【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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479話 久しぶりのきちゃない袋さん

「あ、ノーネームさんノーネームさん、宝箱ありますよ宝箱」

「たからばこ」

 

みんながわいわいしてるのがちょっと苦手だから、僕たちはすっと隅っこに。

 

そうしたらでっかい結晶の裏に台座があって、なんか良い感じの宝箱がでんと置かれていた。

 

「いいやつっぽいですね」

「んむ」

 

「押さなくてもひとりじめしませんって」

「んむ」

 

【かわいい】

【かわいい】

【あくまでハルちゃんがかわいいんだからね!】

【そうそう、ノーネームちゃんんんんんんんん】

【草】

【あーあ】

【気持ちを抑えきれなかったか……】

 

【けどこの子たち、すすすって逃げ出したよね】

【見事だったね】

【ビビちゃんリリちゃん&リリちゃん(大)に注目が集まるやいなや脱兎で草】

【リリちゃんは(貧)だろ!】

【それが良いんだろ?】

【分かる】

 

【そしてやっぱ隙あらばハルちゃんに抱きつくノーネームちゃん】

【ノーネームちゃん……】

 

【これ、セルフ百合妊娠出産したし、下手するとえみちゃんよりりりりりりり】

 

【草】

【ノーネームちゃん!!】

【自分だけ棚上げするの良くないの!!】

【こういうところはふてぶてしいノーネームちゃん】

 

【そうだった……えみちゃんよりりりりり】

 

【草】

【えぇ……】

【検閲されてて草】

【ないないだよ?】

【そうだった……】

 

「わー! 宝箱だねハルちゃんノーネームちゃん!」

 

「わぷ」

「るるさん。 はい、久しぶりに見た気がしますね」

 

走ってきたるるさんが一直線にノーネームさんに抱きつく。

 

その動きは俊敏だ。

 

「………………………………」

 

「さて、中身は何でしょうね」

 

すがるような目線を感じつつも、僕がはぐはぐされるのもやっぱり困るからノーネームさんに無言で押し付ける。

 

「……最上級の宝箱……でしょうか」

「あ、えみさん」

 

後ろに気配を感じたから振り向けば――久しぶりに見上げるとお胸で顔の下半分が隠れるえみさん。

 

【でかい】

【でかい】

【ハルちゃんの頭に戻ったカメラさんからだとめっちゃでかい】

【ふぅ……】

【えみちゃん……ロリコン癖なければこういう反応しかなかったはずなのにね……】

 

「お! 宝箱!」

「き、きらきらしてます……」

 

左右にさりげなく……いつの間にか居たのは、アリスさんアレクくん姉弟。

 

「あ! アリスちゃん、すっごく戦いやすかったよ!」

「おう! ルルも身軽だったし、息合わせてくれてありがとな!」

 

ぐっぐっと拳で謎のアクションをしつつ、すっかり仲良くなってるらしい2人。

 

「アレクた――さんも、意図を組んでくれて助かりました」

「い、いぇ……ぼくはただ夢中で……」

 

一方のえみさんとアレクくんは……なんかよそよそしい?

 

【えみちゃんが根性で耐えている】

【「たん」とか言ってるあたり漏れてるけどな】

【ていうかえみちゃん、黒髪弟くんのこと女の子って思ってる?】

【だからロリコンが発動してるんだよ?】

【草】

 

なんだかこっちもにぎやかになっちゃった……なんでだろ。

 

まぁいいや。

 

「……こういうでっかいのって、中身ちっちゃいですよね」

「ね」

 

「そうなの?」

「はい、この前は……えっと、きちゃない袋さんが入ってたんでしたっけ」

 

ごそごそと腰の紐にくくりつけてあるシミだらけの袋さんを、るるさんに見せる。

 

……うん、きちゃない。

 

なんかばっちい。

 

「……それ、洗ってあげたら……? ちょっと見た目が……ね?」

 

「や、洗ったんですよ、最初。 洗濯機で」

 

「洗濯機で!?」

「収納袋を!?」

 

一瞬でるるさんとえみさんの声がハモる。

 

「それ、とんでもなくたくさん入る、すっごーく貴重なのだよね!?」

「らしいですね」

 

「あの……洗濯機……その1つで小国が買えるほどの貴重品で……」

「や、拾ったばっかのときは知りませんでしたし」

 

確か500階層のときだっけ?

 

どんだけ入れてもまだまだ底がないってことで「これってすごいね」って話になったの。

 

【草】

【草】

【るるえみが俺たちの声を代弁してくれている】

【代弁助かる】

【えみちゃんがびっくりしてるの、なにげにレアな気がする】

【いや、だって……】

 

【ハルちゃん……? 収納袋……洗濯機で洗ってたのぉ……?】

 

【えぇ……】

【てっきり1度も洗ってないものかと】

【せめておててで洗ってたのかと】

【それを……】

【洗濯機に……】

 

「だって、帰ったあとの服と一緒にそのまま洗濯機放り込んじゃったんですもん。 洗い終わって畳まれてたのから出てきてから知りましたし」

 

【草】

【あー】

【わかる】

【やっちゃうよね】

 

【洗濯機……ぱさぱさの千切れて丸まったティッシュ……】

【あああああ無線イヤホンの片っぽがぁぁぁぁ】

【俺のスマホ……】

【本革の財布がダメになったあの悲劇】

 

【草】

【視聴者に流れ弾で草】

【ヘッドショットロリの配信だからね!】

 

「えぇ……」

「……壊れなくて良かったですね……いえ、恐らくは最高級品ですから洗濯機程度では壊れないでしょうけど……」

 

「? 女神さまのその布、きちゃないって名前なのか?」

「き、きっとアルテさまの翻訳魔法も難しい言葉は……」

 

僕が持ってたきちゃない袋さんに対して、いろんな意見が出ている。

 

……だってしょうがないじゃん、知らなかったんだもん。

 

収納袋なんてレア過ぎてお店にも出回らないって聞いてたから、存在しないって思い込んでたんだもん。

 

でもきちゃないし、せっかくだからって洗っちゃってもしょうがないじゃん。

 

しかも僕が洗ったんじゃないし。

 

だから僕は悪くない。

 

よし。

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