【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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467話 ボスさんはおしゃべり

ノーネームさんは、めんどくさがり。

 

そして、なんかいろいろとできるのに、話すのが苦手。

 

だから、ちゃんと聞く。

 

「んむ」

 

「いまの、だんじょん」

「まおうぐん」

 

「ふういん」

「つよい」

 

「……あー、普段とはダンジョンの中身とか違うってことですか?」

 

「すんすん……ないない中に耳にしたところですと、どうやらダンジョンは、地球に流れてくるモンスターたちを隔離する空間とのことです」

 

「へー、そうなんですか。 ……ないない中?」

 

目の前ではノーネームさんが、僕の後ろではリリさんが。

 

特にリリさんは僕のうなじを嗅いでる途中に説明してくれるもんだから、妙にくすぐったい。

 

でも我慢我慢。

 

るるさんの真っ黒になるやつと、この子のすんすんは同じなんだ。

好きなようにさせとかないと、変なことになるんだ。

 

るるさんならまだしも、リリさんがお風呂に突撃してきたら……うん、さすがにかなり恥ずかしいもんね。

 

「現在の地球ではかなり安定していますが、かつての記録でも最初期のモンスターたちはどれも強かったのこと。 だからこそ、人口の少ないエリアやダンジョンの数の多かった中央ユーラシアは国家規模で壊滅したと……すんすん。 恐らく、地球へ進出してきた魔王軍が……すんすん……精鋭が各ダンジョンに隔離されているため……すんすん……すんすんすんすん……まずは、それらを……すんすんすんすん……」

 

「なるほど、大体分かりました」

 

「すんすん」

「すんすん」

 

「分かったので、ノーネームさんはマネしなくて良いですよ」

 

「すん……」

「や、僕たち、同じ匂いでしょ」

 

「はい!! あらゆる状態における匂いはすべて同じです! でも濃さは格別にアル様です!!」

 

「そうなんだ。 でも、その報告は要らないです」

 

「お断りします!」

「そうですか」

 

【草】

【草】

【リリちゃんがぶっ壊れてる】

【知ってる】

【リリちゃん……どうして……】

 

【クンカーさえなければ清楚系お姫様なのに……】

【クンカーじゃないリリちゃんなんてリリちゃんじゃないんだよ】

【そうだよ】

【草】

 

「ガァァァァァ……アァァァァ!?」

「ニャー……ンンンンン!?」

 

下では、僕たちを見つけて飛びかかってこようとしてるモンスターさんたちが、そのまま下に吸い込まれていっている。

 

「あ、これ、便利ですね」

「べんり」

 

「この下がボスフロアってことはそこそこの高さあるでしょうし……あ、でも、落下ダメージで倒せてなかったら、取り巻きさんたちが増えちゃうかなぁ」

「んむ」

 

んー。

 

「……行きましょっか。 とりあえずさっさとボスさん倒してダンジョンクリアしてから、るるさんたちと合流。 みなさんのチュートリアル手伝いましょう」

「んむ」

 

「すんすんすんすん……」

 

「ここは天然のトラップとして残しておけば、モンスターたんさちもいくらか減らせるでしょうし」

 

「おとく」

「すんすん!」

 

【草】

【もはや常識的なのがハルちゃんだけに……】

【まさか、ハルちゃんが常識人枠になるとは……】

【ツッコミ枠になりつつあるハルちゃん】

 

【でもツッコミ放棄してない?】

【なんかちょっと疲れた顔してる……】

【ああ、ある意味ハルちゃん特効だよね、天然のリリちゃんたちって】

【ノーネームちゃんもズレてるからね】

【ハルちゃんはどんな場面でも輝くんだよ】

 

 

 

 

『――天使族の双神。 ……成る程な、通りでこの膨大な魔力よ』

 

「あ、魔王さんだ」

 

「魔王っ!?」

「まおー」

 

全自動落下装置トラップ――からではなく、一応でちゃんと階段を使って降りた僕たち。

 

そこには――もう何回も見た顔が。

 

でっかいドラゴンさん。

 

ちなみに前回は思わずで「ごんっ」しちゃったから、なんだか気まずい気がする。

 

【トカゲ!】

【イモリ! イモリじゃないか!!】

【炭火焼きさんチーッス】

【オオトカゲ! 生きていたのか!】

 

【G並みにしぶとい魔王G! Gじゃないか!】

 

【草】

【怒濤の罵倒の嵐】

【まぁ、ハルちゃんをお嫁さろろろろろ】

【おろろろろろろろ】

【NTRは脳を破壊するんだ、やめてくれ】

【草】

 

【視聴者たちが軟弱すぎる】

【俺たちはNTRの気配だけで生きる希望を失うんだ……】

【えぇ……】

 

「……其れは、我の血族のことか」

 

「あれ? 魔王さんじゃないんですか?」

 

「魔王と名乗っていた血族が、つい最近に葬られたと聞いた」

「あー」

 

あー、ごんってやっちゃったの、ドラゴンさんたちには伝わってるのね。

 

【あれ? 急に話が聞こえるようになった】

【ほんとだ】

【もしかして:全世界共通言語ってやつ、魔王にも通じてる】

【えぇ……】

 

「魔王さんじゃないなら、この場は何とかなりません?」

 

「……即ち」

 

「はい、このままどっかに帰ってくれるとか。 それなら追いませんけど」

「らくらく」

 

はたしてダンジョンの中から帰らせる方法があるのかとかあるけども、僕が最初に魔王さんに会ったときは、魔王さんがダンジョンの中に入ってきて不思議な空間に連れ出したんだ。

 

あれができるなら、あるいは。

 

「――笑止。 この世界は、我らの所有物となる」

「そうですか」

 

「アル――ハル様! こんなやつ、炭火拭きにしましょう!」

「すみびやき」

 

「なんでも今は串焼きにするのがトレンドだそうです!!」

「じゅるり」

 

【草】

【草】

【え? リリちゃん、ほんとにないない中のできごと知ってんの?】

【あっ】

【そうだよな……? こっちに降臨した魔王を串焼きにしたの、この前だし】

 

「えー、僕、爬虫類食べるっての、あんまり興味ないんですけど……」

 

「鰻です!」

「鰻ですか」

 

「鰻はいかがですか!!」

 

「……あれって、焼き加減とソースがおいしいんだよなぁ」

「じゅるり」

 

【ああ! 全国のうなぎ屋たちが臨戦態勢に!】

【SNSで急に「今から増量サービスやるから食べにきて」ってやり出してる】

【「女神がご所望のうな重です!」だって】

【草】

【商売うまいねぇ】

 

【腹減ってきたな……】

【ちょっとうなぎ屋行くか……】

【今月は厳しいからスーパーで買ってくるか】

【お菓子の蒲焼きでもいいかな……?】

【草】

 

 

◆◆◆

 

 

来週初めはお休みする可能性があります。

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