【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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487話 つかの間の休息 その3

「……大人のエリザ……ずるいです」

 

むぅ、とむくれているビビさん。

 

大きい妹に怒るってどんな気持ちなんだろうね。

 

けども、

 

「? リリさん、エリザって誰です?」

 

「申し遅れました、わたくしのいも――」

「はい、ハル様! 私の古い言葉での名前です!」

 

「じゃあエリザさんって」

 

「はい、皆様にはリリー」

「リリと呼んでください! ハル様が着けてくださった呼び名、私の真名とでも誇るべき名前ですから!」

 

「あ、はい」

 

「………………………………」

「ふふんっ」

 

【リリちゃん……】

【お姉ちゃんをことごとく……】

【ロリお姉ちゃんがおこ】

【ふぅ……】

【えぇ……】

 

リリさんのテンションがあいかわらずにおかしい。

 

けど、真名かぁ……そういや今さらだけど、子供たちみんなちょっと変わった呼び方で僕のこと呼んでくるよね。

 

それが異世界的な名前なのか訛りなのかは分からないけども……まぁ名前なんて分かれば良いよね。

 

「それよりもお姉さま? 私、まだJKです! ぴちぴちです!」

 

「貴女、仮にもわたくしの妹でしたら……じぇー……けー……?」

 

「ええ! ハル様たちが10年後に住まわれている国のダンジョン配信というコンテンツでごく普通に使用されているネットスラングです! ね! 皆様!!」

 

「誰に話してるんです?」

「皆様です!」

 

リリさんにまとわりついているビビさんとリリさん(小)。

 

……リリさんが2人っていうの、まだ慣れないなぁ……。

 

【草】

【うん、そうだね!】

【リリちゃんがキャラ崩壊している】

【最初からでは?】

【わりとクンカーなときはそうだったような……】

【全肯定のときからキャラは立ってたから……】

 

【てか普通にこっちを認識してるリリちゃんがすごい】

【そもそもリリちゃんだけなんか知りすぎじゃない?】

 

【※ないない中の情報とかどころか、異世界でハルちゃんたちから助けられた記憶から10年前の500階層RTAの記憶まで持ってる子です】

 

【あっ】

【そうだった……】

【これ、ハルちゃんとノーネームちゃん並みに詳しいのでは?】

【え、でもハルちゃん、いろいろ知らないっぽいけど】

【あー】

 

【ノーネームちゃんは全部知ってそうだけど、ハルちゃんはなぁ……】

 

【ときどき言動、おかしくなるもんね】

【もしかして:記憶喪失】

【その説が濃厚だったからなぁ、ハルちゃんの……泉だっけ?のとこの会話から】

【あー】

 

【ああ、10年間地球を放浪して呑んで食っちゃ寝で……】

【時間の経過とアルコールの摂取と退屈で脳みそが……】

【ボケるとさ……昔のことだけは良く覚えてるんだよねぇ……】

【あー、直近数十年が思い出せないんだよねぇ】

 

【草】

【草】

【それだ】

【ご老人扱いしてて草】

【ま、まぁ、数千歳の女神様だから時間感覚とか……ね?】

【女神様でもアルコールには勝てなかったよ……】

 

【しかし、「あの日」もとうとう夜かぁ】

 

【……あれ? 時間軸、ずれてなくない?】

【こっちと……壁に掛かってるアナログの時計と、同時刻……】

【あっ】

 

【ノーネームちゃん、もうよければ聞いて良いかな……?】

 

【聞き方がマイルドになってて草】

【だって怖いし……】

 

「? おなじせかい、おなじじかん」

 

ぽつり。

 

ノーネームさんが、やっぱりなにもないところを見てしゃべっている。

 

リリさんは、まだ分かる。

 

僕の配信カメラ――そういやまだ配信してるんだろうか――見て「皆様」とか言ってたし。

 

でも、ノーネームさんは……天井の隅っこ見てるし。

 

おばけでもいるのかな?

