【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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355話 大部隊

どん。

 

どんっ。

 

だぁんっ。

 

――どぉぉん。

 

実に色とりどり、形もさまざま、サイズもよりどりみどりな戦車……っぽいのも多いけども……が、町の外周部に並んでいる。

 

「持ってる弾にも燃料にも限界あるだろうし、今は温存してもらわないとね」

 

と言いつつも、長期戦となれば省エネにしたい僕たちは作戦を切り替えている。

 

どうやらノーネームさんが連れてくる人たちは、同じ時間帯には同じような戦力で固まっているらしい。

 

で、今はまた民間人がメインになっている。

 

「よし、じゃあ手分けして行きますよ」

 

「てわけ」

『わけ!』

『あるあ……♥』

 

謎の黒い空間からにょるんと出てくる大きな影はモンスター、その下の小さいのはだいたい人間。

 

……耳が尖ってるのとか背が異常に低いのとか羽が生えてるのとかツノが生えてるのとかあるけども、ひっくるめて人間で良いよね、見た目は人間の範疇だし、モンスターに襲われてるし。

 

まずはノーネームさんと僕が飛んで急接近して、いちばん危なさそうな人たちを――両手でつかめるくらいだから最大で4人くらいゲット。

 

きゅるんと引き返し、近くまで来てたイスさんの上にぽいってその人たちを乗せる。

 

その繰り返しをすれば、10回くらいでその集団の人間たちは救助完了だ。

 

「そうしたら……ノーネームさん」

 

 

【Fire】

 

 

ぴこん。

 

ノーネームさんの上空に……すっごくでっかく文字が表示。

 

――どおん。

 

「GYAAAAA――――――!!」

 

「うん、やっぱり1キロくらいの場所ならだいたい当たるみたいだね」

「あたる」

 

なんとなくでコミュニケーションを取った僕たちは、合図をするたびに距離と規模に応じた支援射撃をしてもらえるようになっている。

 

遠いと結構外れるけども、今みたいに近ければほぼ確実に残りを始末してもらえるみたいで楽だね。

 

「ん、4体残りましたね」

 

「はんぶん」

「じゃ、そうしましょう」

 

きりきり……しゅんっ。

 

今は弓の気分だから、ちょうど凝ってた肩をほぐすように弓を引き込んで、綺麗に飛んでいく矢を眺める。

 

ノーネームさんからも2本の魔法の矢が飛んでいき、それでここはクリアだ。

 

「ふぅ。 ずいぶん楽になったなぁ……できたらこの作業もお願いしたいとこだけど」

 

まぁ無理だよね。

 

「あと何組ですか?」

 

「たくさん」

「ですよね」

 

ノーネームさんの「たくさん」は、多分100以上のこと。

 

「……考えないどこっと……ぷはっ」

 

こんな疲れること、飲まなきゃやってられない。

 

こういうときこそきちゃない袋さんの中に温存しておいたお酒の出番だ。

 

【草】

【やってることはすごいのに】

【ハルちゃんの原動力はおしゃけだから……】

 

【見入っててコメントできなかったんだけど……すごくない?】

【すごいも何も、女神といろんな異世界と地球の現代兵器が一堂に会しての大作戦だぞ】

【しかも、言葉通じてないのが大半って言うね……】

 

【ノーネームちゃんが、大半は読めないとしてもぴこんって合図出せるのがこれ以上なくでかすぎる】

【司令塔にはぴったりだね!】

 

【あの……戦車マニアの方々や各国の軍事専門家たちがハッスルしっぱなしなんですけど】

 

【草】

【しょうがない、見て見ぬ振りしてやれ……】

【11年前に喪ったはずの戦車たちが無事だし、それ以上にどう考えても造形からして異世界産の戦車が勢ぞろいだからな!】

 

【勢ぞろい(画面のすみっこで見きれるレベルの大部隊】

【最低でも1000両は確認されてるからな】

【まぁ弾薬尽きたり壊れてる車両もそれなりにあるっぽいけど】

【車両(浮いてるのも確認済み】

 

