【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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615話 見つかった

どす、どす。

 

……きっと「ぽてぽて」とでも表現できるはずの足取りは、地響きと空気の振動を僕に伝えてくる。

 

『しゃべらない』

『ばれない』

『ふたつめ、ひとつめ、おなじ』

『まえまでは、おなじ』

『だけど、もうちがう』

 

「?」

 

ぽつ、ぽつ。

 

断片的だけど、伝える石が伝わってくる。

それによると、二つ目と一つ目――巨人さんとギガントが、同じ。

 

……そうなの?

 

ほら、見た目全然違うし……背の高さとか、生物としてのサイズとか……あと、おめめもおっきくなったら減ってるし、髪の毛も毛根から根絶してなかった?

 

進化するとハゲちゃうの?

僕なら嫌かなぁ……。

 

『まおう、おきにいり』

『とりいった』

『なかま、さしだした』

 

『つよくなった』

『でかくなった』

『め、なくなった』

『でも、かしこい』

『つよい、かしこい』

 

『はたらかされる』

『ひとつめ、らくらく』

『でも、まえよりくえる』

 

なるほど。

魔王ってのから何かしらの力を得たのか。

 

……そうだよね、ダンジョン関係はゲーム的な価値観なんだ。

 

僕の知ってるダンジョンでも上位種は色が変わってサイズも変わるし、攻撃力も行動ルーチンも代わるのは当たり前だった。

 

それを――何段階もすっ飛ばして強制的?に進化させたら、ここまで変わるのかもね。

 

【魔王に従属したか何かで進化?したのか】

【なるほど】

【元は同じ種族か】

 

【片方の集団に武器と知識を分け与えて支配させる……まさか……】

 

【もはや人間の伝統過ぎて草も生えない方法】

【こっちの世界でも尾を引いてるのはNG】

【あっ……そういう地域のミラー配信が炎上してる……】

【そらそうよ……】

 

【言葉での殴り合いなら、まだかわいい方だから……】

【効率的ではある  効率的だし、数世紀は続く】

【けど、人道的にどうかっていうと……】

 

「……みなさんは、どうしたら助かりますか?」

 

敵は、外から来ただろうファンタジーな力を扱える魔王により、元同胞が進化した先の存在。

 

数がどのくらいかは不明だけど、巨人さんたちの性格的に強く反抗も反乱もできないだろう。

 

優しすぎるのは、時として自分を滅ぼすから。

 

『わからない』

『でもふっかつする』

『まおうのちから』

『しななくなった』

 

「あなたたちも前は死ぬ存在だったけど、今はモンスターたち――いえ、魔族みたいに魔力さえあれば時間経過で復活すると」

 

つまり――永遠の奴隷生活は、死んでも終わらない。

 

「………………………………」

 

――分かってる。

 

るるさんのことがあるから、さっきの光景を目にしたから、この人たちへ肩入れしてるって。

 

でも僕は、

 

「……許したくない」

 

僕が、嫌だ。

 

「そういうのは、嫌いなんだ」

 

【ハルちゃん……】

【押し殺したような声】

【滅多にないよな】

 

【確か子供たちが死んだって思ってたときくらいか?】

 

【あばばばばば】

【そのあとのぶち切れモード……】

 

【ああ! 近くの神社で鈴が乱舞してる!】

【ああ! 坊さんたちがドコドコやりだした!】

【ああ! 神社の鐘がリンゴンうるせぇ!!】

 

【草】

【草】

【ハルちゃん、キレると怖いからねぇ……】

【かわいいし優しいし天使  だからこそ怖いんだ】

【母親の怒りって感じ】

【ママァ……】

 

『――おい、二つ目ども』

 

――ずん。

 

とっさに巨人さんたちが僕を――たくさんの手で覆ってくれてるけども――それはかえって、悪手だ。

 

『何を拾った』

『さっきからこそこそ話してる』

『高純度の魔石か? アイテムか?』

『拾ったものは全部渡せ、そう言ってるはず』

 

『やめて』

『たいせつ』

『ないない』

『ゆるして』

 

「………………………………」

 

僕は――優しい指たちをとんとんと叩き続け……その指が1本、ゆっくりと空いた隙間から、羽を広げて飛び出す。

 

「僕が、匿うようにお願いしたんです」

 

――ふわり。

 

巨人さんたちが――外へ出てみて分かる、何人で両手を1か所に――僕が居たところで覆うようにしている。

 

優しすぎて、丸分かり。

 

だからこそ、迷惑は掛けられない。

 

【ああ……】

【これはバレバレだよなぁ】

【つかでけぇ】

【一つ目のギガントが怖い】

【こわいよー】

 

【※二つ目の巨人さんたちでさえ10~40階?くらいのビルサイズです】

 

【あばばばば】

【やっぱでかすぎんだろギガントたち……】

 

『フェアリー。希少種か』

『高く売れる』

 

どすどすと集まってきた彼らは――でっかい一つ目で僕をのぞき込みながら、ものすごい笑顔を浮かべている。

 

『魔王様、ドラゴン様、こういうの好き』

『もっとかしこくなれる』

『差し出す』

『認められたら、別の地域も支配させてもらえる』

 

【フェアリー……妖精か?】

【居るのか、そういう種族……】

【そういや地球のダンジョンには居ないな】

【まぁ人型のモンスターとか倒すのにも抵抗あるし……】

 

【ゴブリンとかオークは?】

 

【あいつらはぐへへなテンプレだから……】

【実際にはそんなことないのにねぇ……】

【どうしてもイメージがね……】

【草】

【漫画とかで、その前からそういう扱いだったもんねぇ……】

 

【※和製に変換されて魔改造されるまでは普通にファンタジーな存在でした】

 

【本来はゴブリンとかの方が妖精とかいうポジションだったはずなのに】

【そうなの?】

【そうらしい  今はもはや人に欲情する化け物扱いだがな】

【えぇ……】

 

【人間ってひどいね】

【知ってる】

【でもね、性癖には抗いようがないんだ】

【あと便利すぎるんだ、いろいろと】

【くっころが売れすぎたんだ】

【分かる】

【草】

 

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