【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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509話 深夜の迎撃戦が始まってた

「……んぁ?」

 

ふと寒気がして目が醒める。

 

「……? みんなが張り付いてない……」

 

いつもなら声をかけるかもぞもぞし続けて脱出しないと起きられないはずなのに、なぜか今日はするりんと体を起こせた。

 

「? 嗅がれてない……」

 

みんな、僕が起きると群がってお鼻くっつけてきてすんすんしてきてたのに……あと僕、本当に臭くないのかな……ちょっと心配になってきた。

 

【草】

【草】

【そうだよな……サバトだったもんな……】

【※一応健全な方のサバトです】

 

【こっちに出現した魔王リリスなサキュバスはガチのサバトを発動させるからな……】

【ロリとショタがロリ女神に1、2時間すんすんしてる絵面がセンシティブに感じないレベルでな……】

【魔王じゃないよ、ちょうちょだよ】

【草】

 

【てかハルちゃん早く外出てー!!】

【そうだったわ】

【ノーネームちゃんがみんなを起こして連れてっちゃったから状況がなにひとつ分かんないんだよなぁ】

 

【ハルちゃんの頭の上のカメラさんだけが俺たちの希望だから……】

【リリちゃん、カメラ切っちゃってるからなぁ】

【せっかく特定できたのにな……】

 

【ハルちゃんの上で1年半活躍し続けてるカメラさん……】

 

【きゅんっ】

【次の新刊はカメラさん×あほ毛です】

【草】

【えぇ……】

【無機物勢がこわい】

 

「……嫌な予感がする」

 

久しぶりに畳の上のお布団っていう快適な空間――だけどもおしくら饅頭して眠る習性のハムスターとか犬とか猫みたいに、暑いくらいに寝ていたから……体の底から冷えている感覚。

 

「ノーネームさんが、僕をほっといて……急がないと」

 

やっぱり何度見ても、部屋の中には誰も居ない。

 

――みんなの装備も、なにもない。

 

たったったっ。

 

冷たい木の廊下を走り――。

 

「……光」

 

ぴか、ぴかっと――魔法攻撃での閃光と思しき光。

 

もう、戦闘が。

 

「………………………………」

 

たったったっ。

 

僕は――こんなときに長い廊下歩いて靴取りに行くの面倒だけど、戦闘なら履かないわけにはいかないから、もどかしい思いをしながら急いだ。

 

 

 

 

「うわぁ……」

 

見渡す限りがモンスターの軍勢――魔王軍。

 

しかも、あれ。

 

「……子供たちを襲おうとした、鎧とか着けてるタイプじゃん……」

 

きんっ、きんっ、と、金属の音がそこかしこから響き、先へ進んだり逃げたりする一群からは、金属で固めた装備が擦れ合う音。

 

【ひぇっ】

【これ、昼間にハルちゃんが降りてきた瞬間と……】

【変わらない映像……】

【こわいよー】

 

【昼間とは違って深夜……しかも月明かりなし、停電してるからぽつぽつ光るときにしか敵の全容が見えない……】

【一応、あちこちに松明的な光が点いてはいるが……】

 

【これはあれだ  深海の映像とか宇宙の映像見るときのあの怖さ】

【おろろろろろ】

【子供たちと爺さんたちは無事なの?】

【ノーネームちゃんが出撃してるから大丈夫のはずだがなぁ】

 

「……まずは軽くジャッジメント――いや、ダメだ。この暗さだし、動きが速い……人への誤射が怖すぎる……」

 

僕はいつも通りの――楽々すぎて便利すぎてもうこれだけでいいやって思ってた魔法攻撃を中断。

 

「……いけないな。最近は女神な体の能力にかまけて、基本を忘れてた。ちゃんと索敵スキルと精密斉射を心がけないと……」

 

ばさり。

 

僕は羽を傾け――人が1番に集まっている方向へと舵を切る。

 

【慢心しない系強者、それがハルちゃん】

 

【え? この女神、この強さでまだまだ先を目指してるの?】

【ウォーモンガーハルちゃん……わりと初期からだったわ】

【草】

【うん……まぁそうねぇ……】

 

【真っ暗なのに敵が迫ってるって怖すぎるな】

【ああ……】

【ほんの少し前――現代になるまでは夜戦とか夜襲とか天気の悪い時間帯の戦闘とかが恐怖だった理由がこれ】

【なるほど】

【見えない方が怖いんだな……】

 

【まだ見えてた方がマシなのか】

【てかやばくない?】

【やばくないとでも?】

【いざとなったらノーネームちゃんのないないはあるけど、ハルちゃんのジャッジメントが基本で使えなくなるとか】

 

【いや、そもそもノーネームちゃんがハルちゃん隔離した理由ってたぶん魔力の問題だし、使わない方が良いんだけどな】

【けど、それなら暗い中でも蠢く魔王軍、どうやって倒すんだ……?】

 

 

 

 

「あ、居た」

 

「いる」

 

「! ハル様ハル様ぁー!!」

 

「おお、女神様が……!」

 

「見え……ないな……」

「ええお父様……それが良いのです!」

 

ふぁさっと降り立ったとたんにぎゅむっと抱きついてくるノーネームさん、わんこのように飛び跳ねるリリさん。

 

【悲報・爺さんの息子と孫、不敬】

【これでもあのショタコンより万倍マトモだから……】

【知ってる? ゼロにいくつを掛けてもゼロなんだよ?】

 

【ひどくない?】

 

【しっしっ】

【おう姉御、これまでの発現を全部プリントしてやろうか?】

 

【え、そういうの良くないと思う】

 

【草】

【草】

【自覚はあるんだな……】

【ノーネームちゃん、こいつほんとやっとかないとダメじゃない?】

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