【豆戦車……なのに砲弾はなんかおかしい威力なのとか、どう見ても5階建てビルくらいのサイズの戦車とかあるよね……】

 

【豆戦車の豆砲塔からなんであんな威力の弾が発射できるのかとか、地面にめり込むサイズの戦車がどんな原理で動けてるのかとかでめっちゃ長文が流れすぎててコメントの流れが追いづらい】

 

【それどころか、明らかに物理じゃなく魔法の弾を発射してるっぽいのもあって、これまた発狂の原因になってる】

 

【しゃあない、彼らにとってはまさに世紀の大発見だからな】

【そうだな、俺たちがエルフっ子とかケモっ子とかホビットロリ見て興奮しっぱなしなのと同じだもんな!】

【大丈夫、異種族の美形男子見つけた女性陣もだいたい同じ反応だから】

【草】

 

【地球人ってばかばっか】

【今さら気が付いたのか?】

【草】

【一切否定できない……】

 

――きぃぃぃん。

 

「戦闘機の人たちは……どうしよう。 いざとなったら胴体着陸とかパラシュートで人は助かるだろうけど、飛行機がもったいないし……」

 

上空を旋回している飛行機たちを仰ぐ。

 

木でできた羽が上下についてるやつとかタイヤのとこがなんかかわいい形になってるのとかから、いわゆるジェット機からカクカクしたデザインのものからあいかわらずに統一性のない飛行機たち。

 

なんかでっかい筒を下にくっつけてるのもあるけども……あれ、爆弾かなぁ。

 

「ちっちゃいのは小さい滑走路でもあればなんとか着陸できそうなのになぁ……ノーネームさん、何かないです?」

 

【飛行機マニアたちも軍事評論家の人たちも絶賛発狂中】

【ちょっとー、そういうのは配信の配信とか別の場所でやれってー】

【しょうがない、明らかにレトロなやつから未来的なのまで揃ってるからな】

【しかもぐるぐる旋回してるからどの角度も見えるって、これまた発狂するしかない材料だし】

 

【ほんとにこれだけの人たちを、ハルちゃんたちは……】

【ノーネームちゃんのないない  まさか、地球どころか】

【いろんな異世界の、本来なら食べられちゃうはずだった人たちを】

【ああ……】

 

――――――ずぅん。

 

「……うわ、今度はでっかいのが来たなぁ……偶然?」

 

空を飛んでるのに地面が揺れるような感覚と轟音に振り向くと、

 

【空母ぉ!?】

【草】

【もうなんでもありで草】

【空母が……空母が、地面の上に……】

【えぇ……】

【サイズ感が違いすぎる】

【なぁんでぇ……?】

 

「ついでで、あれはドラゴン……や、水龍ってやつか。 あんなの初めて見たなぁ」

 

ちょっと地面に傾いて埋まるようにして出現した航空母艦――あっちこっちが燃えてる――の近くには、びったんびったんのたうち回るように暴れている、細長くてうねうねしているドラゴンっぽいの。

 

「でも、水がなければただのでっかいヘビ。 ……ノーネームさん」

「ん」

 

 

【Fire】

 

 

――――どぉん。

 

でっかい戦車から、大気を震わせる砲弾が放たれ、えみさんみたいなうねり方してたドラゴンさんは飛び散った。

 

「あー、楽でいいなぁ……ごきゅっ」

 

【草】

【初めて見る大型モンスターを一撃で倒してお酒かっ食らってるハルちゃんで草】

【女神様だからね、人間とは感覚が違うんだよ】

【大丈夫、みんな知ってるから】

【ハルちゃん、まるで疲れた社畜みたいな感じで観戦してるけど、これ、多分ものすごい戦いなのよ……?】





いつもお読みくださりありがとうございます。

お知らせです、ハルちゃんの書籍化作業のため、恐れ入りますが次回の更新は16日金曜日となります。
書き下ろしの短編がそこそこあります。ぜひお待ちくださいませ。
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