【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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475話 リリさんとビビさんとリリさんと

僕は男だったから、ある程度は理解できる。

 

多少のヘンタイ的思考なら理解は示せる。

 

……けども、さすがに人前で「ハルたん」とか言ったり堂々と胸元とかスカートの丈とかシャツの裾から覗こうとしてきたり、隙あらば欲望隠さずに一緒にお風呂に入ろうとしてくるのはちょっと……うん……僕の中身が男じゃなければ絶対怖いとか気持ち悪いとかで泣いてたと思う。

 

えみさん?

 

「違います!! 私はハルたんひと筋です!!」

「そんなことどうでもいいですから前見てくださいえみさん」

 

あれ?

 

僕、黙ってたよね?

あと、高いとこ飛んでるよね?

 

なんで考えてること伝わってるの?

 

……もしかして……いや、偶然ってことにしとこ……。

 

「そうだよ! ハルちゃんは私も見て!」

「るるさんも前見てくださいね」

 

るるさんは……前から考えたことがなぜか分かっちゃう系女子だからいいや。

 

むしろるるさんだからそれが正常なんだ。

 

「すりすり」

「ノーネームさんも……あ、いや、リリさんが危なくなったら助けるので僕たちも前見ておきますよ」

 

ノーネームさんは猫みたいにすりすりしてくるだけだからいいけども、僕たち、いざとなったら駆けつけなきゃだからね?

 

「ハル様!!」

「今大事なところですからがんばってくださいね?」

 

【草】

【えみちゃん……】

【るるちゃんは……まぁ……】

【ノーネームちゃん……お前……】

【リリちゃんも……もう……】

 

【ツッコミ……どこ……ここ……?】

【くしまさぁんならダンジョン入り口だよ】

【悲報・ツッコミ不在】

【子供たちもハルちゃんたち崇拝だからなぁ】

 

【しいていうならハルちゃんがツッコミに回っている】

 

【なんてことだ……】

【もうおしまいだ……】

【あのハルちゃんがツッコミを……】

【なんて過酷な戦いなんだ……!】

 

【対魔王戦だからな……これは激しい戦いなんだ】

【これが、女神勇者連合軍と魔族の決戦か……!】

【草】

 

 

 

「――ぐ、う……!」

 

それから数十分。

 

見てるだけって言っても気は抜けない。

 

ときどき回復して尻尾とかブレスかましてこようとする親戚さんだから、リリさんが間に合わないって思ったらノーネームさんか僕が急降下して邪魔するってのを何回かやったりしたし。

 

君、本当にしつこいんだよねぇ……やっぱり血筋は争えないね。

 

一応で、あれから何回か「もう帰ったら?」って言ったけど、そのたびになんだか怒ってくるし。

 

プライドが高すぎるのって致命的だね。

 

るるさんたちの指揮に合わせて的確に動く――素人なりに、初心者なりにがんばる人たちを応援しての観戦。

 

そんな、安全第一を心がけた「魔王討伐」は――あと一突きと言ったところ。

 

もう憎まれ口も叩けなくなっている親戚さんを――途中で怪我とか魔力不足で撤退した人たちを除いた100人から200人くらいの、ちょっと前まではただの人だった人たちが取り囲んでいる。

 

「……ハルちゃん」

「アルテ様!」

 

るるさんとアリスさんが、僕たちを見上げてくる。

 

「ハルさん」

「アルテさま……!」

 

えみさんとアレクくんが、僕たちを見上げてくる。

 

「……アルア様」

「ハ――アル、さま」

 

ビビさんとリリさん(小)が、僕たちを見上げてくる。

 

「びび、りり」

 

「ノーネームさん?」

 

ずっと僕に捕まってすりすりしてたノーネームさんが、ふわりふわりと降りていく。

 

【ノーネームちゃん!?】

【ノーネームちゃんが姉妹の名前を!?】

 

「……ノーム様!」

「ノームさま……」

 

降りて行く途中で、ふと軌道を変え――剣を構えていた町の人へ「ん」って手を差し出してそれを借り、再び姉妹の元へ降りる彼女。

 

「……ふたり」

 

「きる」

 

「……わたくしたちが……」

「これで……?」

 

【あの、これ】

【ああ……】

【「ソレイユ王国」の女王と王女になる2人に】

【わざわざ最後の一振りを……】

 

【これってやっぱり……?】

【ああ……11年前のあの日、そのものなんだろう】

【そこに、ノーネームちゃんが……】

 

一瞬の静寂。

 

「いえ、でも、やはり、これはこの地の人々に……」

 

「きぼう」

「ひつよう」

 

今までは現地の人たちにがんばらせていたのに、トドメだけは自分たちが。

 

そういう気持ちからか、戸惑いながらきょろきょろしている2人。

 

「――ええ、希望は必要です」

 

「あなたは……」

「ええ、そうです」

 

とん。

 

リリさん――僕の知ってる方の、背が高くってモデル体型で、輝く銀髪で、どうやら人類最高峰の戦力の1人で、なぜか匂い嗅ぐのが好きで、好きあらば僕の胸元とかスカートとかわきとか頭に顔をうずめてきて、なに言っても僕が正しいとか言ってくる子。

 

――その正面に居る、白髪から銀髪になっている幼い姉妹と「姉妹のように」そっくりな顔をしている彼女が、ノーネームさんの差し出す剣を見つつ、言う。

 

「混乱している時代には、いつだって希望の光が必要です」

 

「で、でも、それならノーム様が……」

「ノーム――ノーネーム様とハル様は、ずっとは居られません」

 

まるで年の離れた妹を諭すように、優しく――けれど、通る声で語りかける彼女。

 

「――みなさま。 この子供たちの故郷は――魔王軍の襲撃により、首都まで攻め込まれ――滅びました」

 

「っ……!」

 

「……そんな……」

「私たちも、女神様たちに守られなかったら……」

「ああ、使徒様たちが、あと少し遅ければ……!」

 

それを聞いて、どよどよと話し合う人々。

 

【リリちゃん……】

【そうだよな  リリちゃんがこの小さい白髪姉妹の妹ちゃんって言うなら】

【異世界から来て……11年前の地球に来て】

【現地に定住したってことで……】

【つまり、この子たちは……】

 

 

◆◆◆

 

 

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