【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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474話 みんなの決戦

「前衛のみなさんは、これまで教えたとおりにすれば大丈夫です! とにかく動いて攪乱と攻撃回避に集中してください! 攻撃受けそうになったら腕か脚で防いで!」

 

「とにかくがーっと動いてばーっと逃げんだよ! おらそこ! 疲れたらさっさと退いて他の奴に任せな! コイツはこのダンジョンのボスだけど、お前たちは別のダンジョンも攻略しねぇと町守れないんだろ!」

 

わーっ。

 

るるさんとアリスさんが率いる比較的若い人たちの比率が多いグループの前衛さんたちが突撃して、それをるるさんとアリスさんが指揮している。

 

今日戦い始めたばっかりなのに、今居る人たちはみんなすばしっこいね。

前衛職って、やっぱり身軽な人の方がなりやすいのかな。

 

僕は完全な後衛職だし、索敵で単独行動が多い斥候職も兼ねてるからよく分からないけども。

 

なんなら数時間寝転んだままで狙撃とかしてたから、のたのたしてるけど。

 

あとあと、正式にパーティー組んだことないし。

 

るるさんたちとか子供たちとしか経験ないくらいだ、僕にそういうのは期待できないんだ。

 

「………………………………」

 

けど。

 

こうして戦いをぼーっと眺めることなんて無かったから、ちょっと新鮮で楽しい。

これが、ダンジョン配信を見てる人たちの気持ちなのかな。

 

家に帰ったら……軽い本とか読むついでに観ようかな。

とりあえずでるるさんとかえみさんのからでもさ。

 

……あ、そっか。

 

僕、そろそろ帰りたくなってきたんだ。

 

そうだよね、るるさんたちと別れてから――合流してるけども、ずっとその日暮らしで放浪してたもんね。

 

その帰る先は――もちろん、るるさんたちがお隣さんになってる、あのタワマンのでっかい部屋。

 

アパートはえみさんがめきょって壊しちゃったからもうダメだ。

 

や、僕が有名になりすぎて、あんなボロだけど居心地が良かったアパートなんか住めないもんね……残念だけども。

 

実家?

 

こんな体で帰ったらどんな目に遭うか……それに、帰るって言っといてから何十日……それ以上帰ってないから、絶対怒られるし。

 

息子としては、やっぱり母親からあれこれ言われるのは嫌なんだ。

あと絶対着替えさせられるし……それはるるさんたちで充分だもん。

 

やっぱり家賃がタダでるるさんたちにおしくらまんじゅうされるニューホームで良いや。

 

「こんな素人どもに狩られて――ぐぬぅぅ!?」

 

「ハル様に楯突いたのです! その愚かさをかみしめなさい!」

 

近づいてくる彼らへ向け、弱っていながらもブレスを吐こうと口に魔力を溜めた親戚さんのあごの下からリリさんの蹴り上げ。

 

……うわ、痛そ……だから早く降参して撤退してって言ったのに……頑固なんだから。

 

ほとんど動けなくなっても悪態ばっかついてるし……無駄に話が通じるから、そのせいでいちいちリリさんがぴきってなってるし。

 

【リリちゃんが笑いながらいたぶってる……】

【まぁ、初心者の域を出ない町の人たちに1撃でも行ったらやばいし】

【こわいよー】

【るるちゃんといいリリちゃんといい、ハルちゃんラブな子は闇に染まるのか……】

【全肯定+崇拝だもんなぁ】

 

「――はい、今です! 第1陣、魔法と弓で攻撃してください」

 

「わたし――あの飛び回っている銀髪の女の人……と、前衛の人たちに当てない軌道で魔法を。 大丈夫です、落ちついて狙ってください。 速さと威力よりも正確性……ですっ」

 

ぱひゅっ、ぱひゅっ。

しゅんっ。

 

色とりどりの魔法――初級魔法だからみんなちっちゃくてふわふわしててかわいいね――が、ビビさんとリリさん姉妹率いる後衛組から飛び始める。

 

親戚さんの足元をちょろちょろしてる前衛組、その後ろで盾とか構えたりしつつ待機してる中衛組――その後ろから大きな放物線を描きながら魔法と矢が飛んでいく。

 

【おお】

【今朝まで一般人だった人たちが、もうこんなに……】

【パーティーっていうよりはクラン戦だけど、だからこそすごいよな】

【たったの数時間で……】

【真剣度合いが違うからな】

【あー】

 

【しかも中上級者な、るるえみくしまさぁん&子供たちにつきっきりだし】

 

【うらやましい】

【いいなー】

【魔王軍に侵攻された直後の世界だからね……】

【町中までモンスターが来てたとか、どう考えても世界の終わりって感覚だろうしなぁ】

【ああ、11年前を思い出す……】

 

【現代で初心者講習もあればリストバンドもある、安全なダンジョン配信に比べると……なぁ】

【しかも、その戦う力与えてくれたのはガチ女神っていうね】

 

【さらに、命の危険があるときはたぶんノーネームちゃんが助けてくれるっていう事実も知らないし】

【まぁそれはつい最近のことだしなぁ、俺たちが知ったのって】

 

ふーん。

 

大人数での戦いになると、僕たち後衛職はああいう戦い方になるんだね。

 

僕、ひとりぼっちで戦ってきたからまったく知らなかったよ。

 

いやまぁ、さみしくとかはないけどね。

 

僕、たぶんパーティーとかでの戦闘とか協調性なさ過ぎて追放とかされそうだし。

 

「――えみちゃんっ! お願い!」

 

そんな戦いがしばらく続き、リリさんが守る中での一方的な攻撃が緩み始めたなって思ったら、るるさんがハンドサインをしながら――たぶんは撤退指示をする。

 

「ええ! ――中衛組は隊列を組んで突撃! 前衛組の疲労が回復するまでは私たちが足止めです!」

 

それを受けたえみさんが、待機していた人たちへ号令を出す。

 

「こ、今回はアルテさまたちが弱らせてくれてて、あのお姉さんが攻撃も逸らしてくれているので……えっと、ぼくたちが痛手を負わせる必要はありません。 とにかく大ケガしないようにだけ……」

 

輝いてるえみさん、そんなえみさんから距離取ってるアレクくん。

 

……そうだよね、えみさんはヘンタイさんだからね……ほら、孤児院訪問とか、女の子とも男の子とも戯れてたっていうし……?

 

………………………………。

 

……ほんとにおいた、してないよね?

 

今どきは女性から男性でもちゃんと罪になるんだよ?

 

自首しよう?

ね?

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