【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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4章 実感のない有名な僕と、お忍びリリさんと
39話 お引っ越しって楽しいよね


「なるほど、ここが新しい家……」

 

家。

 

僕にとっては、生まれてから就職するまでずっと居た実家と、社会人になってからひとり暮らししてたアパートだけが家だった。

 

けども、今日からは。

 

「候補の中から、ハルさんのご希望に沿うものを選んだつもりですが……」

 

「なかなかいいと思います。 特に家賃がタダってのが」

 

うん、これが最大のポイントだね。

 

実家の次にいいところだ。

実家は母さんがうるさいから、実質ダントツトップだね。

 

「あ、あはは……ハルちゃん、人気者になっちゃったからねー……」

 

「るるさんのせいですね」

 

「そうだね! ……じゃないよ! そうだけど!」

「元気ですね、るるさん」

 

今日の僕たちは、とある高層マンションに来ている。

 

タワマン。

タワーマンション。

 

雲の上の存在っていうよりも、そもそも物理的にもお値段的にも高いところに住むのはめんどいって理由で住みたいとすら思ったことないし、ましてや僕がこの歳で住むことになるとは思ってなかった。

 

そんな、駅前の高いビルの20階のお部屋。

 

うーん……綺麗すぎて落ち着かない気がする……。

 

あの、ボロいけど広いアパートが気に入ってたんだけどなぁ。

 

なにしろ、最初のころはそこそこ居た住人も最後は僕くらいだったから、とっても静かだったんだ。

 

「後日、上司から改めて……とのことですが、ハルさんは今、要保護対象になっていますから、警備のしやすさも兼ねています」

 

「はぁ、たしか外国の人が攫いに来るんでしたっけ?」

「はい……ハルさんの持つ情報が、その。 あまりにも大きすぎまして……」

 

ポニーテールのまぶしい九島さんが、申し訳なさそうに言う。

 

「よくわかりませんけどタダで1室貸してくれるならなんでもいいですよ。 タダほど高いものはないんです」

 

「ハ、ハルちゃーん……ちょっとは悩もうよう……」

「節約は大切ですよ?」

 

そうだよ?

 

家賃とか、いちばんの支出なんだよ?

 

なんでもあの配信の最中、僕がるるさんとかに話してあげたいろいろ。

そのうちの何かが……こう、なんかこう、すごいものだったんだって。

 

説明されてもよくわかんなかったのは、僕の頭がめんどくさいのを放棄してるのか、それとも頭のいい人の説明は通り抜けやすいのか。

 

……それとも、脳の処理能力が幼女に近づいているのか。

 

なんてね。

 

今のところそんな気配はないけど、ちょっと言ってみたかっただけ。

 

「ハルちゃんってすごいねぇ」

 

「配信で完全に思考放棄していたるるが言うと、説得力があるわね」

「もー! えみちゃんのいじわるー!」

 

「冗談よ。 あの配信で、るるのファンも増えたでしょう?」

 

「どーせ私が不幸しなかったのと、ハルちゃんと一緒だからって理由ですよー……」

「そうむくれないの。 コラボなんてそういうものよ」

 

るるさんが……勝手に備え付けのベッドにダイブして、うだうだしてる。

 

いや、別にいいけどさぁ……君、僕のこと男だって……意識してないよね、そうだよね……。

 

「でもこれからは私たち、ご近所さん!」

「ホテルに泊まってたときと変わりませんね」

 

「やったねハルちゃん!」

「そうですね」

 

とりあえずなに言っても同じ反応だし、適当に相手しとこ。

 

「そっけないようでも、かと言って突き放すわけでもなく……断ることもあっても基本的にはるるには甘く、読書中に髪の毛をいじらせる優しい幼女……」

 

「ヘンタイさん」

 

「わんっ!」

 

「気をつけないとほんと、どっかで漏らしますよ? それ」

「大丈夫です! 気を張っているときには絶対にならないはずです!」

 

「えみちゃん……」

「えみさん、次回のカウンセリングも来てくださいね」

 

「ええ。 なにを話したのかよく覚えていませんが、なんとなく心地よかったのは覚えていますから!」

 

……それ、大丈夫なの……?

 

それ本当にカウンセリング?

洗脳とかって言わない?

 

ほら、ロリコンって社会的には滅殺すべきって論調だし……?

