【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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419話 ~大聖女ルル様の1日~

「ルル様。 大聖女様」

「うーん……あと10分……」

 

「……るる、いい加減に置きなさいな」

「あと5ふぅん……」

 

「るるさん……私たちが入って来たので、カメラに映っていますけど」

 

「あといっぷ……ぅぅぅん!?」

 

がばっと起き上がってみると、目の前には呆れ顔のえみちゃんにちほちゃん。

 

いつも通りにおすまし顔の……私のお世話役のシスターさんたちに、カメラが2基!?

 

「もー! もー!! なんで映しちゃうのー!? 寝顔なのにぃー!!」

 

「部屋の入り口で何度も確かめましたよ……生返事ばかりだったから、こうでもしないと起きないだろうって」

 

あわてて顔を隠してくしくしって、せめてぼさぼさの髪の毛だけでもって。

 

【●REC】

【かわいい】

【かわいい】

【るるちゃんにはこういう顔が似合うよね】

【寝起きのぽやっとした感じがまたいいんだ】

【分かる】

 

【愚弄者は?】

【今朝は居ないな】

【良し】

 

【草】

【こわいよー】

【※この配信は監視されています】

【絶壁の民はどこにでも潜んでいるからな……】

【人間の手によってないないされる恐怖】

 

きっといつもみたいに冗談ばっか言ってる配信画面の先のみんな。

 

「……もう見られちゃったからいいや……私の配信見てくれてたみんなも、おはよぉ……」

 

はぁ、ってため息をついてパジャマのままベッドから起き、寝る前に布をかけておいた私の配信機材を取り出す。

 

【大聖女様……】

【るる様……】

【ガチの崇拝者なのか分からないからやめてね?】

【絶壁教も居るからな……】

 

【この配信怖いけど、るるちゃんが1番見てくれるからがんばる】

【大丈夫、普通に応援してる分には害はないから】

【やっぱそのパジャマかわいいね】

【パジャマっていうか、お高そうな衣装っていうか】

 

「うん……これ着てるとシワとか付けるの怖くって……」

 

薄いピンク色の服。

 

ハルちゃんが着てたみたいなのよりは縫ってる場所とか刺繍とか多いけど、やっぱりこういうのは「こっち式」。

 

「あの、やっぱり私にはこういうの」

 

「申し訳ございません、大聖女様」

「大聖女様たるルル様には、我ら下々の者のために威厳を……どうか」

 

こんな私に深々と頭を下げてくる、とっても美人な人たち。

 

なんでも「アルム教」の司祭さんとからしい。

 

翻訳魔法の都合でころころ言い方が変わるけど、言ってることはおんなじなんだ。

 

「はぁ……私、そんなすごいのじゃないんだけどなぁ……」

 

ぼーっと、寝起きの頭で考える。

 

……私、ただハルちゃんにくっついてただけなのに、どうして協会の大聖女様ってのになっちゃったんだろうって。

 

 

 

 

「大聖女様。 本日の予定です」

「ありがとぉ……わー、すっごい数の面会……」

 

起きてからカメラさんたちを反対側に向けて。

 

――両手をばんざいして、お付きの人たちにお着替えからメイクまでしてもらって。

 

立派なテーブルでえみちゃんたちと朝ごはんを食べてるあいだにも、今日のスケジュール。

 

「これ、ぜったい配信者のすることじゃないよね……ぜったい現役女子高校生のすることじゃない気がする……」

 

【草】

【それはそう】

【るるちゃん……おいたわしい……】

【まぁでもこの世界のハルちゃん教の実質トップだし】

【この世界の人たち、ハルちゃんへの崇拝度が異常だからなぁ】

 

【※滅ぼされるはずだった故郷からほぼこぼれ落ちることなく救出されて、さらに衣食住に安全を保障されてます】

 

【そら崇拝もするわな】

【なにしろ直接救われたんだからなぁ】

【でもそれはノーネームちゃんの仕業では?】

【大丈夫、この人たちからすればハルちゃんとセットだから】

【ああ、女神アルム様ってのと瓜二つなんだっけ……】

 

「面会のスケジュールは基本的にるるさん次第ですが、それでも10分単位で面会が待っていますね……」

「ハルたちに連れて来られた人たちの集団の数が多すぎますから……」

 

最近はもう、私の秘書さんみたいなことをしてくれてるえみちゃんとちほちゃん。

 

「……ダンジョン潜りさんって、なんだろね……」

 

「ほ、ほら、るる! 明日! 明日は空けてあるから!」

 

「時差はありますけどおおむね地球のカレンダー使ってますから、これでも土日は確保したんです……その代わりに平日は朝から晩まで面会だらけですが……」

 

「学校と……どっちが楽かなぁ……」

 

「受験勉強と比べたら……というレベルね」

「ダンジョン配信と受験勉強をセットにしたくらい忙しいですものね」

 

【ああ! るるちゃんの瞳からハイライトが!】

【また闇に呑まれそう】

【それはそれで……】

【すっごく興奮するかららららら】

【草】

【あーあ】

 

【ハルちゃんと一緒に旅立っても健気なノーネームちゃん】

【コピーの方でしょ?】

【多分ね】

【ハルちゃんの全配信、ミラーのミラーとかまで全部監視してるからね】

【るるちゃんへのいかがわしい感情もないないしちゃうからね】

 

【けどるるちゃん、マジでキツそう】

【かわいそう】

【ハルちゃんの追っかけしてただけなのにね……】

【大聖女様とかいう実質人間ではトップの地位に就いちゃったからねぇ】

【俺たちのるるちゃんがずいぶんと遠いところに……】

 

「……今日最初の人はぁ……?」

 

「移住前の世界では人類圏そのものだったらしい王国の王様ですね。 どうやら逃げる際にハルさん――かどうかは分かりませんが、その世界の女神様に民間人ごと転移させてもらってたとか」

 

「ええ、現在最も人口の多い方たちね。 規律の高い兵士さんたちが多いので、治安維持なども引き受けてくれています。 ……ええと、確か名前は」

 

「『ソレイユ王国』――って、どっかで聞いたことあるような……?」

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