【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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340話 地上の戦い 2

空、高く。

 

どのくらい高いのかはよく分からないけども、とりあえずで、遠くに見える雲よりは高いとこへ。

 

「ホーリー」

 

頭の上の輪っかが目の前に来て、しゅんしゅんしゅんって拡大複製されていって、真っ黒の中にぽつんと光る町を囲んでいく。

 

近い輪っかから順に金色の矢が装填されていく。

数本、十数本、数十本、百何十本、数百本。

 

増える、増える。

 

飛行系モンスターたちが全力で来ても、まだまだ時間はある。

 

だから、今のうちにそこそこの魔力を使って、盛大に。

 

ゲーム的に言えば、少しずつだけどもオートで回復していくMPをムダにしないため、次の大技までのタメとして1回ぶっ放しとく感じ。

 

「――ジャッジメント」

 

ぱぁっと金色が輝き、その密度が濃くなって、僕を頂点に地上へと伸びていく――釣られている、鐘になる。

 

そんなイメージ。

 

この前みたいには魔力を込めてないからそうじゃないけども、気分的に。

 

や、あのときはつい、僕にしては珍しくむかっとしてたからね。

 

今日は、持久戦。

慎重にやらないと。

 

【わー、きれいー】

【きれー】

【みてみてー、光の矢が全方面に向かって飛んでいくよー】

【わー】

【草】

 

【視聴者のIQが幼女になっている】

【改めて見るとやばすぎる威力だからね】

【何このMAP兵器】

【女神ハルちゃんだよ】

【ちょっとだけ成長してるからね、ちょっとだけすごいんだ】

 

【これはもはや魔法って規模じゃないんよ……】

【ハルちゃんは女神様だから】

【そうそう、固有能力ってことで】

【もうそれでいいや……】

 

「………………………………」

 

数秒。

 

10秒。

 

20秒。

 

「……あ、ようやく着弾した」

 

まだかなまだかなって見ていた僕。

 

もしかして不発だったのかもって心配して来たころになって、遠くにぽっと光の柱がそびえ立ち始める。

 

それが横へ連なっていき、まるで柵みたい。

 

【ひぇぇ】

【暗いからよく見えて怖い】

【こわいよー】

【魔力をセーブしてこれだからな……】

 

【とんでもなく遠い場所へとんでもない速度で飛んでいって、とんでもない数のモンスターたちをとんでもない威力で吹き飛ばすハルちゃん】

 

【あのちっちゃな光の下で、無数のモンスターたちが……】

【浄化されてるのか……】

【何それ素敵】

【ちょっと体験してみたい】

【草】

 

【気を確かにしろ、ハルちゃんに消し炭にされるんだぞ】

【何それ素敵】

【やっぱりちょっと体験してみたい】

【一生に一度の贅沢だもんな!】

【草】

【えぇ……】

 

「……んー、全然減ってるようには見えないかなぁ」

 

索敵スキル的には、1ドット削れたけどもすぐに修復されるレベルで大した効果はなかった様子。

 

「ま、2割削ればどうにかなるってことだったし。 どうにかなるって、どうやってどうにかなるのかさっぱりだけど……ノーネームさんは無口だからなぁ」

 

ひらりと羽を動かし、ふわふわと風に乗りながら町へと降りて行く。

 

こういう、飛んでる感覚って素敵。

夢とかで自由に飛んでた、あの感じなんだもん。

 

【ハルちゃんのホーリージャッジメントでもろくに削れないなんて……】

【まぁできるんだったら、ノーネームちゃんがとっくに「2人で狩りに行こ」って言ってただろうし】

【確かに】

 

【ていうかハルちゃん、どこまで飛んだの……?】

【さぁ……】

【さらっと飛んでたけど、普通に雲を越えるレベルって……】

【か、風とか強くなかったみたいだし……?】

【羽が生えてるんだ、飛べるんだろ  そういうことにして】

【草】

 

 

 

 

「ノーネームさん、どのくらいやれました?」

 

「いちぱーせんと」

「みまん」

 

「……それなりにがんばったのになぁ」

 

降りてきて戦果を聞いたけども、どうやら全然らしい。

 

まぁそうだよね、あの程度でさくっとできるならノーネームさんがここまで用意しないもんね。

 

【あれで1%未満って】

【もしかして:この星、完全制圧】

【逆にそうじゃなかったら発狂するレベル】

【最低でも数万は行ってそうな数をなぎ払ってそれだからな……】

【ほんと、その数が片手間とかだったらもうどうしようもないし】

 

「――くる」

「え?」

 

「――――――――――GAAAAAA――!」

 

『かり』

『かり!』

 

急に響いてきたモンスターたちの威嚇の声に、元気よく反応する子供たち。

 

「え、でも、なんで……だってまだ飛行系だってあんなに遠く」

 

「ちか」

「地下……あ、ダンジョン」

 

地面。

 

多分数キロ先のそこには小山があって、もぞもぞと動いている黒い影。

 

「……あー、空に居たから気づけなかったんですね」

 

調子に乗って雲の高さまで上がって、真横と地上を意識してたからか、肝心の索敵スキルを地下にまでしっかり通しておくのを怠っていたらしい。

 

【ダンジョンから!?】

【あー】

【なるほど、ハルちゃんたちが地上に出て来たから】

【つられて出てきたのか……】

 

【もしかして:この世界のモンスター、索敵スキルやばい】

【やばいもなにも、ハルちゃんに匹敵するレベルだぞ】

【何しろ、惑星全土ってレベルで来てるらしいからなぁ】

【これ……やっぱ地球に来たら……】

【人類の逃げ場、ないよねぇ……】

 

【実際それで、この星の人たちは、もう……】

【ハルちゃんがんばえー】

【がんばえー  マジでがんばって……】

【ハルちゃんたちでムリなら諦めもつくけど、でもやっぱ勝ってほしいよな】

【ハルちゃんが負けるとこなんて見たくない】

 

【大丈夫だ、ハルちゃんを信じろ】

【そうだぞ、この前の戦いを見直せ】

【ハルちゃんのぶち切れジャッジメント見たら元気出てきた】

【草】

【ああうん、あれ見ればなんとでもなる気がするよね……】

 

【不安になってきたからもっかい見てくる】

【あれ見ると安心できるんだよな!】

【視聴者たちの情緒はぼろぼろ】

【何回も壊されて直されたからね、調教済みなんだ】

【草】

 

【タワーディフェンス  すべてはハルちゃんたちの持久力と、あいかわらず秘密主義なノーネームちゃんの秘策か……】

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