 

【はえー】

【まぁその方が実況も楽よね】

【この1年、昼夜がころころ変わってたからな……】

【※体に悪いのでやめましょう】

【大丈夫、普通の人は切り抜きとかダイジェストとかで上手くやってるから】

 

「からだ、たいせつ」

 

【ノーネームちゃん……!】

【やさしい】

【かわいいいいいいいいいいいいいいい】

【草】

 

またまたつぶやく彼女。

 

だけど、これ。

 

………………………………。

 

「……ノーネームさん。 前からそうやってひとりでぴこぴこしてたりしたの、もしかしてコメント欄のみなさんと話してます?」

 

「!?」

 

かっ、と目を見開いて、ばっさぁ、と盛大に羽を広げているノーネームさん。

 

……ちょっとおもしろい。

 

「あ、そうなんですね」

 

すっごく分かりやすいね。

 

【草】

【かわいいいいいいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいいいいいいい】

【かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいい】

 

【めっちゃばっさぁしてる】

【びっくりしてる】

【ああ、猫がびっくりして尻尾がぶわっとなる的な……】

 

「ノーネームさまぁぁぁ!?」

「ノームさま!?」

「どうした! 敵襲か!」

「ノーム様が、あそこまで警戒されるだなんて……!」

 

「今夜の襲撃を回避したと思ったのに……外に出てきます!」

 

「わ、リリちゃん!? 待って、私も行くよ!」

「みなさんに連絡を! 夜の番として待機してもらっています人たちに、今すぐ連絡を!」

 

「ノーネームたんの羽……つけ根……ごくり……」

 

「えみさん、そこまで行くと僕も引きますよ」

「ハルたん!?」

 

ノーネームさんがわさっとなった足元に落ちた、抜け毛ならぬ抜け羽。

 

それを目ざとくスライディングしてまで確保し、目の前で恍惚としているのはちょっと……ねぇ……?

 

【草】

【大惨事で草】

【あの、今のって、ハルちゃんが俺たちが観てるって気づいたのに反応……】

 

【でももう、みんな出てっちゃったぁ……】

【なまじ丸1日の大激戦でみんなの気が昂ぶってるから……】

【草】

 

【そんな中で変わらず酒盛りしてるハルちゃん】

 

【もうすっかり「スンッ……」って落ちついてるノーネームちゃん】

【この女神……なにもなかったかのように……】

 

【んでえみちゃん】

 

【えみちゃん……】

【さすがにそこまでは性癖強すぎるんよ……】

【ああ、スライディングしたせいで聖女コスが薄汚く……】

【まるでえみちゃんの心みたいだね】

【草】

【ひでぇ】

 

【え、てか今リリちゃん】

 

【あー、完全に未来を知って奮闘する時間遡行者ムーブしてましたねぇ……】

【まーたリリちゃんに属性が】

【前からでは?】

【そうだった……】

 

【るるちゃんたちの画面だとえらい騒ぎ】

【でもハルちゃんとえみちゃんのは】

【えみちゃん……】

【ブレない君が好き  でも、捕まらないようにね……】

 

【大丈夫大丈夫  ハルちゃんが擁護してくれたら超法規的措置してくれるから、きっと】

 

【始原も不承不承ながら支援します】

 

【草】

【草】

【始原が嫌がってて草】

 

【王国「三日月えみ様は我が国並びに小国同盟並びに異世界においても聖女様です」】

【王国「えみ様の言動が正義となりますので問題とありません」】

 

【草】

【王国まで全肯定で草】

【リリちゃんそのまんまなのね】

【お姉ちゃんは全否定だけどな】

【合衆国限定でしょ?】

 

【姉が全否定、妹が全肯定……なんて素敵な国なんだ……!】

【罵ってくる女王と応援してくれる王女……ふぅ……】

【草】

【あの、これ、公式見てるんですけど】

 

【けど大丈夫? こんなロリコンを聖女にしちゃって?】

【今ならまだ間に合うと思います!】

【そうです!】

【草】

【えみちゃん……それでも応援するからね……】

 

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