【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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580話 【恐怖の光通信】

【♥】

 

【アアアアアア】

 

【!?!?】

 

【怒】

 

【許】

 

 

「……?」

 

あ、久しぶりに見た気がする。

ノーネームさんが、ぴこぴこって頭の上で何か言ってるの。

 

しかもすっごく速いから読めないし……まぁいいや、なんだか嬉しそうだし。

 

「はる」

 

ぴこぴこを終えたらしく、心なしかちょっとだけ元気になった様子のノーネームさん。

 

「えんきょり」

「しつりょう」

「おなじ」

 

じっ。

 

言葉足らずな彼女が、それでも精いっぱいに何かを伝えてくる。

 

「もちあげる」

「ちかく」

 

「どかん」

 

「……?」

 

さらに分からなくなる。

 

「……どかーん」

 

「?」

 

「どっかーん」

 

「……なるほど?」

 

でも、なんとなく言いたいことが分かる――気がする。

 

【???】

【????】

【なぁにこれぇ……】

【ノーネームちゃん?? 頭の上のぴこぴこで伝えられるでしょ?】

【それ以前におしゃべりできるでしょ??】

 

【もしかして:ハルちゃん相手は好きすぎて恥ずかしくて、言いたいことちゃんと言えななななななな】

 

【ノーネームちゃん!!!!】

【草】

【そうだったわ、ノーネームちゃんったら案外恥ずかしがり屋さんだったんだわ……】

【片っ端から俺たちのことないないしてくるレベルにな!】

【草】

 

「よく分かりませんけど、ノーネームさんのことは信じてます。……やってください」

「ん」

 

ふっ、と、彼女が両脇を固めて僕たちを見ている彼らを見上げる。

 

「……今まで伝言役?してくれてありがとうございました、2人とも」

 

きっと、ノーネームさんもこう言いたいだろうから。

 

「……今から何をするんだ、神様よ」

 

「はい、ちょっと。なので、離れていてください」

 

「神の遣い――いえ、異なる世界の上位たる存在に言うべき言葉ではないかもしれませんが……ご武運を」

 

「ありがとうございます。そちらこそ、これからがんばってくださいね。これからが大変でしょうから」

 

男同士は、お互いにそこまで知らない仲でも――少ない言葉でも気持ちが伝わる。

 

男同士は、駄々をこねない。

短いお別れをしたら、彼らの機体が離れていく。

 

……これがちょっと寂しいって思うのは、僕が女の子になってから女の子にばかり囲まれてたからかな。

 

【お別れ……】

【悲しい】

【あんなやつらでも別れはなぁ】

【※ドのつくエリートたちです】

【パイロットさんたちだって人間だし】

 

【ハルちゃんは親しみやすすぎるから逆にリラックスさせて本性をあらわにさせるタイプの神様だからね】

 

【あー】

【悪意があったらいちばんやべーやつ】

【なくて良かったね……】

【本当にね……】

【ダンジョンで人知れず人助けしてたレベルの善性の塊】

 

【そうだぞ、だから俺たちに「なぁにこれぇ……」しか鳴けなくさせるんだ】

【草】

【そんなハルちゃんが、真面目に戻っちゃった……】

【ノーネームちゃんも……】

 

「いす」

 

「イスでございます」

 

ノーネームさんが、イスさんのモニターに話しかける。

 

「がんばった」

「……頂いた命です、過ぎたお言葉です」

 

「たくさん」

「とんだ」

 

「はい」

 

「がんばった」

「……はい」

 

「えらい」

 

「……感情があれば、きっと泣いています」

「ん」

 

なでなで。

 

指先まで完全に戻った彼女が――座席のとこを、優しく撫でる。

 

【ぶわっ】

【感動した】

【無機物が「泣きたい」って言ってるの……いいよね……】

【いい……】

【ずいぶん愉快な性格になってたけど、そういやイスさんは機械なんだもんなぁ……】

 

「はる」

「ねかせた」

「じゅくすい」

 

「あー、そういやあのとき、深いダンジョン潜るときすっごく寝やすい形に変形してくれてましたね」

 

「それが、この機体へこの星の人々が与えてくださった意味ですので」

 

「そうなんですか?」

「肯定します」

 

よく分からないけども、そうらしい。

 

……彼が納得してるんだから、そのまま納得させておいてあげよう。

 

【???】

【なんて?】

【そういやイスさん、最初はガチでハルちゃんが座ったり寝たりするためだけの摩訶不思議な機械だったんだよな】

【それがいつの間にか、こんなにも頼もしくなっちゃって】

 

【愉快にもなったぞ? こんなにも】

 

【草】

【それはね、親しみやすいっていうんだぞ】

【ああ、昔のSF作品とかから連綿と続く、ひょうきんな性格のロボット枠だもんな】

 

「いす」

 

「さいご」

「たのめる?」

 

「それが、存在する意味です――なんなりと」

 

「ん」

 

――ぴぴぴぴぴぴ。

 

ノーネームさんの頭の上が高速でちかちかと光る。

 

――ぴかぴかぴかぴか。

 

イスさんのモニターが、ずっと見てたらくらくらしそうに光る。

 

【!?】

【何これ!?】

 

【もしかして:光通信】

 

【あー】

【高速で何か情報送ってるの?】

【ノーネームちゃん……怖いよ……】

【せめて、何言ってるのか教えて……】

 

 

 

◆◆◆

 

 

TSっ子ハルちゃん、女装っ子ユズくん、女装悪役令嬢ジュリオンくんの3作同時投稿中です。

 

ついでにイラストや動画も週にいくつか上げています。

ぜひ見に来てください。

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