【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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362話 最後の戦い

【朗報? 悲報? ノーネームちゃんの私欲ないない、ハルちゃんの配信だけで1000人規模の模様】

 

【大被害で草】

【一瞬で1000人が消えるとかホラー過ぎない?】

【異世界の女神様のいたずらだからね】

【これが……これが、異世界転移……!】

【草】

【いや、間違ってないけどなんか違わない??】

 

【配信の配信とか海外含めるととんでもないことになってそう】

【な、ないないされた人たちは満足してるから……】

【これだけ注意され続けて書き込んだんだから、もう止めても無駄だし……】

【残された家族のことを考えろ!! 泣くに泣けないんだからな!!】

【ぶわっ】

 

【まさかノーネームちゃんが噛むなんて思わなかったからね、しょうがないね】

 

【予想外過ぎたからね】

【かわいい子の見せる、意外な一面  それもインパクト特大で】

【まさかあんなに真っ赤になってかわいいいいいいいい】

【草】

【あーあ】

 

「………………………………」

「………………………………」

 

ノーネームさんも、噛む。

 

割と衝撃的な事実だ。

 

だけども気まずかったから気がつかなかったフリしてるけども、なんかやたら高速でぴこぴこしてるし……思ってることが出ちゃうタイプなのかな。

 

けど……あー、なるほど。

 

普段からぽそりぽそりとしかしゃべらないの、もしかしたら発音が難しいからなのかもね。

 

それこそ、この子供たちみたいに……こんだけ長く一緒に居て、毎日ずっと僕が言うのをオウム返ししてるのに、やっぱりほとんどしゃべれてないし。

 

いくら外国語でも、毎日コミュニケーションし続けてたら――特に子供なんだ、普通なら今ごろはそこそこ話せてるはずだもん。

 

それができないってことは、多分発音自体が相当に難しい。

 

ノーネームさんもここ出身みたいだし、似たようなものなんだろうね。

 

僕の言ってることも、もしかしたら1割も分かってないのかも。

なんとなく、雰囲気で察してるだけなのかもね。

 

まぁ僕もおんなじ感じだし、それ言ったら子供たちだって同じだし……言葉は通じなくても、特に苦労はしないもんね。

 

「………………………………で、問題は」

 

そんなノーネームさんのことも、顔を上げるとすぐに記憶の彼方へ。

 

だって、索敵スキルなんて必要ない範囲に――魔王軍が来てるんだもん。

 

ちょっとほっこりしたけども、すぐに戻ってくる緊張感。

 

空一面の、ドラゴンさんたち。

 

ちょっとノーネームさんの顔に注意が逸れてるあいだに、まーたバカみたいな数が増えてるし。

 

「……町の反対側もぐるりと……これ、無理じゃないです? 犠牲出さないで切り抜けるの」

 

なるべくなら人が死ぬのは見たくないんだけどなぁ……けどこれ、生存競争だもんなぁ……やだなぁ……。

 

【ひぇっ】

【じょばばばば】

【なぁにこれぇ……なぁにこれぇ……】

【魔王軍本隊の到着だよ?】

【ノーネームちゃんの噛み噛みで癒やされてたのに……】

【この落差よ】

 

【あの、ドラゴンたち、どう見てもサイズが】

【あの炭火焼きと同格……】

【単純なレベルとかだと、それ以上もあり得そうだぞ】

【マジかぁ】

 

【ノーネームちゃんたちの過去?映像で出て来てた規模のやつ?】

【あれよりは相当少ないかな……今のところ】

【あれはもう、宇宙空間を覆い尽くさんばかりのわらわらっぷりだったからねぇ】

【今は「まだ」町の上空を覆ってるだけだからね……】

【じょばばばば】

【ハルちゃんが見渡した範囲だと、万行ってるかどうかか】

 

【それより地上がやばくね?】

【どっちもやばいよ?】

【もうおしまいだ……】

【ハルちゃんなら……きっとハルちゃんなら、なんとか……】

 

「……これ、助ける人は」

 

「ふよう」

「え?」

 

「「「「――わぁぁぁぁぁーっ!!」」」」

 

その声に振りかえると、町に居た人たち――その中でも武器を装備して、明らかに身体能力がダンジョン潜りだってわかる人たちが、何重もの陣形を組みながら走り出してきていて――地上にもわらわらと出てきている魔王軍へ突撃。

 

――どぉん。

 

どどどどどぉん。

 

それに合わせ、また綺麗な花火が空中で炸裂してドラゴンたちをひるませ。

 

――――――どおん。

 

お船たちと戦車たちがいっせいに砲撃を始め、一瞬で世界はけたたましさに包まれる。

 

よく見ると、ダンジョン潜りたちの隙間には……機械化歩兵?

 

ごっつい装備の軍人さんたち、そしてかれらに丸腰で肩車されたりしているのは……杖とか持ってるし、魔法職の人なんだろう。

 

あ、なんかSF映画とかアニメみたいに出てくるような、まさに作業用にぴったりって感じの教科外骨格――つまりはロボットに乗った人たちまで居るし。

 

なにあれ、ちょっと乗ってみたい。

 

フォークリフトとか軽トラとかっていう、機能に特化しただけの機械ってかっこいいんだよね。

 

後で頼んでみよっと。

 

『アル――、――――――!』

『ノーム――、――――!!』

 

さらにはひらひらと飛んでくる、なんかもういろいろな種類の人たち。

 

中には羽とか生えてないからどうやって飛んでるのか分からないのも居るけども……まぁ世界も広いんだ、飛行魔法で長時間飛んでいられるのも多いんだろうってことで。

 

〔〈『「……みなさん」』〉〕

 

ぽつりと言っただけなのに、なぜかすんごい音量で拡散――あ、これ、町の中にある拡声器か何かで増幅されてる?

 

しかも重なるようにしていろんなイントネーションとか言語とかになってるし。

 

……ノーネームさん。

 

そういうことできるなら、初めから言ってよ……もう遅いけどさぁ。

 

ほんと、いつもめんどくさがりなんだから。

 

「これが――最後です」

 

しん。

 

すんごい数のドラゴンたちも堕ちて、陸上モンスターたちも大量の結晶に凸凹になった地形のおかげで足踏み状態。

 

砲撃も何もかも止んで――しんと静まりかえっている、世界。

 

凪。

 

その中で、1滴の雫を垂らす。

 

それは、とっても小さい波紋をぴちゃりと奏でるも――波ひとつ無い海の中へ、拡散していく。

 

「モンスターたちを、倒しましょう。 1匹でも多く。 人を、助けましょう。 1人でも多く、少ないケガで。 1つでも、多くの命を」

 

「ん」

 

きゅっ。

 

ノーネームさんが、手を握ってくる。

彼女の翼がばさりと広がり、魔法を展開し出す。

 

「――大きなのは僕たちがやります。 けど、それじゃ間に合わない」

 

僕の輪っかが――ノーネームさんのそれと一緒に飛んでいって、町の遙か上空へ。

 

「だから、残りの小さいのは、みなさんにお願いします。 助けた恩を、とかそういうのじゃないんです」

 

しゅいん――しゅいん――――しゅいんっ。

 

町の上空で、輪っかが次々と現れ――普段とは違い、天に向かって広く大きく拡大していく。

 

「人だから。 ううん、生命、だから。 だから、生きるために――一緒に戦える相手と並んで、守り切りましょう。 もちろん、ここに居るみんな――全員で」

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