【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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14章 「地上」
319話 「地上」は古代未来都市風味


ふぃぃぃぃん。

 

すっかり聞き慣れて懐かしくなってるイスさんの駆動音を耳にしながら、僕たちはダンジョンの大部屋を抜け出し、謎のビル群へ向かっていく。

 

「……うわ、すごいなこれ。 何階建てなんだろ」

 

ダンジョンの中は、手元の本が読める程度には明るい場所。

まぁ今はうっかり吹っ飛ばしちゃって薄暗くなってるけども。

 

そこから一転、壁のあっただろう場所を通り過ぎると途端に暗闇に。

 

「暗いなぁ……あ、ライト」

 

ぽちり。

 

タッチパネルを触ってたらそれらしきアイコン、触ってみると車でのハイビームみたいなのが全方向に。

 

すごいね、イスさん。

 

【すげぇ】

【なんだこのビル群】

【廃墟か?】

【廃墟っていうか遺跡じゃ?】

【真っ暗な時点でなぁ】

 

【こんなビル群維持できる文明が生きてたんなら、子供たちもイスさん見てここまでびびらないよね】

【じゃあやっぱり……】

【この子たちの文明の遺産ってとこか……】

 

下は……体感で、ダンジョンで言えば20階層とか30階層先に地面があるみたい。

 

そして上は、それ以上に高い。

 

どんだけ高いかって言うと、

 

「……このまま地上に通じていそうな高さだなぁ」

 

ビルのてっぺんまでを見渡さない高さ。

 

まぁ暗いし。

 

【マジで地下都市なのか】

【それにしては浅すぎる場所にある気が】

【あのダンジョン、構造が変だったし……ハルちゃんたちが攻略始めたあの1階層より上があるんじゃ?】

【あー】

【そこまでは見てないもんなぁ】

 

「あれ、そういえば」

 

ふと、静かになってるって気が付いたから、後ろを振り返ってみる。

 

「あ、寝てる。 疲れてたんだね」

 

【草】

【ハルちゃん違う、それ睡眠違う】

【多分気絶よね……】

【ああ……】

【さっきまで泣き叫んでたからねぇ……】

 

【あれか? 人生初めてでいきなりジェットコースターとかバンジージャンプとかさせられた感じ?】

【子供たちかわいそう】

【イスさんで嬉しいハルちゃんにガン無視されて気絶するとかかわいそう】

【顔が……顔が、恐怖のまま……】

【ハルちゃん、もっと子供たちのこと見たげて……】

 

【あれ? でもノーネームちゃんが面倒見てたんじゃ?】

【あ、ノーネームちゃんも気絶してる】

【草】

【ええ……】

 

手すりの棒に捕まりながら固まって寝ている子供たち……と、ノーネームさん。

 

「今日は大変だったもんね、ゆっくり寝ててね」

 

【違う、そうじゃない】

【ハル様は人の心が分からぬ……】

【女神様だからね、感性が違うんだよ】

【ノーネームちゃんまで気絶するとは……】

 

【単純に魔力切れじゃ? ほら、いきなり変身していきなりぶっ放したし】

【あー】

【その前からもがんばってたもんね、今日のノーネームちゃん】

【ノーネームちゃんかわいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいいいいい】

 

 

【auto】

 

【nai-nai】

 

【system】

 

 

【草】

【ノーネームちゃん! コピーノーネームちゃんじゃないか!】

【まじでコピーしてたよノーネームちゃん……】

 

【え? ノーネームちゃんって無限に自己増殖できるの??】

【ハルちゃんを襲って自ら複製できる存在なんだ、データ上で複製なんて楽々なんだろ】

【そうだった……】

 

「……不思議なビルだなぁ」

 

僕たちの足元のはるか下から僕たちの頭のはるか上まで、とんでもない高さのビル――建造物。

 

それらはみんな、一律で天井の闇へと吸い込まれる。

 

……その見た目は、僕の知るビルとかタワマンとは違って、不規則に幾何学模様が掘ってあったり、真っ直ぐじゃなくって途中でかくっと曲がったりして建てられているっていう、独特の建築様式。

 

うん、これを見たら地球の光景じゃないってはっきり分かる。

 

そもそも窓らしきものもないし……どうやって住んでたんだろうね?

 

「けども、これ……どっかで休まないとなぁ」

 

上。

 

下。

 

どちらも遠いけども、万が一でボス部屋のモンスターさんたちが復活してきて攻めてきたら。

 

「そう考えると適当なビルの屋上かなぁ。 空中なら、最悪鳥さんに囲まれるだけだし」

 

【確かに】

【まだまだやる気まんまんのハルちゃん】

【ハル様だ、間違えるな】

【ボスは倒したから取り巻き……取り巻き?ももう出て来ないはずだが】

【あの数を無尽蔵に産み出してたんだ、常識は通用しないし】

 

【そもそもあれ、どこからどこまでが取り巻きでどいつがボスだったかすら分かんなかったしなぁ】

【もしかして:ボスモンスター、接敵前に消し飛ばした】

【草】

【ああ……あのすごいの、ダンジョンごと破壊したからねぇ……】

 

ふぃぃぃぃん。

 

操縦桿を手前に引いて――あ、あんまり斜めにしちゃうと子供たちが落っこちちゃうから、ゆっくりゆっくりと空に上がっていく。

 

「……~♪」

 

【かわいいいいいい】

【かわいいいいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいいいいい】

【こういうとこは普通にかわいいんだよね、ハルちゃん】

【ごきげんハルちゃん】

 

【だってイスさんだもん】

【懐かしいよな!】

【でもなんで、ホバークラフトに近い外側はわりとかっこいいのに、中央の運転席は……】

【なんで学校のイスなんだろうねぇ……しかも逆さにした感じの】

 

【んにゃぴ……】

【ま、まあ、美的センスは人それぞれだから……】

【そうそう、ここのビル群だってものすごく独特だし……】

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