【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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433話 【るるちゃん、ないないされる】

【警告】【警告】【警告】【警告】【警告】【警告】

 

【alert】【alert】【alert】【alert】【alert】【alert】

 

魔王軍の襲撃を毎日受けつつも、出現ポイントは――恐らくはこの世界の双神に制限されているため、無限に弾と燃料と魔力の供給される兵器軍での陣を敷いておいて、出現と同時にタコ殴りにするだけの簡単な作業。

 

毎日湧いてくるそれらを遙かに超える戦力を擁する上に、1日ごとにその戦力すらまたその双神により増強される世界の住人たちが、上空を見上げる。

 

どこに居ようとも聞こえる警告音が鳴り響き、空に大きく表示される文字。

 

文字も言語も全て統一され、意思も信仰も統一された世界の人々。

 

「アル様」

「ノーム様」

 

それを視認した人々は、次々に平伏していく。

 

数十秒程度の「軽い」儀式を終えた後――おのおのの武器を手に、厳戒態勢に入らんと、駆けていく。

 

 

 

 

【system】

 

【30時間停止】

 

【キヲツケテ】

 

ぐんっ。

 

全ての機構が、静かに停止していく。

 

「……きゃあっ!?」

 

急に足場の慣性が崩れ、たたらを踏む少女たち。

 

【!?】

【なんだ今のアナウンス】

【ミラー配信の方までいっせいにコメント欄が】

【こわいよー】

 

「るる、大丈夫!?」

「きゅ、急にエレベーターが……!」

 

いつもの「大聖女と付き人(準大聖女扱い)」としての仕事中。

 

「次は……わぁ、あのお爺さんたちの知り合いだってぇ……」と苦笑いしていたるるをなだめつつ面会の場へと移動中だった3人と、その世話役兼護衛の女性たちが――急停止した箱の中でバランスを崩す。

 

【るるちゃん大丈夫!?】

【くしまさぁんも大丈夫!?】

【えみちゃんは……うん……】

【草】

【こんなときくらい心配したげようよぉ!】

【さすがにごめんねえみちゃん】

 

「平気です……ええ、この扱いにも」

「私も、大丈夫です……状況は……?」

 

「大聖女様! お怪我は!」

 

「だ、大丈夫! どこも痛くないから!」

 

るる、えみ、ちほに1人ずつ着いている侍女達が、顔を真っ青にして安全を確かめようとするのを、慌てて遮る。

 

「あ、次の階層まで予備電源で動いて開くみたい……というか、予備電源……そうよね、こんな町だものね……」

 

「技術的にはとんでもなく進んでいますし、しかも魔王軍の襲撃を経験した世界ですから、当然備えはあるんでしょうけど……」

 

暗いものの、足元がきちんと見える程度の灯りになった中、最寄りのフロアに出たるるたち。

 

「町全体に警報……」

 

「初めてのことだから動揺するかと思ったけど、そこまでではないのね」

「どの世界の人々も、修羅場を経験していますからね……」

 

【それはそう】

【地球出身の人たちも、まだ11年前の初期の人たちが大半なんだっけ?】

【ノーネームちゃんのないない、基本順番らしいからなぁ】

【まぁ1番数が多いからなぁ、地球勢としては】

 

【※つまりいかがわしいコメントとかしてないないされた人たちは最後です】

 

【草】

【ま、まあ、絶対の神様に対してやらかした罪にしては軽すぎるから……】

【本当にな……】

【神罰が1年間の幽閉(本人的には一瞬)で、全部整ってる異世界に飛ばされるだけとか優しすぎるにもほどがあるもんな!】

【草】

 

窓際に駆け寄るも、特段に大きな戦闘は今のところない様子。

 

ただ、次々と戦闘機やドローン、有翼種の人間が飛び立っていくのは、やはりただごとではない印象を与える。

 

「わ、私たちも行かないと!」

「そうね。 大聖女のるるが心配だという人も多いでしょうし」

 

「では、先に装備を取りに行きましょう。 幸いにもここは拠点の隣のビルですし、急げば10分後には」

 

 

【ルル】

 

 

ぴこん。

 

桃色の髪の少女の前に、文字が――個人に向けてのそれが、表れる。

 

【!?】

【ノーネームちゃん!?】

【ノーネームちゃんが直接るるちゃんを!?】

 

「うん。 どうしたの、ノーネームちゃん」

 

 

【help】

 

【必要】

 

 

「分かった。 どうすればいい? ――――ん、そう」

 

「るる……?」

「るるさん……?」

 

尋ねようとしたのに、一瞬ののちには静かにうなずく彼女。

 

「……えみちゃん、ちほちゃん。 手を」

 

彼女は両手を差し出し、疑問符が浮かぶままにその手を取る彼女たち。

 

「ノーネームちゃんが呼んでるから、ちょっと行ってきます」

 

「承知致しました、ルル様」

「どうか、お気を付けて」

「皆には私どもからお伝え致します」

 

直接の神託を受けた大聖女へ深々と礼を捧げる侍女達へ、「もっと普通に接してほしいのになぁ」と苦笑いを浮かべるしかないるる。

 

【るるちゃんの脳内に、直接……?】

【チキンください】

【まぁノーネームちゃんだし】

【そのくらいできるだろ】

【大明神】

【待て、誰だ今の】

【草】

 

スマホを受け取った――るるの、特注の、大聖女としての威厳のある――平坦な体つきでも女性らしく美しく映る服を着た彼女は。

 

【えっ】

【!?】

【消えた……!?】

【マジでないないされたのか】

【ノーネームちゃんのヘルプだからな】

 

次の瞬間には、友人の2人とともに消失しており。

 

「――大聖女様。 ノーム様を、お願い致します」

 

ぽつり。

 

残された彼女たちの祈りが、壁に吸い込まれた。

 

 

◆◆◆

 

 

ないないされてきますので、次回の投稿は12/4からとなります。

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