【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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417話 黒い女神さま

「はぁー、綺麗だったわねー、女神様」

「う、うん……」

 

「でもなー、あたしたち、どうやら他のとこと男と女逆らしいからなー」

「うん……」

 

「つまりあたしが女神様のハダカ見るのは不敬だし、かといってアレクのハダカ見せるのもまた不敬。 めんどくさいわねー」

 

「……そう思ってないでしょ、お姉ちゃん……」

「うーん、すごい存在だとは思うけどねぇ。 正直良く分かんねぇ」

 

そんな理由から、みんなと離れてお風呂に入ってるぼくたち。

 

……そういえば最初にお風呂入るときもこんな感じだったけど、他の3人が「気にしない」って言ってくれたから5人で入ってたんだっけ。

 

でも、今日のお相手は女神さま――しかもお姫さまたちの崇めてる神さまそのままだったみたいだし。

 

「ま、アレクもあたしも子供作れる年齢じゃないし、怒られやしないとは思うけど……ねぇ?」

「うん……もし怒られて、他の人たちも巻き添えとかになっちゃったら」

 

「謝っても謝りきれないもんねぇ……」

「そうだねぇ……」

 

あったかいお湯。

 

しかもなんだか気持ちいい。

 

「森では泉とかでこうしてたけど、やっぱあったかい方が良いよなぁー……」

「そうだよねぇー……」

 

あー。

 

溶ける。

 

そんな気がする。

 

「……あー、アレクの髪もそろそろ整えなきゃねぇ」

「うん……走り回ってると視界がちょっと困るかな」

 

「あたしみたいにばっさり切っちゃう?」

「うーん……できれば他の友達みたいに伸ばしたいかなぁ……」

 

「……これって、他の世界だとどんな感じなんだろうね?」

 

「えっと、女の人が髪の毛長くって、男の人は短いんでしょ? ……うーん、あんまり想像できないかも」

 

「それで、男は女みたいに柔らかい体になって子供育てて、女は男みたいにがっしりした体で狩りだろ? やっぱ想像できねぇ」

「だよねぇ」

 

「最初、あの3人もアレクみたいに伸ばしてる男かって思ったもんなぁ」

「なんだかややこしいね……」

 

もくもくと水の上を走る煙。

 

これが、温泉。

 

なんでもダンジョンの中の温泉は体力と魔力を回復させるものもあるんだとか。

 

そう、お姫様が言ってた気がする。

 

「そういやさぁ……うぉうっ!?」

 

「え、どうし――わぁっ!?」

 

【?】

 

変な声出したお姉ちゃんにびっくりして目を開けたぼくの前には――黒くて小さいほうの女神さまが。

 

【ゴメンネ】

 

「……なんだこれ」

「頭の上に絵が浮かんでるね」

 

髪型と顔こそあの女神さまと似てるけども、ぼくたちとおなじ黒髪。

黒い羽もついてるし、服だって黒かった。

 

「ちょっと親近感湧くよな」

「うん……あの3人も見たことない髪の毛とか目、お肌の色だったし……」

 

「あの女神様に至っては雲みたいな色の肌だしなぁ」

「目の色とかも深い水の色で……あ、この女神さまは火の色だね」

 

はだかんぼうの女神さまが、桶の中でぷかぷかと……手足を投げてこっちを見てる。

 

けどちっちゃいし、森に出される前まで持ってたようなお人形さんみたいだし、親近感あるしでそんなに緊張しない。

 

気がつけばお姉ちゃんも興味深そうにのぞき込んでるし、そんなぼくたちに対して【黒】【same】【仲間】とか、またいろんな絵を――黒一色だけど――ぴこぴこと出してる。

 

「……おもしろいな」

「おもしろいね」

 

あ、お姉ちゃんが女神さまの頭、つついた。

 

【♪】

 

「怒ってはいないみたいだな……顔とか変わんねぇけど」

「怒られそうなこと、いきなりしないでよお姉ちゃん……」

 

「けど、これ、でかい方の女神様とあんま離れない方が良いんじゃねぇか? 精霊とかってそういうもんだし」

 

がしっと桶を掴んだお姉ちゃんが、ばしゃっと立ち上がる。

 

「おーい……ってあたしが見ちゃいけないかもだったわ」

「た、多分大丈夫だよ……ダメなら一緒に入らないよ……」

 

「そうか? たしかにそっか……んじゃ、おーい女神様ー。 ちっこいのこっち来てるぞー!」

 

「そもそも言葉、通じるのかな……」

 

他の3人と一緒にお湯に浸かってたらしい女神さまが、こっちを見る。

 

――ぞくっ。

 

「……なんかくすぐったいな……」

「お姉ちゃんも……?」

 

「あー、あれだ、千里眼。 あれ関係の力持ってるんだわ、あの女神」

「あー」

 

この距離で――しかもお湯に浸かってるぼくの体なんか見えないはずなのに、まるで髪の毛の先っぽから足先までを舐めるようにされた感覚。

 

「やっぱ女神様ってすげぇん……ひゃんっ!?」

 

「お、お姉ちゃん!? って、わぁっ!?」

 

――ばしゃん。

 

お姉ちゃんが聞いたことないような声を出して――桶をぶん投げて、それがぼくの頭の上をかすめて。

 

思わずでお湯に潜って頭を抱えて。

 

……で、ゆっくりとお湯から出てみると。

 

【!?】

 

ばさばさっ。

 

黒い女神さまが大慌てで飛び上がっていく。

 

「……お姉ちゃん?」

「わり、なんかすっごくくすぐったかったんだよ……って、あ」

 

お姉ちゃんの見る先。

 

黒い女神さまが金色の女神さまに飛び乗ってる。

 

「……怒られるか?」

「ううん、怒ってないみたい」

 

「良かった……なにしろ、女神さまが気持ち良さそうにしてたの、ぶん投げちまったからなぁ」

 

「あんなに雑に桶持つから……」

「いや、だってくすぐったかったんだよ」

 

気がつけばぼくたちに手を振ってくれてる女神さま。

 

「……大丈夫っぽいから、あの黒い方もらってくるわ。 桶、水張っといてくれ」

「あ、うん」

 

ばしゃばしゃ。

 

「……あ、男と女反対なら、あたしがマタ隠した方が良いのか? ……うーん、むずい」

 

ぶつぶつ考えながら変な体制で歩いてくお姉ちゃん。

 

「………………………………」

 

ぷかぷか。

 

桶が、浮かんでる。

 

……これ、桶を渡せば良かったんじゃ?

 

それともお姉ちゃん、あの黒い方の女神さまが気に入ったのかな。

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