【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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569話 間接キスって衛生的に好きじゃない

どんどんっ。

どんどんどんっ。

 

「GAAA――――――!!」

 

「景気良いですね」

「けーき」

 

小さい船から大きい船まで、合わせて数十の鉄の塊。

それが、空からだと一面に――湾を包囲するように展開して海を封鎖している。

 

水平線をぐるりと囲んでいる影、そこからこれでもかと飛んでいく砲弾。

恐竜さんの頭上へも、代わる代わるに飛行機からおまけの攻撃。

 

だいたい数分おきに攻撃が止んで、もくもくした煙が晴れてティラノさんの状態を確認してからまた花火の再会。

 

「花火大会ってこんな感じなんですかね。僕、行ったことないですけど……だって人がうじゃうじゃ居すぎて酔うんですもん……こくっ」

「くぴ」

 

【わかる】

【人混みはなぁ】

【そもそもそんな陽の気あふれる場所に行けない】

【わかる】

【悲しいなぁ】

 

【10年もぶらり旅してたんだもんな、そりゃ花火大会とかも行ったことあるよな……って言おうとしたら行ってなくて草】

 

【草】

【き、きっと、今みたいに遠くからお酒のつまみとして見てたんだろうから……】

 

まるで盛大な花火大会。

それを見ながら一杯するのは、また格別。

 

僕たちが戦わなくって良いのって楽で良いよね。

 

そうそう、みんなが最前線で駆け回ったり攻撃回避したり失敗して痛い目に遭ってるのを遠くから安全なところから見つめながら、でも僕だけはこそこそと高いとこからぐてってしながらスナイプするのが好きだから遠距離攻撃極めたまであるし。

 

僕は効率の良いことが好きなんだ。

とにかく動きたくないんだ。

 

「合衆国のファイヤーワークは豪華ですね!」

「機体にアルコールをこぼさないでくださいますと……」

 

【草】

【なぁにこれぇ……】

【ハルちゃんたちの観戦だよ】

 

【艦船の艦船か】

 

【審議中】

【審議拒否】

【草】

【なぁにこれぇ……】

【かわいそうに】

【まぁもう大丈夫だろ、こんだけの火力あれば】

 

【異世界のときにもこんな感じの大部隊で戦ってたけど、あのときよりも戦艦と巡洋艦の数が違うからなぁ】

 

【あれは陸戦だったし】

【あのときの戦車の代わりに駆逐艦って感じか】

【でもやっぱ、発射レートおかしくない……?】

【花火大会の最終盤レベルで草】

【考えるな、感じろ】

【草】

 

【異世界のときのは異世界のそのまた異世界とかから召喚された戦車とかだったから意識してなかったけど、今思えばあのとき映ってたのもモンスター倒してレベルアップしてたのかなぁ】

 

【あー】

【え、でもノーネームちゃんが微妙にちがうとか言ってなかった?】

【わからん】

【ノーネームちゃん、この件に関しては何回聞いてもだんまりだからなぁ】

【秘密主義のノーネームちゃん  でもハルちゃんへの好意はバレバレ】

 

 

【♥】

 

 

【草】

【やっぱ見てるんじゃん、この百合っ子!!】

【ノーネームちゃんって案外おちゃめだよね】

 

ひゅるっ……ぱしゅううう。

 

また花火――もとい攻撃が止んでぼこぼこになってる恐竜さんを確認する間があってから、お船たちの後ろ側がいっせいにかぱって開いて細長いのがたくさん飛び始めている。

 

「あれはなんでしょうか」

 

「ミサイルだな。さすがに砲身休ませるんだろ」

「すでに砲身が溶けかねないほど連射しっぱなしでしたが……ホノルルでは個別のモンスターを短時間で倒すことしかしませんでしたから、万が一を考えてなのでしょう」

 

――どんどんどんっ。

 

これまでみたいに真ん前からだけじゃなく、前から横から上から下から、いろんな角度からミサイルが突入。

 

「GA――――――――――――!!」

 

「ノーネームさん」

 

「89ぱーせんと」

「だいぶ削れましたね」

 

「ありがとうございます……敵の体力はあと11%です!」

「おっしゃあ! 現代兵器舐めんなぁ化け物がぁ!」

 

【おー】

【しゅごい】

【太平洋を2分する勢力の主力艦隊、その半分の全力攻撃だからな】

 

【逆に言えば、これで効いてなかったらもうダメだったが】

【おいやめろ】

【召喚の儀は慎んでください】

【草】

【ノ、ノーネームちゃんはここに居るから大丈夫……だよね……?】

 

【ノーネームちゃんならハルちゃんの隣でお酒飲んでるよ】

【草】

【なら大丈夫だな!】

【ノーネームちゃんがのんびりしてる限り大丈夫だっていう安心感】

 

……くいくい。

 

「? お酒ですか?」

「ちがう」

 

ノーネームさんが引っ張ってきてる服のところにこぼしちゃった跡のあるお酒の痕跡をぼんやり眺めながら、その先の無表情な彼女を見る。

 

「………………………………」

「………………………………」

 

【?】

【どうした】

【見つめ合う2人……】

【ついにちゅーか!?】

【草】

【違うだろ草】

 

「……リリさん、コップとかください」

「!? まさか、間接キスを!?」

 

「何言ってるのかさっぱりですけどもらいますね」

「しゅきぃ……♥」

 

僕たちが飲んでるのが羨ましかったのか、途中からお酒飲み始めて真っ赤な顔してとろんとなってるリリさんからコップをむしり取る。

 

「はい、ノーネームさんのももらいますね」

「かんせつ?」

 

「もう飲み切ってるじゃないですか」

「ないない……」

 

【ノーネームちゃん……】

【リリちゃん……】

【残念な子たち】

【ハルちゃんは魅力的過ぎるからね】

【愛が深すぎる】

 

【大丈夫大丈夫  ハルちゃんはそんなの気にしないから】

【草】

【かわいそう】

【うん、ちょっぴりね】

 

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