【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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573話 最後通牒

きぃぃぃぃん。

 

僕たちは、恐竜さん――第二形態になっているボスモンスターへと飛んでいる。

 

「次の攻撃、いつですか?」

「5ふん」

 

「……間隔、短くないですか?」

 

「!」

「5びょう」

 

「ぜんりょく――」

 

固まった姿勢のままで硬直している――ように見える、浅瀬に浮かぶ巨体。

 

――その目は、はっきりと僕たちを見ている。

 

「――かいひ!」

 

ばさっ。

 

僕の前に黒い羽が広がると同時に、イスさんが急降下。

 

おしりの奥がひゅっとする感覚。

 

……飛行機とかで乱気流とかに巻き込まれると感じるあれ、男だったときはおしりじゃなくって、今はすっきりしちゃったおまたに生えてたのがきゅってなってた気がする。

 

「……きゃあああ!? 起きたらなんだか落ちてますぅぅぅ!?」

 

「リリさん静かにしてくださいね」

「さすがに今それは酷いですハル様ぁ!?」

 

後方で――見る余裕はないけども、リリさんがるるさんみたいにきゃいきゃいはしゃいでる。

 

――だけども、頭上を真っ白な光が通過するのを。

 

探知スキルでも、ノーネームさんが叫んでイスさんが急降下してから察知できたほどの攻撃を、ビームを見たら、そんなのは気にならない。

 

【草】

【リリちゃんかわいそう】

【ハルちゃん?? 嫌なことは嫌だって毎回言おうね?】

【ハルちゃん、ストレスとか言わないで溜め込むタイプだから……】

 

【だからるるちゃんのとこから脱走して「野良猫ハルちゃん」とか言われるんだよ……?】

 

【ああ、るるちゃんのかわいがりとえみちゃんのロリコン、くしまさぁんの厳格なお酒コントロールから逃げ出したんだったか……】

【草】

【え、けど、チャージ間隔短すぎない……?】

 

「きゃー! きゃー!! 落ちます! 海に落ちま――――にゃあああ!?」

 

「ジェットコースターみたいですね」

「みたい」

 

「急制動、ご容赦ください……!」

 

【かわいい】

【かわいい】

【かわいい子が本気で怯えてる声に興奮する】

【分かる】

【ひぇっ】

 

落ち始めるまでは僕の前に広がって――伸びてきていた黒い羽が、今はない。

 

ということは、ひとまず不意打ちの攻撃は回避できたってことだ。

 

「ノーネームさん、イスさん、ありがとうございます」

 

「しゅきぃ……♥」

「これが……好きという気持ち……!」

 

「ハル様!? 私は!? 私は!?」

 

「リリさんは静かにしていましょうね」

「はい!!! ……あれ? これ、喜んで良いのでしょうか……?」

 

【リリちゃんの情緒はおしまい!】

【今回の被害担当リリちゃん】

【帰ったらくしまさぁんと話が合いそうだな】

 

【合いそうか……?】

【るるちゃんとは合いそうだが……】

【えみちゃんとも、変態成分で合いそうだが……】

【くしまさぁんとは……うん……そうかもね……】

 

【なんだかんだ喜びそうだしなぁ、リリちゃんの方は】

【くしまさぁんは……?】

【頭抱えそう】

【草】

 

【くしまさぁんは……うん……まず、お酒飲んだシーンを並べながら怒りそうだから……】

 

海面すれすれを飛びながら――真横に怪獣さんの脚を見つつ、すれ違う。

 

――その目は、はっきりと僕たちを見ている。

 

もはや艦隊行動――組織的行動が取れなくなったお船なんか、見もせずに。

 

「……そうですよね。モンスターのルーチンも、強いモンスターほど変化しますものね」

「ん」

 

――その尻尾の先も、ずっと、僕たちを追尾している。

 

どぉん、どぉんっ。

 

それでも数秒おき――からは遅くなり、十数秒に1回の砲撃が来るものの、それへの防御を放棄して、僕たちを見ながら旋回している。

 

ずしん、ずしんと海底を揺らしながら――僕たちへ、常に相対しようとしている。

 

「ティラノさん。そう、あなたです」

 

僕は、立ち上がる。

 

イスさんの急制動でしゃがみ込んでいた体を、精いっぱいまで――小さいなりに、大きく見せる。

 

「あなたは、もう瀕死です。この世界は、あなたを迎撃して――殺すことができます。今は無理でも、近いうちに、必ず。きっと痛いです。すごく、痛いです」

 

「ハル様……?」

 

「GUUUUU………………」

 

返ってくるのは、うなり声。

 

――そうだ、強いモンスター――魔王さんレベルのは、たとえ低かったとしても明確な知性があるんだ。

 

「もうさんざん暴れたでしょう。満足したでしょう。……もう、帰ってくれませんか? あのドラゴンさんみたいに、やろうと思えば自分の世界に帰ること、できるんでしょう? だって、そんな魔力、まだ使えるんですから。予備の体とかどうかとか知りませんけど、その体だって失うのはもったいないでしょう?」

 

「………………………………」

 

相手は――考えている。

 

そのあいだにも、次の攻撃を溜めながら。

 

「この世界は――残念ながら、『僕たち』の大切な場所なんです。あなたたちに、これ以上壊させたくはないんです」

 

【ハルちゃん……】

【どうして……】

 

【そうだよな  ハルちゃん、あのGにでさえも対話、しようとしてたもんな】

 

【だよなぁ】

【自分を攫ってえっちなことしろろろろろろろ】

【子供をたくさろろろろろろ】

【脳が……破壊される……】

【草】

 

【お前たちの脳みそ、もろくない……?】

【いいか、NTRは脳を破壊するんだぞ】

 

【始原の半数が嘔吐しています】

【そういう話、止めよ?】

 

【     】

 

【あ、姉御が白目剥いてる】

【びくびくしててキモい】

 

【草】

【始原ももろすぎて草】

【大丈夫? じじいAED使ってない??】

 

【姉御は……?】

【ほっとけば良いでしょあんなショタコン】

【ひでぇ】

【草】

 

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