【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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535話 僕はケセランパサラン

「し、死ぬかと思ったわ……」

「戦い甲斐がありました!!」

 

「リリさんもキャシーさんも……イスさんもがんばりましたね」

「がんばった」

 

しゅうううと煙を立てているイスさんをなでなで。

 

……これ魔力で動くらしいけど、どうやって飛んでるんだろうね。

 

【イスさん……!】

【イスさんが褒められてる】

【感動した】

【今日1番に感動した】

 

【たまにはきちゃない袋さんもほめたげて……】

【きちゃない袋さんは殿堂入りだから……】

【ハルちゃんの一部だから……】

【草】

 

【ここの視聴者は無機物にも何かを感じているのか……】

【ハルちゃんが認識しているからね】

 

あれからしばし。

 

リリさんたちがイスさんの上から――ジェットコースターみたいに宙返りしたりしながら魔法攻撃をし続けて3体くらい。

 

そして僕たちが残ったのを倒して、ついでで周囲のゾンビとかサメとか……手足が着いてるサメってサメさんって呼んでいいのかな……を倒して。

 

「ひとまずは追い払えましたね」

「ん」

 

【×:追い払う ○:殲滅した】

 

【草】

【ま、まぁ、ここがあの日近辺なら、どこもかしこもダンジョンだらけでまだまだポップしてくるから……】

【それなぁ】

 

【あー、だからハルちゃん的には(外に居るのは)追い払ったってことか】

【ハルちゃんもノーネームちゃんも、言葉が足りないよ言葉が】

 

「ふぅ……わっとと」

「ふんす」

 

羽の浮力――力を入れなくっても姿勢を維持してくれてた便利なやつの力がふわりと抜けて、柵に乗っけてた足ごと落ちそうになった僕をノーネームさんが支えてくれる。

 

とんっとバルコニー――広いベランダに降りると、

 

「あ、まーた祈られてる」

「どやぁ」

 

『神の遣わせし天使よ……』

『主よ……感謝します……』

 

「あ、ノーネームさん、翻訳翻訳」

「おけ」

 

そう答えたノーネームさんが――頭の上で、読めないほど高速にぴこぴこと文字を出し続けている。

 

僕は分かるけども、みんなが分からないと困っちゃうもんね。

いちいち通訳させられるのって大変なんだし。

 

【草】

【かるぅい】

【ノーネームちゃん、高速処理中】

【ハルちゃんのお願いにはノーモーションなノーネームちゃん】

【ハルちゃんが1番大事だからね】

【分かる】

 

【始原もそう思います】

【王国もそう思います】

【異界もそう思います】

 

【は?】

【やりますか?】

【やっぱり異世界の方が……こう、ぐっとくるのでしょうか?】

 

【草】

【草】

【おもしれーやつら】

【※それぞれとんでもない権力と勢力持ちです】

【ハルちゃんの配信だからこんなに笑える感じだけど、実際は本当にやべーやつらだから……】

 

「ん」

 

終わったらしい。

 

なら、

 

「あ、僕たち、この世界の神様とか天使とかじゃないのでそんなことしなくて良いですよ」

 

「えっ!?」

「そんな……!」

 

がばっと顔を上げた人たちが――絶望の顔をしてる。

 

【緩い女神様だからね】

【今どきの女神だから】

【※最低でも数千さささささささ】

 

【ノーネームちゃん!! 事実でしょ!!】

【ノーネームちゃんもハルちゃんも、女の子だから……】

 

「なら、一体……」

「あれほどの力を持つお方が……?」

「人……なのか……?」

「周りの子たちも、みんな彫刻のように美人だし……」

 

困り果てている人たち。

 

んー、これなら神様って……や、なんかそういうのめんどくさいからやっぱこれでいいや。

 

「別の世界の……それっぽい何かです」

「なにか」

 

「……この場合はどうなるんだ……?」

「聖書には、我らが神以外をと……」

「しかし、異世界だぞ?」

 

「そんなのが……あるか」

 

「キングなゴリラやゾンビやシャークが存在するんだ、神だって……」

 

ひそひそひそひそ。

 

頭を突き合わせて真剣に考え込んでる人たち。

 

「や、そんな無理して考えなくって良いので。ほら、もう精霊でも妖精でも妖怪でもケセランパサランでも、なんでも良いですから」

 

確か、1人の神様だけを信じる宗教の人たちにとって、神様って存在は絶対で、別の存在は許されない。

 

いくら科学の時代で多少緩い雰囲気になってたとしても「はいそうですか」って簡単に受け入れられるものじゃないんだろう。

 

僕は特に宗教とかに思い入れがあるわけじゃないし、僕の家も地域もそんな感じじゃなかったし。

 

お正月とお盆に神社とお寺に行って、イースターとかハロウィンとか「ああもうそんな季節かぁ」って思ってコンビニのお菓子を買ったり、子供のころはクリスマスを楽しみに待ってたくらいなのが僕だからね。

 

むしろ欧州の方ですんなり過ぎたのがびっくりだったわけだし。

 

「ほら、ツチノコ――は、ここじゃ通じないか、んじゃネッシーとかコロポックルとかエルフとかドワーフとかそれっぽいので良いですから」

「よくない」

 

「良いんですよノーネームさん」

「んむぅ」

 

【草】

【草】

【これが……神様の姿か……?】

【フランクすぎて野良猫呼ばわりされてたくらいだからね……】

 

【自分からケセランパサランって言う神様とか初めて聞いたわ】

 

 

◆◆◆

 

 

TSっ子ハルちゃん、女装っ子ユズくん、女装悪役令嬢ジュリオンくんの3作同時投稿中です。

 

ついでにイラストや動画も週にいくつか上げています。

ぜひ見に来てください。

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