【2巻発売中】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~ヘッドショットロリがダンジョンの秘密に迫る配信~   作:あずももも

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625話 いい人になったおじゃるさん

『――神族、いや、女神よ……朕へ手助けを……』

 

「はい?」

 

僕たちは一緒になって、群れになって、一体になって気持ちよく揺らいでいた。

 

くっころさんのことなんて気づいていないフリをして。

それがとても気持ちよかったんだ。

 

なのにそれを邪魔されて、僕はちょっと怒った。

 

「ごめんなさい、本当に気持ち悪いのでもうちょっとこの人たちと飛んでて良いですか? あなたなら分かりますよね? この気持ち悪さ。心の底から気持ち悪いので、そっとしておいてください。そんな気遣いもできないんですか王様なのに。魔王様なんですよね?」

 

【!?】

【速報・ハルちゃん、マジ切れ】

【かわいそう】

【おいたわしい】

【女神よ……おいたわしや……】

 

あ、ちょっとやつあたりしたらすっきりした。

 

『あ、うん……朕が悪かったでおじゃる……』

 

しゅんとしている魔王さん。

なんだか親近感が湧いているね。

 

「おや、そういう話し方なんですか?」

『朕は上流階級出身のドラゴンなのでおじゃる……あんな卑しい者とは違う世界に生きてきたのでおじゃる……』

 

おじゃるおじゃる。

 

心が癒やされていく。

 

「ならなんで、あのくっころさんみたいな――」

 

『!!!!! 卵が!!』

 

「しゃべり方してたんですか?」

 

こういう手合いは無視しかない。

 

えみさんなら生理的な嫌悪感はなかったけども……くっころさんからは、とてつもなくヤなのがほとばしっているんだ。

 

『お、おじゃ……支配者には尊大な話し方がふさわしいと……』

「なるほど。この、一緒に飛んでくれてる人たちも?」

 

『おじゃる……父上から受け継いだ、臣下なのでおじゃる……』

 

「そうなんですか。それはとても大切な人たちなんですね」

『わかるでおじゃるか?』

 

「はい。自分の父親――いえ、先祖代々から敬ってくれる人たち。けど、本当のところは自分ではなく自分の血筋ってものに頭を下げてくれてて、本当のところはどうか分からない……って感じですか?」

 

『……お前……いや、姫……そなたは美しい……』

 

「え、気持ち悪いです」

『ヴッ……』

 

それはそれとして、そういや君も僕のことを女の子だからってえっちな目に遭わせようとしてたよね。

 

しかも、僕が守ろうとしていた人たちを不意打ちで殺そうとして。

 

うっかり忘れかけたけど、やっぱり君も気持ち悪い人なんだ。

だって同じ魔王さんだもん、やっぱり君もヘンタイさんなんだ。

 

『……それが、「くっころ」……です、魔王よ……』

 

『いや、しかし……だが、今のは……』

 

気持ち悪い人たちはほっとこう。

 

「みなさん、もうちょっと飛んでいましょうね」

 

僕は、周りを一緒にひらひらしてくれていたドラゴンさんたちをうながし――みんなでひらひらを再開する。

 

ひらひら。

ひらひら。

 

僕たちは、たゆたう。

 

とてつもない魔力――エネルギーを放出している「星」を、ゆっくりと周回しながら。

 

ああ。

 

羽から、ものすごい勢いで魔力が吸収されていく。

 

【ハルちゃんが汚染されてる】

 

【かわいそう】

【かわいそう】

【ハルちゃん、真面目サイドだからなぁ……】

【ちょうちょにならないとやってらんないよね】

 

【分かる】

【分かるのか……分かるか……】

【草】

 

【※ハルちゃんが思考を放棄してます】

 

【もうだめだ……】

【ハルちゃんと来れば、常に思考してるロリだったのに……】

 

【姉御♥「しょた  ぢゃないかも」】

 

【あね「たす  け」】

 

【あ「………………………………」】

 

【覚醒せし私「ショタっ子に足蹴にされる興奮」】

 

【悲報・姉御、壊れる】

【草】

【あーあ】

 

【姉御 << くっころGか……】

【違うぞ、姉御 << えみちゃん <<<(超えられない壁)<<< くっころGだぞ】

 

【変態の世界は広いな……】

【ワールドワイドだね】

【ワールドワイド(物理】

 

【もうこんな宇宙さっさと滅んじまえ】

【草】

 

『――もう戯言は不要でおじゃる! ――である!』

 

『いい加減どちらにするか決めよ  私は……興奮する方にします』

『お主はいい加減黙りゃ!!!』

 

あ、おじゃるさんがカッカしてる。

それは良くないよ、おじゃるさん。

 

「魔王さん、落ち着きましょう。ヘンタイさんの言うことに耳を傾けたらこっちが参ります。つけあがるんです。そのまま放っておきましょう。無視するのが……したらしたで喜ぶので何しても無駄ではありますけど、僕たちが楽になります」

 

【草】

【草】

【キレッキレなハルちゃん】

【ぶち切れたしなぁ】

【おいたわしい……】

 

『女神……お主……!』

 

『ヴッ……特大の卵が……認知を……!』

 

『これはどうしたら?』

「……どうしましょうねぇ……無視しても勝手に卵産むとか……」

 

僕は頭を抱えた。

 

……なんで僕が無視したら卵が産まれるんだろう。

 

そしてその卵、産まれるの?

有精卵なの?

 

僕、何もしてないよ?

 

僕、なんにもしてないしそれどころか女の子になってるのにお父さんになったの?

 

そんなの嫌だ。

嫌だよ。

 

『ふぅ……先輩騎士よ』

 

 

【拒否】

 

 

『騎士よ、そこをなんとか! くっころの仲であろう!?』

 

 

【………………………………】

 

【事後】

 

【要相談】

 

 

『だそうです!!』

「ちょっと黙っててくださいねくっころさん」

 

ノーネームさん、そんな人と関わり合いになっちゃだめだよ。

君までもっとおかしくなっちゃうよ。

 

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