 

僕からの評価が初日からヘンタイさん、だけども一般的には美人系で女の子にモテるタイプな子って印象のえみさんは、今日も元気。

 

……僕のなにが、この子のロリコン魂に火を付けちゃったんだろうね……。

 

僕のせいかなぁ……いや、聞き出した限り、元から小さな女の子が好きだったみたいだし、やっぱり最後のひと押しだったんだろうし。

 

それでも、ちょっぴりは責任感がある。

 

ま、まあ、適度にヘンタイ成分を吐き出させてあげればいいよね。

幸いにして、本気でいかがわしいことしてくるわけでもないしさ。

 

……ちょっと残念。

 

「ハルちゃん?」

 

「何か?」

 

「……………………………………」

「それよりるるさん」

 

るるさんの変な感じは、今でもときどき感じる。

 

例えば今みたいなときに。

 

……この子も僕みたいにダンジョンの何かで変なことになってるんだ、さらになにか、自覚してないものとかあったりするかもね。

 

 

 

 

「しかし、よかったのですか?」

 

「踏んであげてないことがですか?」

「ええ、非常に悩ましいのですが、1回でも幼女のおみ足でふみふみされるという極楽を味わってしまうと……!」

 

おお、早口。

 

「えみちゃん……」

 

「……ではなくて! 引っ越し! 引っ越しをこちらの業者に任せてしまってということです!」

 

「あ、そういうことですか」

 

そういえばそうだった。

僕のお引っ越し、こっちに来てから全部任せっきりなんだよね。

 

「楽でいいじゃないですか」

 

「いえ、誰だって他人に見られたくないものなどはあるでしょう? ホテルへ来てもらうときにも、身の回りのものしか……」

 

「見られたくないの、あるんですか? えみさんにも?」

「ええ」

 

「たとえば?」

「気が付けばクローゼットを埋め尽くすようになっていた、着られもしない女児用の服などでしょうか」

 

「うわぁ……」

「えみちゃん……」

 

「……あっ」

 

あーあ。

 

「……こちらで処分しましょうか……さすがにそれは……」

 

「これはドール趣味と同じなの! いいでしょう!? 眺めて楽しむだけなんだから!」

 

ぽこぽこ出てくる、えみさんの余罪。

 

……これ、男女逆だったらほんとにやばいよね。

 

女の子で生まれてよかったね。

合法的に僕みたいなのとはぐはぐできるし。

 

「はぐはぐします?」

「わんっ!」

 

「ハルさん。 あまり刺激すると危険ですよ」

 

「? えみさんは同意もない相手を性的に襲う人なんですか?」

 

「いえ、それは絶対にありません!」

「らしいですからいいです。 男相手でもありませんし」

 

正直、僕的にはえみさんっていう大変に素晴らしい2つといい匂いを堪能できる相手からは、もっともっとはぐはぐしてもらいたいところ。

 

でもえみさんの将来が心配なのと、九島さんが委員長っぽく叱ってくるのと、なによりもるるさんが

 

「……女の子のえっちな本とか、ないんだ」

 

「女の子がそんなこと言っちゃ」

 

「ないんだ?」

「あ、はい。 なんならるるさんもお引っ越しのお手伝いしてきます?」

 

怖いからね。

 

ほんとこの子どうしちゃったんだろうね。

思春期だからかな?

 

「……通常の男性は、健康的ならば……」

「やはり少女になる前からなにかが……」

 

「今度えみさんの付き添いという形で、メンタルクリニックへ……」

「ええ……ハルさんも診てもらった方が……」

 

「………………………………」

 

聞こえてる聞こえてる。

 

こっそり話してるけど聞こえてるよえみさんと九島さん……別におかしくないってば。

 

ていうかほんと、どうしてこんな話題になるんだろうね……女の子って猥談……ああ、実は好きなんだって聞いたことあるよ……。

 

あ、ちなみに今は電子の時代だから、いかがわしい物体は本当にないよ?

