【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

586 / 739
586話 【速報・航空(ガチ)戦艦】

「艦長さん。みなさんのうち、戦艦の甲板とかに出てる人たち、みんな急いで中に入るよう伝えてください。あと、ちょっと揺れるけど何かに掴まってればたぶん大丈夫って」

 

「は、はっ……! しかし、何をされるのか」

 

「じゃ、僕、準備ありますから。動く砲塔だけで良いので、弾を込めてティラノさんへ照準合わせ続けといてくださいね。あ、本当に中に引っ込んでくれないとないないされちゃうので」

 

「お、お待ちを――」

 

ばさっ。

 

僕は飛び立つ。

ノーネームさんが教えてくれた、最後の攻撃のために。

 

【悲報・ハルちゃん、話を聞かない】

【朗報・ハルちゃん、いつも通り自己完結してる】

 

【あーあ】

【ひでぇ】

【朗報で草】

【説明……説明を……】

【ハルちゃんだからなぁ……】

【ハルちゃんって暴走癖あるよなぁ】

 

【リリちゃん助けたときとかさ……真横に居たはずの、るるちゃんたちにですら「伝える時間がもったいない」って脱走したって言ってたしなぁ……1分ぽっち、ううん、30秒でも話せば、最低でもお互いに言いたいことは伝わったはずなのにね……】

 

【草】

【草】

【そうだったわ……】

 

【それ以外でもさ、わりとケンカっ早いよね】

【それな】

【特に、誰かが危険って判断するとな】

 

【人間が大好きすぎるけど、それは嬉しいけど、好きで居てくれるならせめて事前に説明して……お願い……ひ弱な人間のメンタルががりがり削られるの……人間はそんなにメンタルも強くないのぉ……】

 

【草】

【無駄だと思うよ】

【ハルちゃんだもんなぁ……】

 

【始原もそう思います】

 

【九島ちほ「………………………………」】

 

【あっ】

【草】

【くしまさぁん……】

【かわいそう】

【おいたわしい……】

 

ひゅううう。

 

ティラノさんは――あと124秒で攻撃してくる様子。

 

でも、それを途中で使う攻撃ができるってのは、さっきに「見た」よ。

 

「――ふぅ。よし、戦艦さんたちの甲板はクリア」

 

見下ろせば5隻のでっかいお船、その周囲の小船――って言っても数十人は乗れるお船たち。

 

駆逐艦。

 

「彼女たち」が――僕を見上げてきている。

「自分たちは人間さんを守るから」って。

 

だから、

 

「なら、やりましょうか」

 

すぅっ。

 

僕は、ノーネームさんにもらった最後の1滴までを注ぎ込み――

 

「――イスさんっ!」

 

――ごごごごご。

 

下の海に白波が立ち上り始める。

 

下の海が、うなりを上げ始める。

 

下の海から質量が反転し始める。

 

【!?】

【イスさん!?】

【こわいよー】

 

【ハルちゃん……何するのか教えて……いや、もう良いや、どうせいつもこうなんだ……俺たちには「なぁにこれぇ……」って言うことしか許されてないんだ……】

 

【神の御業だからね】

【むしろ神話の神々にしては相当マイルドだから……】

【ダンジョンっていう脅威に対して登場したハルちゃんのおかげで、神話の時代に逆行してるからね】

 

【なぁにこれぇ……】

【なぁにこれぇ……】

【なぁんでぇ……?】

【草】

 

「……やっぱり戦艦さんって重いなぁ。けども」

 

――ぐんっ。

 

5隻の船底をがっちりと固定してくれたイスさんの感覚が伝わってくる。

 

「――行きますよっ!」

 

僕は、重い段ボールを持ち上げるときみたいに――体こそ動かさないけども、「たった今インストールされた力」で両脚をふんばり、腹筋に力を入れ――ゆっくり、ゆっくりと持ち上げ始める。

 

……体感的には、30キロくらいの荷物な重さ。

 

すっごく重いけども無理じゃない――ひ弱な成人男性でも、腰の使い方がしっかりしていれば不可能じゃない、力技。

 

体が悲鳴を上げるけども、ちゃんとした持ち方ならばうっかり腰を痛めたりすることもない、そんな感じ。

 

――ずずずず。

 

戦艦さんたちが――ゆっくりと、持ち上がり始める。

 

ゆっくり、ゆっくり――早くしたらイスさんがぺちゃんこになるし、うっかり落っことしちゃったら乗ってる人たちも周りの船に乗ってる人たちも、ないないされちゃうから。

 

【      】

【じょばばばば】

【なぁにこれぇ……なぁにこれぇ……】

 

【戦艦が飛ぶわけ……】

 

戦艦さんたちの甲板から、滝のように海水が流れ落ちていく。

 

そして――金属の鈍い色をしている上半分の下にある真っ赤な下半分が、そして特にでっかい2隻の艦首のしたの丸っこい部分があらわになって――――船底まで、空気を吸った。

 

【飛んだぁぁぁぁ!】

【草】

【戦艦が浮かんだ!?】

【あ、被弾箇所からお水が】

【マジで飛んだの!?】

 

【そうか……時代は航空戦艦か……】

【航空戦艦ってそういう意味じゃないと】

【いや、これは航空戦艦だよ】

【まぁ、そうなるな】

 

【時代がついに追いついたか……】

【言ってる場合!?】

【でも、戦艦を何隻も浮かせるとか……そんな魔力、大丈夫なの……?】

【ふぇぇ……世界最大の戦艦5隻を持ち上げちゃったよぉ……】

 

【ぅゎょぅι゛ょっょぃ】

 

【言うほど今のハルちゃんって幼女か?】

【戦い終わったらまた戻るんだから実質幼女】

【それもそうだな!】

 

【ショタ……?】

 

【しっしっ】

【草】

【草】

【そっとしといてやれ……疲れているんだ……】

 

【ハルちゃん? 戦艦数隻持ち上げるとかアホみたいな魔力使っちゃって、本当に大丈夫なのぉ……?】

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。