【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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341話 地上の戦い 3

【5324】

 

 

『ごーさんにー……!?』

『のうむ!?』

『ないない? ないないない!?』

『かり! かりめっ!?』

 

【草】

【子供たちが混乱している】

【あ、普通に千の位も分かるのねこの子たち】

【その程度の教育はあったのか……】

 

【というか……そんなに?】

【あのダンジョン、広かったからなぁ】

【五千匹がダンジョンからあふれてくるとか何その地獄】

【しかもはるか遠く、全方位からは飛行系モンスターに、恐らくは地上戦力も向かってきてるんだぜ?】

【ひぇぇ】

 

【五千匹……ハルちゃんがぶっ放したあのフロアの大群を見たら、むしろ少ないって感じるレベルだけどな】

 

【さすがにまだ湧きが戻ってないんじゃ?】

【あー】

【ハルちゃん、根こそぎ「じゅ」ってやっちゃったからね】

【ぶち切れてたもん、しょうがないよ】

【上のフロアまで貫通してたし、あそこからモンスターが落ちれば自動狩り装置の完成だしな!】

【草】

 

僕が降り立ったダンジョン。

 

そこはやっぱり地下にあって――あるいは地上だったけども、多分、この町と同じように、降り積もったのの下になっていたもの。

 

それは小さい山になっている入り口を抱えていて、ゆっくりとしたペースではあっても勢いよく走って出てくるモンスターたちで、あっという間に波になる。

 

「ノーネームさん」

「ん」

 

ふぃぃぃん。

 

イスさんが、ふわりと浮く。

 

ノーネームさんは、僕の意図を汲み取ってくれる。

テレパシーとかはないけども、なんとなく分かるんだ。

 

「君たちは、あのモンスターたちをお願い。 このイスさんなら、適度な近さから攻撃できるし、さっと逃げることもできるよね」

「うんてん」

 

「ノーネームちゃん、任せましたよ」

「ふんす」

 

『かり!』

『かり!』

 

「うん、狩りだよ。 がんばってね」

 

僕が再び羽を使って体を浮かせると、ノーネームさんがするりとダンジョンの方へとイスさんを運転していく。

 

『あるて~』

『ある……』

『ないない!』

『かり! かり!』

 

「いやー、ノーネームさんが居て楽だなぁ」

 

子供たちの相手は楽しいけども、疲れる。

こういうときに世話してくれる人が居ると楽だよね。

 

あと、ノーネームさんならなんとか守ってくれるって安心感もあるし。

 

【草】

【悲報・ノーネームちゃん、こき使われる】

【ま、まあ、ノーネームちゃんはそれでも喜んでるっぽいから……】

【大好き過ぎるハルちゃんに命令されるんだ、むしろ嬉しいよな!】

 

 

【嬉】

 

【照】

 

 

【かわいい】

【かわいい】

【かわいい  あれ?】

【さすがにもうないないできないか】

【だからと言ってセクハラするなよ? 怒られるぞ?】

【怒ってるノーネームちゃんもそれはそれでかわいいいいいいいいいいいいい】

 

 

【怒】

 

【怒】

 

【モレル】

 

 

【草】

【ごめんねノーネームちゃん、そいつ適当にこき使って良いから】

【漏れる……何が漏れるんだ……?】

【言うなよ? 絶対だぞ?】

 

【もしかして:るるちゃんたちがないない途中ではみ出しちゃったのって】

【えぇ……】

【俺たちのせいだった……?】

【でも、そのおかげでえぐいけど貴重な情報入手できたし……】

【なら、もっと漏れるようにしてあげたららららら】

【かわいいいいいいいいいいいいい】

 

 

【怒】

 

 

【ごめんね……人間が馬鹿な存在でごめんね……】

【草】

【ノーネームちゃんも異世界の神様だとしたら、こんだけしてても怒る程度ってやっぱ優しいよね……】

【ああ、うちの世界の神話とか見てるとなぁ……】

【優しい女神様だからね!】

 

 

「………………………………」

 

運転しながらぴこぴこと楽しそうなひとりごとをつぶやいてるノーネームさんを見送った僕は、町を見下ろす。

 

きれいな円形の町は、外側がびっしりと高いビルで覆われていて、その内側に低いものとか広場とかが点在している感じの造りだ。

 

「この光……よく見ると、町全体を電子回路みたいに動いてるんだね」

 

【電子回路?】

【あ、確かに】

【暗くてよく分からん】

【でも、ちかちか光るのが綺麗】

【町の中、流れるように、無数の光が行き交ってるもんな】

 

電子回路。

暗闇の中、真上から見下ろしたときにとっさに出るのはその言葉。

 

そうだ、町の大きさではあるけども、多分この町はなんらかの技術で町全体が何かしらの動きを手伝っている。

 

それが何なのかは分からないけども、なんとなくそう思うんだ。

 

その中央に石碑が刺さってる感じなのが、またそれっぽいよね。

ほら、パソコンのCPU的な感じ?

 

「あ、着いたんだ」

 

ダンジョンの近くで、魔法の光がぱちぱちと飛び始める。

 

結構飛ばしたね、ノーネームさん。

 

多分子供たちが喜ぶからなんだろうけども。

子供ってジェットコースターとか好きだから。

 

「あの子たちは大丈夫。 5人でローテして魔力と体力を上手に使えるようになってるし、武器も相当置いてあるし、そう訓練したんだ。 休憩挟みながらなら、何時間でも平気なはずだし、いざとなったらノーネームさんも居る」

 

ノーネームさんが、ついている。

 

それほど安心できることはない。

 

【ノーネームちゃんの安心感】

【え、でも、この前子供たち抑えられなかったんじゃ?】

【あっ】

【草】

【ハ、ハルちゃんが信頼してるから……】

 

【さすがにイスさんの安全性もあるから大丈夫だろ……多分】

【イスさん!】

【魔王の自爆からハルちゃんたちを守り切った定評のあるイスさんだもんな!】

【あのときのイスさんはかっこいい流線形だったのに、今はどうして……】

【軍用ホバークラフト(空中用)って感じだから……】

 

「なら、僕は」

 

あれからほんの数分でさらに狭まってきた軍勢へは、もはや上空からでなくても充分に攻撃が届く範囲。

 

「魔力、半分くらい……かな。 使ってでも、あの子たちがダンジョンからのを倒すまで、この町に近づけないようにしないと」

 

範囲攻撃、かつ超長射程のホーリージャッジメント。

 

この前のダンジョンの中よりも魔力をごっそりと使わなきゃならないんだ、今度はしっかり残量を計算して、僕自身の限界を把握しながら使わないと。

 

「大丈夫。 ノーネームさんが、やってくれてるんだもん。 大丈夫な見込みがあるから、こうしているんだ」

 

今、この町を――いや。

この世界で残された遺産を守り切れるのは、僕たちだけ。

 

どうしてだか分からないけども、やけに懐かしくって愛おしい町。

 

守らないと、ね。

 

【ハルちゃん……】

【最近ハルちゃんの表情、ちょっと分かるようになってきた】

【俺も】

【ノーネームちゃんよりずっと分かりやすいもんね】

【ノーネームちゃんは完全無表情が良くって、ハルちゃんは落ち着いた感じが良いんだ……】

【分かる】

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