 

実物はね、だって電子の方がずっと

 

「……………………………………」

 

「あ、ダンジョン関係っぽい弾薬とか武器とかには気をつけるよう言ってくださいね。 扱い方、まちがえるとどかーんなので」

 

るるさんに髪の毛をひと房手渡して、なだめながら話題転換。

 

「……どかーん?」

「はい、どかーん」

 

「ええ、こちらの手の者だから熟知はしているはずですが……ちなみにどのくらいの威力ものがあるんですか?」

 

「えっとですね。 僕が、倒れてくるドラゴンさんからるるさんを助けようとぶっ飛んだときのこと覚えてます?」

 

「!! 私のこと見てたあのときの!」

 

「別に見て――ああうん、見てたかもしれませんね」

 

嘘は言ってないからセーフ。

 

「あのとき飛んだのって、メカニックな社長さんに憧れて作った、お手製の背負い式ロケットなんですけど」

 

「背負い式ロケット」

 

「うん、背負い式ロケット。 ダンジョンの中のいろいろをまぜまぜして作ったんです。 で、あれ、上手に使うと航続距離が……とりあえずダンジョンの50階層くらいから出口まで、階段とかの空間を抜けて行けるくらいにはしてありますから……どのくらいなんでしょうね?」

 

「……50階層……?」

 

そうそう、ダンジョンのドロップ品ってさ、組み合わせるとすごいんだよ。

 

「はい。 リストバンドのって1回使うだけですっごく高いですし。 その点、手作りならほぼタダですから」

 

「こーんな感じの」って腕で形を作って見せる。

 

「ぐふっ……!」

「ハルちゃん、それかわいすぎるからダメみたい」

 

「まったく、えみさんはわがままですね」

「ぐふっ」

 

「えみさん、だめだめな女の人なんですね」

「うっ……!」

 

「……ハルさん、男性ならわかると思いますけど……そういう行動がえみさんを余計に……」

 

「?」

 

 

こんな行動?

 

「……ちほちゃん、ハルちゃんってほんとに社会人さん? 高校生……中学生だったりとか」

「戸籍上は紛れもなく成人男性ですが……」

 

今度はるるさんと九島さんがひそひそ。

 

えみさんはびくんびくんしながらうずくまってるけどどうでもいいや。

この状態のえみさんをつんつんするとおもしろいんだよね。

 

「とにかくあれ、落としたりするとすごいことになるので」

 

「……わかりました、伝えておきます」

 

「鼻血出てますよ」

「はい、助かります」

 

そういえば、えっちなのとか見たりして鼻血が出るのって、一応はほんとらしいね。

 

まぁ実際に目の前でぼたぼた垂らしてるし。

 

ただし鼻の中の血管が切れるくらいに興奮して、血圧とかが上がってる状態に限るそうな。

 

……えみさん、ほんとに僕みたいな幼女が好きなんだね……たぶん性的に。

 

「一応ここが僕の家ってことになるので、今後はあんまり来ないでくれると――」

 

「ハルちゃん」

 

「普段離れている方が、会っているときの楽しさ倍増って記事、ありましたよ」

「……ならいいや」

 

よくも悪くもべったりが大好きなるるさんっていう典型的な女の子らしい女の子だけども、僕はひとりでじっとしてたいんだ。

 

ほら、ベッドで何もしないで横たわって存在消すのとか楽しいでしょ?

僕自身が世界に溶け込む感覚、楽しくない?

 

「あ、そうだハルちゃん。 ちょっとハルちゃんについて調べてみない?」

 

「え? 僕のこと?」

 

 

この子ほんと大丈夫?

 

「るる、それじゃ伝わらないわ……ネット上での、ハルさんの盛り上がりっぷり。 その様子だと、まったく理解していないようなのが心配でして」

 

「あー、なんかすごいことになってるみたいですね」

 

「……その程度なんですね……」

「九島さんだって、あんまりスマホとか見てませんから知りませんよね?」

 

「そんな私だって知ってますよ……? 少なくともハルさんよりは」

 

「む」

 

高校生くらいなこの子たちでさえ当たり前に知ってることを僕が知らないのって、なんか、もやってする。

 

ほら、今は亡き……もとい無き、男だったプライド的な?

 

「ほらほら、解説してあげるから一緒に見ようよ!」

「……まあ、ヒマですし」

 

なーんか正直、この体がまだ別人って感じるもんだから「ネット上の僕」についてもあんまり実感ないんだよね。

 

でも配信とかで反応するときになんかずれてるっぽいってのは薄々わかってたし……見てみるか。

 

めんどくさいけども。

 

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