【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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286話 おいしいごはんと収穫

「んー、おいしー」

 

『おいしー』

『んいしー』

 

朝ごはん。

 

安全になったフロアを眺めながら、必要はないけども焚き火をして食べものを温めたり焼いたりしての朝食。

 

【うまそう】

【おいしそう】

【なんで焚き火で焼くとおいしそうなんだろうなぁ……】

【火で焼くのはおいしく見えるんだよ  ほら、目の前で焼いてくれる料理とかおいしいじゃん?】

【確かに】

 

【じゅうじゅうと焼かれるステーキとニンニク……】

【ぐつぐつ煮えてる鴨南蛮……】

【じゅわじゅわって焼ける焼き肉……】

【やめて!!!!!】

【飯テロはやめろぁ!!!】

 

「んく……やっぱり下層に行くほど良いドロップ。 で、ごはんの質も上がるんだ」

 

僕はトーストにポタージュ、焼き野菜と焼いた霜降り肉……子供たちが焼いて切り分けてくれてるやつ……を代わりばんこに食べながら思う。

 

ま、ちょっと香りとか味とか調味料は違うっぽいけどね、僕の知ってるそれらとは。

 

でも僕の知るその料理と大体一緒なのは、多分、気候と文化がそっくりならそうなるんだろうなって範囲だ。

 

「で、この世界はやっぱ欧州風の食文化かぁ……まぁ欧州って言っても広いし、合衆国もあるけどさ。 お米は……まぁいいや、持って来てるのがあるし、炊飯器もあるし」

 

はふはふってごはんを……僕が初めて分けてもらったときよりも格段においしいそれを、すっごくおいしそうにほおばってる子供たちを眺める。

 

……この顔をさせられただけでも、僕が来た意味はあったかな。

 

この子たちだけだけども、それでもちょっとだけは救えたんだ。

 

「おいしい?」

 

『おいひ』

『おいし!』

『あるあ♥』

 

【ダメだ、ガマンできん】

【俺も】

【俺たちの時刻は午前2時  でももうたまらん】

【うう……肉……焼き肉……ステーキ……】

【カップ麺でガマンするしかないこの悲しみ】

【キャンプとかサバイバルとか、異様にごはんがおいしそうに見えるよなぁ……】

【飯テロされたこの恨み……忘れないよハルちゃん……】

 

味はちょっと薄い気がするけども、一応はまともな素材の食べもの。

 

うん。

このダンジョンが、ドロップするとこで良かった。

 

 

 

 

『あるあ』

 

「ん、ありがと。 じゃあまたこの袋にざーっと流し込んでね」

 

今や5個になった手押し車。

僕のお手製のやつ。

 

それいっぱいにドロップ品と結晶を積み込んで、ごろごろと歩いてくる子供たち。

 

【きちゃない袋さん!】

【大活躍のきちゃない袋さん】

【きちゃない袋さんは有能だからね】

【なんでもどれだけでも入るからね】

【サイズの制限もないしなぁ】

 

【まぁ500階層のときので、何十人分の生活物資と攻略物資を2週間分以上詰め込める容量なんだ、この程度は造作もないだろ】

 

【きちゃない袋さん……】

【素敵……】

【きゅんっ】

【お前……無機物相手に……】

【俺もきちゃない袋さんに吸い込まれたい】

【その性癖はとんでもなく危険だぞ、今すぐに悔い改めろ】

【きちゃない袋さんの中で……興奮してきた】

【草】

 

「結晶なんて地球に持って帰っても……この量じゃインフレ起こしそうだけどなぁ」

 

ドロップ品を持ってかないのは、たとえゴミでももったいない。

そんな僕のけちんぼな心が、こうやって毎回全部を持って行かせているんだ。

 

みみっちいのは性分。

ケチで結構。

 

「1円を笑う人は1円で泣くんだ、もったいないの精神だよね」

 

ざぁぁぁっと、きちゃない袋さんにないないされていく結晶たち。

 

「一体いくらになるんだろうね。 ……帰ったらお酒、良いの……たくさんほしいなぁ」

 

【大丈夫、始原がガチ信者宣言する前から相当な量のおしゃけがハルちゃんの安全祈願で、えみちゃんの事務所届いてるって言うから】

 

【むしろ多すぎて保管できなくって、いろんなとこに冷蔵保存するためのあれこれを手配しててんてこ舞いっていうレベルで】

【事務所の人たちかわいそう】

【かわいそう】

 

【あ、でも、以後のは始原の……ほら、ダンジョン商会が受け入れるってさ】

【あー】

【アイツら、マジで何でも用意してたのな】

【怖っ……】

【まぁ最初からわりとそんな感じだったし……】

 

――途中からは数えるのがめんどくさくなって、今じゃ何階層か分からないけども。

 

それでも僕たちは、かなりのスピードで攻略できている。

 

「……るるさんたちに会うためにも」

 

もう、ずいぶん長く会ってない気がする、あの子たちを思い浮かべて。

 

「この子たちを安全な場所に……できたら親御さんの居る場所に連れてってあげて」

 

 

【?】

 

 

肩に乗ってたノーネームさんを、そっと持ち上げる。

 

「地球に帰る方法……見つけなきゃ、ですね」

 

 

【♥】

 

 

【ご満悦なノーネームちゃん】

【ずるい】

【最近ハルちゃんに構ってもらえて嬉しそう】

【いいなぁ】

 

【あ、それ見た子供たちが】

【撫でて撫でてって来てる】

【かわいい】

【ハルちゃん、慕われてるな】

【まぁね、普段から穏やかだしね】

 

【慕われてる(真夜中のサバト】

【いまいいとこだったのにどうしてそんなこというの!!】

【草】

【サバトは……うん、否定できないわなぁ……】

【ま、まあ、百合出産したノーネームちゃんには負けるから……】

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