドロップをついで扱い】

【ハルちゃん……とうとう正体隠さなくなったね】

【結構元からでは?】

 

【そういやはじめてのぼうけんでお酒の話してたわ】

【最初からじゃねーか!!】

【そういや最初のころも、おにぎり1個とかいう食への興味の薄さだったわ】

【やっぱり最初からじゃねーか!!】

【最初からだったわ】

【草】

 

【ああ……あのころは人間界に来たばっかりだったハルちゃん……】

【言っても3年半……今だと4年前から来てたらしいけどな】

【その期間でこの元幼女……元女神、何やってたの?】

【え? ダンジョン潜ってモンスター倒して、なんらかの方法で換金してお酒買って楽しんで過ごしてた】

 

【草】

【ハルちゃん……】

【やっぱこれ、絶対一時的に堕天して地上の観光に来てたんだって  具体的には、地上お酒飲み比べツアーに……】

 

僕の両腕担当の子たちが、ぱっと離れ、まずは魔法での攻撃が始まる。

 

『――――!』

『――……』

 

赤毛の子は炎、白髪の子は氷の初球魔法を。

 

熱そうな炎と冷たそうな氷は、2人の杖の先でちょっと滞空したあとにひゅんっと飛んでいく。

 

ダンジョン内での髪色はその人の魔力の属性を表しやすいとからしくって、ちょっとあせた感じの赤毛の子は真っ赤に、白髪の子は輝く銀色に。

 

普段はそこまででもないけども、なんだかきらきら光っててかっこいい気がする。

 

……そういや、僕は何色になったんだろうね、魔法使ったとき。

確かめようにも、魔法、使わせてくれないし……。

 

そもそも男のころは魔法の使えない黒髪で、今は金色だから……金色って何属性なんだろ。

 

ちょっと興味あるけども……そのうち使わせてくれるでしょ。

 

例えばまた、ものすごい数のモンスターがうじゃうじゃ居てこの子たちだけじゃ無理ってなったら。

 

あるいは……モンスターは倒したら結晶になるし、ドロップもする知っていう僕の知ってるダンジョンと似てるから、20階層区切りで中ボスが出てきたら。

 

それが、ちょっとだけ楽しみ。

 

ずぅっと光の弓矢も使ってないから魔力も余ってるっぽいし、せっかく使えるんなら使いたいよね。

 

僕だって一応は男なんだ。

毎日年下の子供たちに養われて食っちゃ寝はちょっと申し訳ないよね。

 

「ガァァァァ!?」

 

ゆっくりと弧を描きながら飛んでいった魔法が2発とも、先頭を走ってきてたモンスターに直撃。

 

「うん、初弾命中。 慣れてきたね」

 

遠距離攻撃は偏差射撃っていう未来予測が大切。

 

こういうのはおんなじモンスターで何回も何回も戦うことで身に染みてくるんだ。

 

で、まずは魔法で、味方の最後方から敵の最前列へ攻撃。

 

もちろん1発で倒せるわけがないんだけども、この子たちは基本、1体に対して集中攻撃したいらしい。

 

攻撃力が高くなくって、1回の攻撃で倒せないあいだは間違いなく正しい戦い方。

 

だから……今は向かって右のモンスターに2発の魔法が当たって、さらにその前の3人から放たれた矢で……あ、2本で倒れたね。

 

【いつ見ても息の合った連携】

【しかもみんなオールラウンダーっていうね】

【この子たちが特別なのか、異世界人が特別なのか】

【特別じゃないと生きていけない世界観……】

【やめろ  やめて】

【ああ、自然淘汰……】

 

【武器は苦手でも苦手なりに使えるようになるけど、魔法は適性ないならそもそも発動しないしなぁ】

【5人とも魔法使えるの、偶然って思いたいけど……】

【集合知を集めると、どうしても悪い方向に想像しちゃうよね……】

 

合計4回の攻撃で倒れる強さかぁ。

 

んー。

 

……この子たちがもうちょっと強くなるまでは次の階層は危険かな。

 

まぁひと晩経つとモンスターが全部湧き直すっていう魔力の濃さだから、狩っても狩ってもいくらでもレベリングできるからいいけどね。

 

僕を解放してくれたらそりゃあ……それなりの強さまでなら、具体的には魔王さんくらいならやっつけられるけども、できたら僕が居なくなったあとも安全に暮らしてほしいもんね。

 

1体を2、3回くらいで倒せるようになったら次のフロアへ。

できたら、索敵と隠蔽スキルをもっと鍛えたら。

 

それを、言葉じゃなくルーチンで覚えてもらわないと。

この子たちは結構僕の思ってること察してくれるし、今はこれで良い。

 

……ついでに、そろそろ僕が安全だって覚えてくれると、もっと良いんだけど……だめ?

 

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