【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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267話 宝箱はからっぽ

「おー」

 

『おー』

『おー?』

『おー!』

 

「宝箱だ  しかも金色」

 

『たからば?』

『たからこ!』

『きんろ』

 

【かわいい】

【かわいい】

【いちいちハルちゃんの言うことオウム返しする子供たち】

【でもやっぱ発音難しいっぽいな】

【これだけ長く一緒に居て、ハルちゃんの言うこと毎回復唱しようとしてるのにできないもんなぁ】

 

【子供だし、普通なら1週間もあれば簡単な会話くらいはお互いに覚えられるもんなのに】

【まー言語体系が地球と完全に違ったり、下の構造とかが違うんなら発音はできなかったりするんだろう】

【改めで異世界すげー】

【異世界っていうか異星っていうか】

 

【さりげなく地球以外の世界があるって判明して大騒ぎだよな】

【さりげなくないよ?】

【ただハルちゃんの配信のインパクトに比べると……】

【ハルちゃんが動いてないときだけが平和なんだよなぁ……】

 

【平和(新しい情報が出て来ない】

【人間社会ってね? 普通はそんな新しい発見ぽこぽこ出て来ないのよ??】

【ハルちゃんが動くときの1時間が人類にとっての数十年なのよ……】

 

まださらさらと……暑い季節に駅とかモールの外にある、ちょっとだけ涼しい気がするようになるあのミスト、そんな感じの水分が降り注ぐ空間内。

 

その、上の階層から降りてきたとこの逆側……歩いてかなりの距離のとこ。

 

飛んで行った方が楽ではあるんだけども……もう靴もぐちょぐちょになっちゃってるし、なにより子供たちが僕をつかんで離さないから仕方なく歩いてきたんだ。

 

その壁際にはくぼみ――台座みたいなのがあって。

その中央に、でんっとでっかい宝箱。

 

「こういうの見るとダンジョンなんだなぁって思いますね」

 

 

【♪】

 

 

「あ、そういえばノーネームさん、ダンジョンの宝箱とかってダンジョンの……支配者?みたいなノーネームさんとかが置いてるんでしょうか」

 

 

【否】

 

【自動】

 

【生成】

 

【random】

 

【魔力】

 

【pattern】

 

 

「ほへー」

 

【かわいい】

【じゃなくて待って!? 今なんかすごいこと】

【さりげなくダンジョンの本質的なこと暴露してないノーネームちゃん!?】

【なるほど、ダンジョンそのもの、あるいはダンジョンマスター的なのは関与してないと……】

 

【あーあ、これでダンジョンの生成とかを研究してる人たち失神しちゃった】

【あーあ、10年来の研究に答え出ちゃった】

【合ってても合ってなくても研究が終わっちゃってかわいそう】

【草】

【かわいそう】

【マジでかわいそうで草】

 

【ダンジョンそのもの?なノーネームちゃんが断言しちゃってる時点でねぇ……】

【ハルちゃん……】

【やっぱりハルちゃんが動くと被害が……】

 

一応で罠がないか、あっちこっちの方向から見てみる。

 

「……罠はなし」

 

僕は、今の身長で腰くらいの高さにあるフタを持ち上げてみて――。

 

「あれ?」

 

【え?】

【ない?】

【悲報・宝箱からっぽ】

【えぇ……】

【そんなことってあるぅ……?】

 

「もう別の人がクリア……してたらさっきのは居ないでしょうし……」

 

1回ぱたんと閉じてみて、間違って別の宝箱の中身が見えちゃった可能性を排除。

 

もっかい空けてみる。

 

ない。

 

もっかい閉じてみてひと呼吸。

 

そろりと空けてみる。

 

「……やっぱりない……」

 

【草】

【ハルちゃん、なんで3回も空けたの?】

【気持ちは分かる】

【分かりすぎて草】

【ハルちゃんもこういうとこはかわいいよな】

 

『ない?』

『ある?』

『ない?』

『ある、ない』

『ないない』

『ない!』

 

【ひぇっ】

【ないないはやめて!!】

【草】

【落ち着け、この子たちハルちゃんのマネしてるだけだぞ】

【「あるない」とか「ないない」とかかわいいね】

 

【あ、そういやさっきからないないされない! ねぇねぇノーネームちゃんノーネームちゃん、もうちょっとハルちゃんの服が濡れて裸に張り付いた姿ををををををををを】

【今のハルちゃんって正直とってもえっっっっっっっ】

 

【草】

【あーあ】

【お前……さすがにそれは余裕でないないされるだろ……】

【無茶しやがって……】

 

「はぁ……」

 

僕はがっかりした。

 

とてもがっかりした。

 

「こんなのってないですよ」

 

けしっ。

宝箱を蹴る。

 

「なんですか、ふざけてるんですか、ばかにしてるんですか」

 

けしけしっ。

 

『なんか!』

『ばか!』

 

子供たちが一斉に宝箱を取り囲で、僕の気持ちを代弁してくれる。

 

「こういう期待させておいて残念でしたーって、いちばんやっちゃいけないことなんですよ」

 

『ですよ!』

『ですよ!』

 

けしけしけしけしけしけしっ。

 

【草】

【かわいい】

【ハルちゃん、久しぶりにキレてる?】

【またキレ散らかしてはないから大丈夫】

【キレ散らかしたら?】

 

【ふぁいやーぼーるとあいすにーどるで世界は滅ぶ】

【ひぇっ】

【ガチでそうなりそうなんだよなぁ……】

【なんなら光の弓矢でも範囲攻撃だし……】

【万単位のモンスターを一瞬で消し飛ばしたもんなぁ……】

【ホーリージャッジメントだもんな!】

 

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