【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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600話 【悲報・ハルちゃん、おもらし】

「すぅ……すぅ……」

 

 

【救助】

 

 

「るるさんが寝静まるまでそのままで居てくださいね」

 

 

【!?】

 

【困惑】

 

 

ごはんを食べて、水分も補給して――お風呂であわあわ綺麗さっぱりになって。

 

人ってのは生理的な欲求が満たされて、初めて安心できるもの。

 

それに今は僕たち――ノーネームさんはちっちゃくなってるし、僕も羽とか生えてるから人間かは疑わしいけども、ともかくも自分を傷つけない存在がすぐそばに居て――しかも、こういうときは一般的に女性の方が安心できて。

 

だからか、ドライヤーですっきりさせてあげた直後からうとうとうしていたるるさんは、僕がおもむろに寝袋を広げてあげるとすっと入り込んですやすやと寝ちゃった。

 

小ささが気に入ったのか、それとも絶妙な温かさとか重さなのか、ノーネームさんを両手で抱きしめて胸元でホールドする感じに。

 

「もうちょっとだけ被害担当……もとい、お得な時間を楽しんでてくださいね」

 

ノーネームさん、るるさんのことずっとおっかけてるくらいには好きなはずだし、きっとこれでも喜んでいるはずなんだ。

 

僕?

 

僕は抱きしめられて寝るとかちょっと……ほら、るるさんってば寝相とかたまにすごいし……。

 

【ひでぇ】

【草】

【悲報・ハルちゃん、ノーネームちゃんを囮にした】

【あーあ】

 

【ハルちゃんってさ、こういうとこ野良猫要素出してくるよね】

 

【ずっとくっついてたいタイプじゃないからなぁ】

【基本的に人からちょっと離れてて、でもときどき近くに来て撫でさせてくれるタイプよね】

【わかる】

 

【それ、私の飼い猫の話だ……】

【それ、俺の飼い犬の話だ……】

【女神様をペット扱いする地球人類】

【草】

 

【普段からえみちゃんとかに抱きついてるのがデフォだった、るるちゃんとは真逆だよね……】

 

【しかもこんな場所で傷ついてる状態ですら嫌がるという】

【案外冷たいハルちゃん】

【草】

 

【お、お世話、なんだかんだもう1時間くらいつきっきりだったし……】

【ノーネームちゃんがここに居なかったらきっと、しょうがないなって抱きしめられてたはずだから……】

【そうそう、あのハルちゃんがお風呂を嫌がらなかったんだから……】

 

「………………………………」

 

僕が使ってた、子供用の寝袋。

それでも小さく感じるほどに幼い、るるさん。

 

「……たぶん、ここは10――11年前のあの日、それかあの日から大して時間が経ってないところ。るるさん、当時はどこに住んでたのかとか聞いたことなかったけど、僕たちがどちらも引っ越しとかしてないんなら、各駅の電車で2時間以内の距離のはず」

 

僕の家から日帰りできるダンジョン。

 

僕がルーチンで、ちょうど良いからって回ってた十数カ所のうちの1カ所。

 

そしてるるさんがえみさんたちのパーティーと一緒に活動している拠点からも、やはり同じくらいの距離にある場所。

 

――そこでるるさんの救助要請を受けて、同じダンジョンに潜っていた僕が、あのボスモンスターなドラゴンさんを追い払った。

 

つまり、僕たちは「そう離れていない場所に住んでいた」。

 

「でもまぁ、学校とか会社とかが一緒じゃない限り、同じ町に住んでても意外とお互いの存在すら気がつかないものだよね。小学校ならまだしも……いや、学区がずれたらもう知り合えないし、中学とかからってのは結構みんな受験で離ればなれになるし。友達ってのはちょっと会わないだけですぐに忘れるものだもん」

 

【くわしい】

【さすがはぶらり旅してた女神】

【草】

【本当、ハルちゃんって俺たちの社会に詳しいよなぁ】

【まさか学校に通ってたり】

 

【ハルちゃんが最初に見つかったダンジョン周辺の学校とかに凸してた配信者たちとか、彼らへのリークでもそうだったろ  ハルちゃんみたいな超絶美幼女はどこでも未発見だったって】

 

【草】

【発見言うな草】

【珍しい猫か何かかな?】

【案外、存在としては間違ってないっていうか】

【この気まぐれさ……学校なんてムリでしょ……】

 

「んー。僕だって小学校から先で知り合った友達とか、もう誰とも連絡取ることすら今まで忘れてたしなぁ」

 

僕が休みの日に誰かと出かけるのとか好きじゃないって理由もあったけども、そもそも暗くてじめじめして目立たない眼鏡生徒なんか誘われなかったし。

 

あ、や、誘ってはくれてたっけか、クラスの誰かが。

 

その誰かが誰なのか分からなかった時点でダメだったけども。

 

【!?】

【速報・ハルちゃん、小学校通ってた】

【ウッソだろお前】

【ハルちゃん、配信……観てねぇ!?】

【なにこの奇跡】

【感動した】

【草】

 

【え、てかハルちゃん、学校に……?】

【どうやってぇ……?】

【んにゃぴ……】

 

【ほ、ほら、良い話じゃないけど、ダンジョンのせいで親を亡くしたり地区ごと消滅して孤児になった子とかたくさん居たから】

 

【あー】

【そんな子たちを拾う人も多かったんだよな】

【子供を亡くした(当時の感覚)親も多かったしな】

【んでどっかの家に拾われて学校通ってたと】

 

【トラウマ持ちの子のための少人数の学校とかなら関わる人自体も少ないし、なにより「仲間」を売ったりしないし……情報出てこないのもなっとくか】

 

【はえー】

 

【またひとつハルちゃんに関する謎が解き明かされてしまったな……】

【繋がっちゃったね♥】

【もはや2年ぶりくらいになる謎が、ぽっと解決する配信よ】

 

【このへん、ハルちゃんが教えてくれ……無理だな】

【ああ、まずもってコメント欄を見ていない】

【そのへんは信頼があるからね】

【始原もそう思います】

【草】

 

 

◆◆◆

 

 

祝・ハルちゃん、連載開始2年で600話。

 

シリアスな場面なので特別回はありませんが、いつもお読みくださりありがとうございます。

 

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